【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「銀河婦警伝説サファイア」
あれ? こんなにハードなの? アーケードカードでガチSTGと化した”銀河伝説”
2020年3月19日 00:00

- 1995年11月24日 発売
「銀河お嬢様伝説ユナ」は筆者が当時PCエンジン Duoを購入するきっかけとなった理由の1つである。当時筆者は声優の横山智佐氏の大ファンだった。彼女が出演する作品は全て視聴していたし、彼女が出演するイベントには足しげく通った。偶然打ち上げ会場の前で鉢合わせて生サインを頂戴した事もあるのはいい思い出だ。「銀河お嬢様伝説ユナ」は彼女が主役を務める作品だったため、PCエンジンごと購入したという経緯だ。
今回紹介する「銀河婦警伝説サファイア」はメインの続編という立ち位置ではないものの、一応「銀河お嬢様伝説ユナ」と同シリーズの1本だと聞いていたので、比較的まったりと楽しめるのではないかと考えていた。というのも「銀河お嬢様伝説ユナ」はPCエンジン miniには未収録だが、ゲーム要素が非常に少ない、ゆるいストーリーのアドベンチャーゲームだったからだ。一応バトルシーンもあるが、負けてもやり直しがきくなど、デジタルコミック的な楽しみ方をするタイトルだった。
また、その続編として「銀河お嬢様伝説ユナ2」も発売されているが、こちらはカードバトル導入により、多少ゲーム的な要素が増えたが、こちらもどちらかというとゲーム性が向上したというよりお色気要素が向上したといった内容で、やっぱり緩めのストーリーは健在だった。
そんなまったりした気持ちで、今回「銀河婦警伝説サファイア」を起動したところ、いきなり度肝を抜かれた。というのも、近未来SF物のストーリーがナレーションで語られ始めたからだ。しかもオープニングのデモ映像はカッコイイのだが、割とすぐにゲームタイトル画面になるし、ゲームを開始してキャラクターを選択したら、まったり要素など皆無のまま、いきなりハードな縦スクロールシューティングが開始したのだ。
よくよく調べてみると、キャラクターデザインこそユナなどと同じく明貴美加氏が担当しているものの、中味はアーケードカードの大容量を活かしたハードな縦スクロールシューティングだったのだ。
本作の特徴の1つが、3Dポリゴンのようなデザインの敵キャラクターがぐりぐりと回転しながら移動してくるなど、一見するとPCエンジンで3Dシューティングを実現したかと思わせるビジュアルだ。こちらは3Dで作成したポリゴンのデータから画像のみを取り込んでパターンとして使用しているため、内部的には2Dである。
他にもステージ途中のボスキャラなどは同様の動きを見せてくるので、その滑らかな動きに感動する。他にも縦スクロールシューティングでやりそうな演出が次から次へと出てくるので、プレーヤーは飽きることなくゲームを続けたくなる。
自機としてはパイロットのキャラクターとしてサファイア、シャルロット、ジャスミン、ヘレナの4人の女の子から選択できる。それぞれ自機の移動速度、自機のメインショット、パワーアップ時の動作などが異なるが、最も重要なのは移動速度だ。筆者が全キャラクターをプレイした感覚だと、1人プレイの場合、ヘレナ以外はどのキャラクターも遜色なくプレイできる印象だ。というのも、ヘレナのみ他のキャラクターと比べて移動速度が遅めなので、2人プレイで初心者がチョイスして敵の攻撃を回避するのに専念するのに使ったり、手練れのプレーヤーが移動速度の遅さをハンデにどれだけプレイできるかを鍛えるのに使うなど、どう扱っていくか試行錯誤するのが面白そうだ。
本作では1つ以上パワーアップアイテムを取得する事で、自機の両サイドに2機のオプションが装着される。オプションは補助ショットを発射するほか、メインショットを撃たずに少し待つとオプションがボゥっと光ってチャージされる。このチャージ状態になってからショットを撃つと、2機のオプションたちが敵に向かって体当たりしてくれる。かなり強力な攻撃だが、メインショットを撃たずに我慢する必要があるため、あまり頼りすぎると、自機が返り討ちにあってしまう点には注意が必要だ。
縦スクロールシューティングとしての難易度はかなり高い。パターンをそこそこ把握して挑まないと急に出現する敵に返り討ちにあってしまう。グラフィックスは全体的にかなり凝っているほか、BGMもロック調でかなりカッコいいので、先へ先へと進めたくなる魅力がある。中断セーブなどを駆使してこまめにセーブしながら進めて、ステージをクリアできれば、萌え要素であるキャラクターたちの声が聴けるご褒美にありつける。
最後に本作は最大2プレーヤーによる同時プレイが可能だ。実機のPCエンジンの場合、このような場合もマルチタップが必須だったが、PCエンジン miniにはコントローラを2機接続できるので、本作についてはマルチタップなしで2人同時プレイが可能だ。シューティングゲームの得意な知り合いが身近にいるなら一緒にプレイしてみるのも面白そうだ。
©Konami Digital Entertainment




































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