【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「ダンジョンエクスプローラー」/「DUNGEON EXPLORER」
マルチタップ必須! 最大5人で一緒に遊べるアクションRPG
2020年3月14日 00:00
- 1989年3月4日 発売
1989年発売の「ダンジョンエクスプローラー」は、ハドソンから発売されたオリジナルアクションRPG。見下ろし視点のアクションRPGだが、全てのキャラクターが何かしらの武器を発射して敵を攻撃するスタイルで、システムとしてはアタリが業務用でリリースした「ガントレット」に近い印象だ。
ガントレットの特徴が最大4人の同時プレイだったのと同様に、本作でもマルチタップを使っての多人数プレイが魅力だ。しかも本作では最大5人まで同時プレイ可能なので、いきなり結論から言うと、PCエンジン miniを買って本作をプレイするなら、マルチタップと追加のコントローラーと一緒に遊べる友達や知り合い4人が必須という事だ。
とは言うものの、今回は環境の事情でソロプレイしか試せず、マルチプレイはオープニングでのデモ映像しか見られなかったので説得力には欠けるが、これは正式リリースされて、マルチタップが用意出来たら是非5人で遊びたいと思っている。
今回は本作のソロプレイの魅力にも触れつつ、マルチプレイの際にも有用な立ち回りなどを紹介したい。
道中の敵は無視してボスだけ撃破でもOK! 職業は全部で8種類と隠し職業も用意
ストーリーはシンプルで、あるところに美しい自然に囲まれた国、コーネリアがあり、長い事、平和に暮らしていた。ところがある時から魔物が現われるようになってしまった。この国に伝わる伝説によると、“アイラのたま”を手に入れた者が民を治め、地を支配し、悪しきものを滅ぼす力を手にできる、とのことで、コーネリアにあるアルデ城の王様は誰かにこの玉を探して持ってきてもらいたい、というものだ。
ゲームシステムは、アイテム獲得でステータスを成長させる要素もあるアクションRPGだ。プレーヤーたちは王様の命を受け、挑戦可能なダンジョンにチャレンジしていく。ダンジョン内にはトラップやモンスターの吹き溜まりが設置されており、トラップをかいくぐりつつ、モンスターの吹き溜まりを破壊したり、かわしたりしながら、ダンジョン最深部を目指す。ダンジョン最深部にいるボスを倒せば、そのダンジョンはクリアで、次のダンジョンに進めるようになる。
本作のシステムでは、このボスを倒すことでレベルが上がる仕組みになっており、道中のモンスターたちをいくら倒しても、経験値を稼いでレベル上げはできない点には注意が必要だ。モンスターたちはたまにアイテムを落とすので、アイテム稼ぎに利用することができるかと思っていたが、この落とすアイテムの数には限りがあるため、あまり道中のモンスターばかりを相手にしていても消耗するばかりでメリットは少ないようだ。適度にモンスターの出現ポイントを破壊しつつ、進めていくのがいいだろう。
本作ではプレーヤーが最初に職業を選ぶところから物語が始まる。選べる職業は豊富で、ファイター、シーフ、ウォーロック、ウィッチ、バード、ビショップ、エルフ、ドワーフの8種類。いずれの職業でも白魔法と黒魔法が利用可能で、魔法の種類が職業ごとに異なる。ステータスも職業ごとに微妙に調整されている。
本作の攻撃手段は飛び道具のみだ。どの職業を選んでも何かしらの飛び道具での攻撃となる。ファイターであればソードを投げるし、ウォーロックやウィッチは魔法の弾を投げる。いずれも消耗せず無限に使える。
仲間の能力はそれぞれ個性があるが、1人でプレイする際の筆者のおススメは白魔法に回復を持っている職業だ。シーフ、ウィッチ、ビショップ、エルフはいずれも白魔法が回復なのでこれらの職業ならそこそこダメージを食らっても魔法で回復しながら進められるので、これはかなり快適だ。
一方、2人以上でプレイする場合は、これら回復魔法を持つ職業とそれ以外で組み合わせることで、よりスムーズに冒険が進められるだろう。個人的には体力が最も高いドワーフをタンクとして前面に挑んでもらい、その後ろからウィッチやビショップがフォローするという流れが有効そうに感じた。
他にも一定時間、敵の動きを止められる黒魔法を使えるウォーロックも役に立ちそうだし、唯一パーティメンバー全員を最初の城下町の酒場まで戻すことができるリターンの魔法を使う、バードをメンバーに入れるのも面白そうだ。なおバードだけはリターンの魔法以外にも、BGMを変化させるリクエストの魔法が使えるなど、役に立つんだか立たないんだかわからないのが面白い。しかもバードはHPが50以上になるとハーミットに転職も可能とのことで、ソロで使うには厳しい職業だが、3人以上のパーティを組めるなら1人いても面白そうだ。こうした職業の組み合わせがあれこれ楽しめるのも本作の魅力の1つだろう。
街中でうっかりIボタンを押さないように注意!
本作の操作はカーソルで移動、Iボタンで魔法、IIボタンで攻撃、SELECTで白と黒の魔法を変更。街の人との会話は建物内などに入ると自動で発生するため、ボタン操作は不要な点にも注意が必要だ。
これをわざわざ書いた理由は、何も考えずにプレイしているとうっかり誤操作で魔法を無駄撃ちしてしまうからだ。というか筆者は最初の頃、町の人を見かけるとついうっかりIボタンを押して魔法を使用してしまって悲しい思いをしたので、ここは意識しておいた方がいいだろう。
本作のダンジョン構成やストーリーは流れがある程度決まっている。最初のうちは街中で情報を集めたり、聞き込みをして、どこに向かうかを調べながら進めるのがいいだろう。また、最初のうちは王様の元に常に戻るようにしておくと、毎回魔法の薬(白魔法1回分、黒魔法1回分)をプレゼントしてくれるので、道中の攻略に役に立つ。
ソロでの立ち回りは2パターンあり、ダンジョンのトラップやモンスターをひたすら回避して、一気に階段までダッシュする方法、もう1つはじっくりとモンスターを倒しつつ、モンスターが出現する吹き溜まりを破壊して着実に進む方法だ。前述の通り、本作のシステムはモンスターとの戦いであまりメリットがない。そのため、敵のモンスターが近付いてくる前に一気にダッシュで突破して階段を降りてしまえば余計な体力を使わずに先に進めることができる。一方でダンジョンのトラップはダメージがでかい物も多いため、迂闊にダメージを食らうと、あっさり死んでしまう場合もある。
慎重に進める場合も、あまり慎重にやりすぎると、一定時間が経過すると、防御力がかなり高く、触れると2回くらいで即死してしまう、光の球のような敵が出現して、障害物などを無視してプレーヤーを追いかけてくる。いわゆる業務用タイトルに多く存在する「永久パターン防止キャラ」の1つと言えるだろう。
魔法回復アイテム以外にもステータスをアップさせるアイテムは敵を倒す以外にダンジョン内で拾う事もできる。本作では死んでしまってもすぐにリトライができるようになっているが、復帰後はせっかく稼いだステータスは初期値に戻ってしまうし、折角ストックした魔法薬も0になってしまう。ソロで遊ぶなら危なそうなゾーンに入る前に中断セーブで記録してから再開するのがいいだろう。
本作では育てたキャラクターをパスワードで復活させて使ったり、パスワードを利用して新キャラクターを追加する事ができる。新キャラクターの追加についてはストーリーを進めていくと、とある場所に王女が捕らわれているのだが、この王女の救出に成功すると王女は自分を呼び出すためのパスワードを教えてくれる。キャラクターのパスワードは冒険中いつでも参照する事が可能で、実際に使う場合は、スタート直後の職業選択の際にパスワードを入力すればOKだ。
北米版もメッセージ以外は変化なし!日本語版と同じように楽しめる
「PCエンジン mini」では本作の北米版も同時に収録されているので、こちらも試してみた。当前街の住人や酒場などの会話が全て英語のメッセージに置き換わっているが、それ以外の変化は特に感じられず、実際にダンジョンに入ると、そもそも会話する事があまりないので、ボスからのメッセージが聞き取れないのが困る程度でほとんど問題はなさそうだ。また、会話に出てくる英語もあまり難しい単語は使われないので、なんとなくニュアンスだけは伝わるのであまり苦労せずに英語版でも楽しめる。
そもそも、本作はストーリーの流れがある程度見えてきて、挑戦するダンジョンの順番がわかってくればわざわざ街の人や王様との会話をしなくても物語が進められるようになる。最初のうちは日本語版でプレイして、謎解きや挑戦するダンジョンの順番などを把握できるようになったら英語版でマルチプレイするというのも面白そうだ。
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