【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「ドラゴンスピリット」
ドラゴンを操る独創的なアイデアで一世を風靡した名作シューティングゲーム
2020年3月12日 00:00
- 1988年12月16日発売
ドラゴンに変身した主人公、アムルを操作して敵を倒していく縦スクロールシューティングゲーム「ドラゴンスピリット」は、1987年にナムコが発売したアーケードゲームを移植した作品。従来のシューティングゲームの常識を覆し、戦闘機やロボットではなく、ドラゴンを操作するというアイデアは当時としては斬新だった。
アムルは十字キーで8方向に移動し、Iボタンを押すと地上にいる敵を攻撃するショットを、IIボタンで空中の敵を攻撃するショットを口から発射する。特定の地点にあるタマゴを破壊したり、点滅する敵を倒すとアイテムが出現し、これを取ることでアムルの首の数が増えたり、ショットがパワーアップすることで攻撃力が増す。敵や敵弾に触れると、ライフが減るとともに首およびショットのパワーアップが1段階弱くなり、ライフがゼロになるとミスとなる。全7ステージで、各ステージの最後に出現するボスキャラを倒すとステージクリアとなる。
本作の最も面白いところは、対地上・空中両方のショットを連射しまくり(※一部の装備をのぞく)、敵を倒していく爽快感の高さにある。繰り返しプレイして敵の出現パターンを覚え、敵が弾を撃つ前にショットを連射して一掃したり、アムルをパワーアップさせた状態でボス戦までたどり着き、巨大なボスを秒殺できたときの気分は格別だ。また、ステージによっては触れるとダメージを受ける壁や障害物も出現するので、これらを避けるパターンを作るのもまた楽しい。
火山、ジャングル、洞窟など、ステージごとにまったく異なる、独特のファンタジックな世界観も本作ならではの大きな魅力のひとつだ。BGMもこれまた素晴らしく、各ステージの世界観にマッチした、ハイテンポでノリノリの曲や恐怖感をあおる曲などが用意され、プレーヤーのテンションをいやがうえにも高めてくれる。できればヘッドフォンかイヤフォンを使用して、BGMもじっくりと聴きつつゲームを楽しみたいところだ。
PCエンジン版は、アーケード版に比べるとステージ数や敵の種類が少ない(※PCエンジン版は全7ステージ、アーケード版は全9ステージ)。また、敵のサイズがアーケード版よりも総じて小さく、アムルがダメージを受けたり、特定の敵を倒したときのボイスが鳴らないなどの違いがあるため、アーケード版のファンにとっては物足りない面があるかもしれない。しかし、前述したアーケード版と同様の面白さはきちんと継承されており、今遊んでも十分に面白い。ちなみに本作では、アーケード版には存在しなかった、アムルの移動速度がアップするアイテムが登場するので、アーケード版をさんざん遊び倒したというプレーヤーは、これを利用した攻略パターンを作りながら楽しむのもまた一興だろう。
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