【特集】
「メガドライブミニ2」開封レポート!
メガCDタイトルや未発売タイトルなど、今回も盛りだくさんの全60本収録!
2022年10月27日 19:00
- 【メガドライブミニ2】
- 10月27日発売
- 価格:10,978円(税込)
- CEROレーティング:C(15歳以上対象)
今から約3年前となる2019年9月19日、今なお続くミニハードブームを一過性のブームで終わらせず、ゲーム業界の1つの流れとして定着させたと言える驚異のハード「メガドライブミニ」が発売された。あれから3年、気になるアイツが再び舞い戻ってきた。その名は「メガドライブミニ2」だ。
ミニハードについて、元々は任天堂が2016年11月に発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」がきっかけだったのは間違いない。ただし、そこから3年後に登場した「メガドライブミニ」はこちらの想像を遥かに上回る驚異のラインアップでリリースされ、我々を驚かせた。明らかにオーバーワークが感じられるその作りこまれた1台のハードは、単なる仕事としてではなく“メガドライブ”に並々ならぬ熱意と情熱を持つ人たちの手による匠の技を感じさせる1台であった。
あれから3年、舞い戻ってきた「メガドライブミニ2」は再びやらかした痕跡が随所に感じられる1台に仕上がっていた。そもそも、この手のミニハードの続編的な新製品といったら、単に内蔵するタイトルをごそっと入れ替えただけの安直な物が頭に浮かぶ。ところが、そこは「メガドライブミニ」でセガマニアのみならず、ゲーム業界に衝撃を与えたセガのこと。前作以上のサプライズと手間をかけまくったシン・モデルを用意してきた。
先ず、「メガドライブミニ2」のポイントとして挙げられるのは、その筐体デザインを1993年4月23日発売の「メガドライブ2」のミニチュアとしたこと。この手のミニチュアは再現性が高いほどコストがかさむ物だが、そこに一切の躊躇はない。これ、当たり前のようにメガドライブ2の筐体を再現しているが、普通はここまでやらないだろう。
そして、内蔵ソフトは本数を大幅に増やして60本。しかもメガドライブ用タイトルだけでなく、1991年12月12日に発売したCD-ROM周辺機器「メガCD」用タイトルを20本も収録。CDタイトルらしさ全開のオリジナルタイトル「夢見館の物語」や「魔法の少女シルキーリップ」、「ルナ」シリーズなど、アーケード移植の「ナイトストライカー」や「ニンジャウォーリアーズ」など、名前を上げるだけでテンションが上がるタイトルばかりだ。
もちろん、カートリッジのタイトルについても、前回収録されたなかった数多くのタイトルが収録されており、「ふしぎの海のナディア」や「まじかる☆タルるートくん」、「ああ播磨灘」、「ぎゅわんぶらあ自己中心派 片山まさゆきの麻雀道場」などの版権が大変そうなタイトルから、「ソーサリアン」や「ポピュラス」など当時の8/16bitパソコン向けタイトルからの移植作品、「TATSUJIN(タツジン)」、「チェルノブ」などアーケードの移植タイトルなど、カートリッジの収録タイトルだけ並べても驚きのラインナップとなっている。
さらに今回も前回以上のサプライズをこれでもかというほど用意。当時のメガドライブ用ソフトではなく、アーケード版の移植タイトルとして1982年稼働の「スーパーロコモーティブ」と1984年稼働の「三輪サンちゃん」をメガドライブ用に開発して収録。さらには本来存在しないはずのメガドライブ版「ファンタジーゾーン」も新規開発のタイトルだ。他にも1992年に開発しながらも未発売だった「でびとぴー」や、メガドライブでは未発売のアーケードタイトル「ぷよぷよSUN」の2人対戦モードのみを単体タイトルとして収録した「ふたりでぷよぷよSUN」もある。
さらなるおまけとして、メガドライブのローンチタイトルである「スペースハリアーII」をリメイク、スプライト拡張機能を使って再現した新バージョンの「スペースハリアーII」や、同様の機能を使った初代「スペースハリアー」も同時収録している。なお、さりげなく収録された初代「スペースハリアー」だが、メガドライブ版は発売されていないため、こちらも実質の新規開発タイトルと言えるだろう。他にも「パーティークイズMEGA Q」はクイズ内容を最新にアップデートした「パーティークイズMEGA Q 2022」として収録したほか、セガマニア向けのクイズ内容に差し替えた「パーティークイズSEGA Q」も収録する。だからやりすぎだって。
なお、今回の収録タイトルについても、移植作業はエムツーが行っているので、これも安心ポイントだ。
これだけのボリュームながら、価格は税込10,978円で10月27日発売だ。ぶっちゃけると初代「メガドライブミニ」は税込7,678円のため、約3,000円ほどの値上げとなってしまうが、このボリュームを考えるとお得感を通り越して、本当に採算が取れるのか不安になるレベルだ。
そんな夢にまで見た「メガドライブミニ2」の評価機が我が家に到着したので、早速開封レポートを紹介していこう。
再現性も高いコンパクトなパッケージにギチギチに詰め込まれた同梱物の数々
「メガドライブミニ2」には本体のほか、「ファイティングパッド6B」コントローラー1個と、HDMIケーブル、電源供給用のUSBケーブルが1本ずつ同梱されている。箱を開けてみると、これらが箱の中にピッタリ、ギッチリと収納されており、無駄の少ない収納率の高さを実感する。ACアダプターは別売となっているが、出力容量に余裕のあるACアダプターを使うのが無難だろう。
付属のコントローラーは「メガドライブミニ」の時と同様の物が収納されており、同じコントローラーが増加することになるので、パーティーゲームなど複数人でプレイするタイトルで活用できるところがありがたい。
「メガドライブミニ2」本体を取り出してみると、正に「メガドライブ2」のミニチュアといった作りこみが随所に見られる。筆者の手元にある「メガドライブ2」実機と比較してみたが、その形状はミニチュアとして見ても、文句なしの再現度だ。しかもカートリッジのスロット部や、拡張端子スロットのカバーなど、実際の機能としては動作していない部分であっても、稼働や着脱は可能になっている点には感銘を受ける。
カードリッジのスロット部が開閉するということで「メガドライブミニ」発売時にリリースしていた各種ROMカートリッジのミニチュアを「メガドライブミニ2」にも挿してみたが、こちらも完璧な再現度で挿入が行なえた。なお、ROMカートリッジの挿入深度が浅いように見えるのは「メガドライブ2」の薄型化に伴ったデザインの変更、「メガドライブ」に搭載されていたカートリッジのロック機能が省略されていることによるもので、実機で見てもROMスロット周辺のデザインがかなり変更されているのがわかる。
ちなみに「メガドラタワーミニ」に付属した「スーパー32X」カートリッジのミニチュアを搭載してみると、かなり浮いた状態になってしまうが、これについても仕様通り。実機でも付属の「メガドライブ2用スペーサー」を使って浮いた部分を埋める仕様になっていたのだが、これについても別売の「メガドラタワーミニ2」にミニチュアのスペーサーが付属しているので、忠実な再現が可能となっている。
ちなみに、側面に備える拡張端子スロットについてはカバーを外すことで、初代のメガCDを接続できることも確認できた。つまり前作の「メガドライブミニ」や「メガドラタワーミニ」とも縮尺を完全に一致させてきたということになる。
本体を起動して中を見る前から既に圧倒的なこだわりが爆発している。
実際に機能するのは、前面に備えるUSB端子で、ここにコントローラー、または動作確認済みのUSBハブを接続することで、最大5個のコントローラーを接続して使うことも可能だ。なお、動作確認済みのUSBハブについては、「メガドライブミニ」で動作した物であれば今回も問題なく利用できる。
背面には給電用のmicroUSB入力端子と、HDMI出力端子を備える。「メガドライブミニ2」本体の外形寸法は120.8×116.5×32.3㎜(幅×奥行×高さ)、重量は実測で約153g。
古代祐三氏のメニューBGMも刷新。きめ細かな設定も用意
外観を存分に楽しんだところで、いよいよ本体を起動してみよう。起動するとまるで3年前に戻ったかのような懐かしさと同時にこれまでとは異なる新たなメニューBGMに「メガドライブミニ2」という新作がやってきたという雰囲気にテンションが上がる。なお、メニュー画面のBGMは「メガドライブミニ」の時と同様、古代祐三氏が手掛ける。
メニュー画面では、遊びたいタイトルを選んでゲームを起動するほか、最上段には本体の設定や各タイトルの並び替え順を変更可能なソートの設定を備える。本体設定を開くとマニュアルを掲載するWebサイトに誘導もしてくれる「はじめにお読みください」や、「言語選択」、「ゲーム設定」、「スタッフクレジット」、「権利表記」、「本体の初期化」が選択できる。
「言語選択」では日本語以外にも英語やフランス語、イタリア語など8種類の言語が選択可能。いずれも選択することで、メニュー表示の文言が各国の言語に切り替わるほか、英語に変更した場合のみ、ゲームタイトルの表示が、米国版メガドライブ「GENESIS」のパッケージに切り替わるのも前作と同様だ。
「ゲーム設定」では、ゲーム画面の比率を4:3か16:9に変更できる「スクリーン設定」、画面比率を4:3にした際の画面両端の余白に表示できる壁紙を変更可能な「壁紙設定」などを用意。
なお「サウンド設定」では出力音声について「メガドライブ」から出力した音声と「メガドライブ2」から出力した音声のいずれか選択できる。「メガドライブ2」は「メガドライブ」と基板構成が異なり、当時から出力される音質には若干の違いがあるとされてきており、こうした違いにも対応できるようになっているようだ。
「MODEボタン設定」は「メガドライブミニ2」用メニューの起動トリガーを変更できる。デフォルトは従来同様、コントローラ天面のMODEボタンを押すだけで即座に起動する「クイックオープン」が設定されているが、これを長押し起動に変更したり、「OFF」にすることで、START長押しで起動するように変更することもできる。
個人的にいつも楽しみなのが「スタッフクレジット」だ。開いてみると「メガCD」の起動時のテーマ曲が流れつつ、スタッフロールがスクロールする。「メガCD」を起動すると、最初にメニュー画面が表示され、そこでドライブにセットしたCDタイトルを選択することでゲームが起動する。他にも音楽CDをセットすれば音楽CDが聴けるなどの機能があったため、「メガCD」のメニュー画面では、常にテーマ曲が流れていた。
ところが「メガドライブミニ2」ではメガCDタイトルが20本収録されているが、いずれもソフト起動後の状態から開始する。つまりCDドライブが空の状態のメガCDのBGMを聞く機会がないことから、ここに収録されているのだと思われる。なお、スタッフクレジットはトータルで8分近くあるので、ゲームに疲れた時に流しておくのも面白い。
「権利表記」でも「メガCD」の起動時のテーマ曲に乗せて「メガドライブミニ2」で使用されているオープンソースライブラリなどの権利関係が表示される。こちらは画面上の遊びはなく、淡々とテキストが流れる。
画面上部右の操作でタイトルの並び順が変更できる。デフォルトは「遊んだゲーム順」だが、これをメガCDタイトルのみ先に表示する「CD優先」、プレイ人数順に並べる「プレイ人数」、シューティングやアクション、RPGなどのジャンル毎に並び替える「ジャンル」、あかさたなの「50音順」、発売日で並べた「発売日順」と変更できるので、好みのやり方でタイトルが検索できる。
実際にゲームをプレイしている時に、「MODE」ボタンを押すことで、「メガドライブミニ2」のメニューが表示される。前述の通り、この設定も用意されており、長押し時にしか表示しないような設定などに変更できる。メニューからはクイックセーブやクイックロードが行えるほか、セーブデータを上書きできないようにするロック機能も備える。他にもこのメニューから、メインメニュー画面に戻ったり、ゲーム自体をリセットすることも可能だ。
楽しみしかない「メガドライブミニ2」、今回もレビューを掲載してます!
以上、簡単ではあるが、「メガドライブミニ2」の開封レポートをやってみた。何といっても「メガドライブ2」の筐体をそのままミニチュアにしたようなディティールのきめ細かさは、小さなおもちゃやフィギュアが好きな人にとっても大満足なハードウェアに仕上がっている。
収録タイトルについては、カートリッジ40本、「メガCD」用タイトル20本という本数も驚異ながら、内容もかなり充実しており、筆者個人としては文句のつけようがなかった。もちろん「メガCD」なのに夢見があってゆみみがない、スーパー32Xがないなど、ユーザーの数だけ収録してほしいタイトルがあるわけで、発表直後のネット上では様々な意見が飛び交っていた。
とはいえ、そこには権利関係などの大人の事情もあるだろうし、エムツーの中の人たちやセガの中の人たちのたゆまぬ努力ではどうにもならない面もあったのだろう。個人的には、収録されなかったタイトルを悔やむより、収録されたタイトルを前向きに受け止めていくスタイルで楽しんでいくのが「メガドライブミニ2」を楽しむたった1つの冴えたやり方だと思っている。
なお、GAME Watchでは、収録タイトルの実際のプレイ内容などについては、今回も多くのレビューを掲載。筆者もプレイレビューを掲載しているので、ご覧いただきたい。
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