【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「精霊戦士スプリガン」
コンパイル開発のメカと魔法が舞台の中二病全開ファンタジーSTG!
2020年3月16日 00:00
- 1991年7月12日 発売
コンパイルのシューティングゲームと言えば、MSXやファミコン、メガドライブなどでリリースされてきた「ザナック」シリーズや「アレスタ」シリーズなどが有名だが、PCエンジンにおいてもコンパイルのシューティングタイトルは何本かリリースされている。
1本は1989年7月発売の「GUNHED(PCエンジン miniでは海外版の「Blazing Lazers」として収録)」であり、その後、1991年にCD-ROM2タイトルとしてリリースされたのが今回紹介するファンタジーシューティング「精霊戦士スプリガン」だ。
見るからにコンパイル製のシューティング。ショットのパワーアップは29種類も!
本作の魅力の1つはコテコテのコンパイル製の縦シューティングという点にある。同社のシューティングゲームを何本かプレイした事があると、ゲーム開始直後の自機の挙動や高速背景の流れ方からコンパイルらしさが感じられる。魔法の力によりロボットが空を飛ぶという斬新な設定もいいし、そんな設定を活かすため、パワーアップアイテムは精霊球と呼ばれる4種類の球になっているのも面白い。
精霊球は火、水、風、土の4種類あり、これを取る順番によって自機のショットのパワーアップのパターンが変わっていくというのも、シューティングゲームのパワーアップとしては目新しい。なお、精霊球は手元に置いておかずそのまま消費すると画面上の敵と敵弾を全て破壊するボンバーになる。自機に精霊球を装着するスロットは3つあり、その3つの組み合わせで全29種類の攻撃パターンが用意されている。
ステージ中盤や終盤には巨大なボスが登場し、攻撃を仕掛けてくる。これを撃破することで、ステージをクリアしていく。
本作はCD-ROM2タイトルなので、起動直後にはムービーによるデモ映像が流れるのだが、そこでは主人公のジェガを演じる声優の堀川亮氏と、ヒロインのリカートを演じる鶴ひろみ氏による会話が流れる。その後もステージを進めるごとにストーリーが進んでいき、デモ映像や画像とともにキャラクターたちの会話が流れるため、より物語が楽しめるのも本作の魅力の1つだ。この時代のCD-ROM2は声優さんの出番が多く、声優ファンとしては非常にありがたみがある。
一方で、当たり前の話となるが、コンパイルの縦シューティングと言えばその難度の高さも特徴の1つだ。慣れないうちはゲーム開始直後の数秒であっさり自機がやられてしまうだろう。実際筆者も久々に挑戦したところ、高速な雲のスクロールとそれに合わせて出現する敵機の数の多さ、さらに敵弾の多さに目が惑わされ、いきなり何度も敵弾をくらってやられまくってしまった。
本作ではセレクトボタンを押すことで、自機のスピードを調整することができる。画面左上の矢印マークがその印で、セレクトを何度か押して速度調整して自分で制御できる速度でプレイするのがいいだろう。
そして本作で厄介なのはその特徴的なパワーアップだ。パワーアップアイテムの精霊球はかなり頻繁に画面上に登場する。パワーアップアイテムがたくさん出るのは喜ばしい事だが、一方で迂闊に色々取ってしまうと組み合わせによってはとても使いづらいショットになってしまう事も多い。そのため、最初のうちは色んな組み合わせを試して、自分にとって一番使いやすいショットの組み合わせをチェックしておきたい。またはステージの進行状況などを見て、敵に合わせて相性のよさそうな組み合わせなども模索し、その組み合わせ以外の精霊球を取ってしまった場合は、ボンバーとしてガンガン消費していく、というスタイルがいいだろう。
弾避けが苦手な筆者はまだACT1しかクリアできていないが、今後も中断セーブ機能を駆使してどうにか最後まで進めていきたい。
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