【特集】

【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】パラソルを使ったアクションが楽しい「PARASOL STARS」など全6本をご紹介!

海外タイトルレビューその3(アクション編)

 PCエンジン miniには多数の海外版タイトルも収録されているが、本稿では"アクション編"として、海外タイトルの中から「PARASOL STARS」、「NINJA SPIRIT」、「J.J. & JEFF」、「BONK'S REVENGE」、「NEW ADVENTURE ISLAND」、「BOMBERMAN '93」のうち、「PARASOL STARS」をメインにレビューをお届けしよう。

 「PARASOL STARS」は元々タイトーがPCエンジン用として1991年2月15日に発売した「パラソルスター」の英語版で、ストーリー上は「バブルボブル」シリーズの3作目に当たるタイトルだ。そもそも「バブルボブル」は1986年にタイトーからリリースされたアーケードゲームで、2人同時プレイが楽しく、当時高校生だった筆者はゲームセンターで結構遊んだ記憶がある。また、1987年にはストーリー上の続編となる「レインボーアイランド」が登場。こちらも遊んだ覚えがあるが、かなり難易度が高かった印象だ。

 しかし、最初からPCエンジン用として開発された「パラソルスター」は名前こそ知っていたものの、今までプレイする機会がなかった。今回はPCエンジン miniのレビュー企画として「PARASOL STARS」をガッツリプレイしたので、その他海外アクションタイトルとともに、その手触りをご紹介する。

「PARASOL STARS」
主人公バビーがSOSを発信している星を救いにいく

 「PARASOL STARS」は主人公の「バビー」と「ボビー」を操作し、自分達が住む星「レインボースター」の周りの星を「すーぱーすかる」の攻撃から救うというタイトル。ゲームの名称からもわかるように、本作ではパラソルを使って敵を倒していくことが特徴だ。ちなみに「バブルボブル」では泡を使い、「レインボーアイランド」では虹を使って敵を倒すのだが、その感覚は「PARASOL STARS」にもしっかり受け継がれている。

 主人公の操作は、方向キーで左右移動、Iボタンでジャンプ、IIボタンでパラソルの開閉を行なう。固定画面タイプ(左右にスクロールするラウンドもある)のゲームで、敵を全部倒せばラウンドクリアとなるが、ユニークなのは主人公の攻撃方法だ。本作ではパラソルで敵を攻撃してパラソルの上に乗せてから、再びIIボタンを押し、敵を壁に投げつけて敵を倒していく。また、パラソルボタンをずっと押し続けていると、パラソルをくるくる回転させて、染之助・染太郎の「いつもより余計に回しております」よろしく、パラソルの上に敵を乗せたまま移動できる。さらに落下中にパラソルを開くことで、パラソルがパラシュートの役割を果たしゆっくりと落下するようになる。

 「バブルボブル」では吐いた泡で直接敵を倒すのではなく、泡に敵を閉じ込めて割ることで敵を倒していたが、本作のプレイ感覚もそれと似ている。さらにパラソルを落下傘のように使ったり、敵を載せてクルクルと回したりといった独自のアクションが盛り込まれているのも好印象だ。

パラソルを開き続けると、敵をパラソルの上に乗せたまま移動できる

 また、ラウンドによっては水が入ったボールが上から降ってくるのだが、それをパラソルの上に乗せて、投げて敵を倒すこともできる。パラソルにボールを5つ乗せると大きなジャンボボールになり、より攻撃力が増す。

 ラウンドもバラエティ豊富で、ワールド(星)が全部で8+2(条件を満たすと行ける隠しワールド)あり、それぞれのワールドは7ラウンド構成となっている。各ワールドの最後には巨大なボスが出現するが、ボス戦では必ず「ボトル」が用意されている。ボトルにはウォーター、サンダー、ファイアー、スターの4種類の属性が用意されており、ボトルを取ってパラソルを開くことで各属性のボールにすることができる。そしてこれを5つ貯めてジャンボボールにすることでボスに攻撃する、という通常ワールドとは異なるギミックが用意されており、ボス戦ならではの要素が楽しめる。

この下には普通には入れないので、水が入ったジャンボボールを作って割ることで、水流を作って敵を倒す
水入りのジャンボボールを割ることで、このように水が流れていく。この水流に敵を巻き込むことで、敵を倒せる
ワールドの最後には巨大なボスが登場。ジャンボボールを作ってボスにぶつけて倒す
このワールドでは、サンダーのボトルがあるので、ボスに向かって雷を投げつけることができる

 「バブルボブル」シリーズは、敵キャラが可愛いことでも評判が高いが、「PARASOL STARS」もその伝統を受け継いでいる。ワールドによって敵キャラクターのコンセプトが異なるが、例えば最初のワールドは音楽の星という設定で、敵キャラも楽器をモチーフとしている。加えて「バブルボブル」に登場した敵キャラが出てくることも、シリーズのファンには嬉しいポイントだ。

 「PARASOL STARS」は、「バブルボブル」や「レインボーアイランド」と同じく2人同時プレイが可能である。1人プレイでも楽しいゲームだが、2人で一緒に協力プレイをおこなうと、楽しさは倍増する。今回の試遊では、コントローラーが1つしかなかったので残念ながら2人プレイはできなかったが、いずれコントローラーをもう1つ手に入れて、2人プレイを楽しみたいと思っている。

 「バブルボブル」シリーズのストーリーを継ぐ「PARASOL STARS」。アクションゲームとしての完成度は非常に高く、ラウンドによっては頭を使わないとクリアできないこともある。「バブルボブル」にハマった経験がある人はもちろん、そうでない人にも是非プレイしていただきたいゲームだ。

忍者アクションゲームの秀作「最後の忍道」は英語版「NINJA SPIRIT」として収録

 「NINJA SPIRIT」にも注目したい。日本版では「最後の忍道」として知られている横スクロール忍者アクションゲームで、1988年にアイレムによってアーケードゲームとして開発されたものがオリジナルであり、PCエンジンには1990年に移植された。

 武器は「刀」、「手裏剣」、「爆弾」、「鎖鎌」の4種類があり、自由に切り替えられることが特徴だ。また、黄色の忍者を倒して出てくるアイテムによって武器が強化されたり、分身が付いたりする。分身は最大2体まで付けることができ、攻撃力が大きくアップするので爽快感がある。アーケード版はかなり難易度が高かったが、PCエンジン版では、オリジナルのアーケード版とほぼ同じ仕様の「アーケードモード」と、ライフ制になり一撃では死なない「PCエンジンモード」を選べる。腕に自信の有る方は、ぜひアーケードモードでチャレンジしてみてほしい。

「NINJA SPIRIT」は4つの武器をSELECTボタンでいつでも変更できるのが特徴。鎖鎌は8方向に発射できる
こちらは手裏剣。破壊力は低いが、スピードが速く連射できる
分身が2体付くと攻撃力が大きくアップし、剣を連続で振るとバリアのようになる
各ワールドの最後には巨大なボスが出現する

 このほか、日本版では某有名お笑い芸人の名を冠したタイトルで知られている横スクロールアクションゲームの「J.J. & JEFF」、PC原人の続編となる横スクロールアクション「BONK'S REVENGE(PC原人2)」、横スクロールアクションゲーム「NEW ADVENTURE ISLAND(高橋名人の新冒険島)」、お馴染みボムを置いて敵を倒すアクションゲームの「BOMBERMAN '93(ボンバーマン '93)」なども収録されている。日本語版で馴染みのあるタイトルもそうでないタイトルも、この機会に是非遊んでみてほしい。

ユニークなキャラクターが魅力の横スクロールアクションゲーム「J.J. & JEFF」
原人が活躍する横スクロールアクションゲーム「BONK'S REVENGE」。頭突きで敵を倒すのがユニークだ
日本では「高橋名人の新冒険島」として知られるアクションゲーム「NEW ADVENTURE ISLAND」。主人公は一世を風靡した高橋名人!
ボムを置いて爆風で敵を倒すアクションゲーム「Bomberman'93」。翌年登場した「ボンバーマン'94」は日本版として収録されている