【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」
シリーズ屈指の名作! ゴシックホラーアクションの金字塔!!
2020年3月18日 00:00
- 1993年10月29日 発売
吸血鬼ドラキュラとヴァンパイアハンターの戦いを描く、KONAMIを代表する人気アクションゲーム「悪魔城ドラキュラ」。数々のハードでシリーズ展開し、シリーズ10作目となる「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」はPCエンジン SUPER CD-ROM2でリリース。シリーズ中でも人気の高い作品だ。
ファミコンやスーパーファミコンなどのROMカートリッジが主流の時代に、CD-ROMを使用したPCエンジン SUPER CD-ROM2のゲームはあらゆる面で圧倒的な進化を見せつけた。声優によるキャラクターボイスとアニメムービーが実装された「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」を初めて見たときは、未知の体験に衝撃が走った。
シリーズでお馴染み、ヴァンパイア・ハンターの一族であるベルモンド家。「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」はその若き末裔「リヒター・ベルモンド」が活躍する横スクロールアクションゲームだ。リヒターは「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」にも参戦を果たしたこともあり、本作をプレイしたことがなくても知っている人は多いのではないだろうか。
ゲームはオーソドックスなステージクリア形式。本作以降のほとんどの「悪魔城ドラキュラ」シリーズは、広大なマップを探索していくステージ探索型アクションゲームとなり、ゲーム性が大きく変わった。本作は、近年では見られない、1作目からの血脈を受け継いでいる作品なのだ。
基本アクションは、先祖から伝わる聖なるムチ。それに加え、短剣や聖水、クロスなど、全6種類のサブウェポンを駆使して進んでいく。
シリーズの中でも本作の難度は低かったと記憶していたが、20年以上振りにプレイすると結構難しい。ステージ2から早くもプレーヤーを本気で殺しにかかってくる。背景の色と同化して見えにくいカラスの襲撃を何度も受け、何ということはないザコキャラクターにゲームオーバーを味わわされた。
初見殺しの敵配置や仕掛けなども多いが、繰り返しのプレイで慣れていけば問題なくクリアできるようになる。歯応えのある難易度でありながら、遊んでいてプレーヤースキルの向上を感じられるゲームバランスは、アクションゲームとしては完璧と言っても過言ではない。
本作は一本道のステージではなく、ステージの進行ルートによって次のステージが変わる、ルート分岐システムを採用している。分岐ルートも含めるとステージ数はかなりのボリュームがあり、じっくりと遊び込める。
アクションゲームとしての面白さはもちろんだが、やはり「悪魔城ドラキュラ」の最大の魅力といえば、ダークな世界観に尽きるだろう。陰鬱なステージと、その世界にマッチした不気味なモンスターたち。これがたまらなくカッコいい。
「悪魔城ドラキュラ」シリーズといえばBGMのカッコよさも忘れてはいけない。特に本作のステージ1で使用されている「乾坤の血族」は、燃え盛る町の背景とマッチした熱いサウンド。この曲は本作をプレイしたことない人には是非1度聴いてもらいたい。
実は、本作で使用できるキャラクターは主人公のリヒターだけではなく、もう1人のプレイアブルキャラクターが存在している。隠しキャラという扱いで、あるステージで囚われているところを救出すれば使用できるようになる。
そのキャラクターは「マリア・ラーネッド」という12歳の少女である。可愛らしい見た目で、まともに戦えるとは思えないのだが、その性能は実はリヒターよりも優秀だったりする。
マリアは、リヒターよりも体力は少ないが、リヒターには無い多彩なアクションを使うことができる。二段ジャンプやスライディング、さらに、格闘ゲームのようなコマンド入力で「ガーディアンズナックル」という大技を発動することもできる。
守護精霊を飛ばして敵にラッシュを繰り出すガーディアンズナックルは、威力も大きく、使用制限なども無いので連発で発動することができる。手強いボスも、この技でハメれば拍子抜けするほどあっさり倒せてしまう。正直、マリアを使用するとあまりにもゲームが簡単になり過ぎるので、やはり初回プレイはリヒターがおすすめだ。
リリースから27年も経っている「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」だが、今回プレイしてみて、いつの時代に遊んでも名作は面白いまま色褪せないのだということを確認できた。
「PCエンジン mini」には、過去の名作が多数収録されているが、その中でも、当時時代の最先端を行っていたSUPER CD-ROM2のパワーも「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」で味わってもらいたい。
©Konami Digital Entertainment