【特集】
【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「魔法の少女シルキーリップ」
メガCDだから実現できた、プレイできる魔法少女アニメ!
2022年10月29日 00:00
- 【魔法の少女シルキーリップ】
- 1992年6月19日発売
- 発売時のメーカー:日本テレネット
「夢幻戦士ヴァリス」でお馴染みの日本テレネットが、1992年にメガCD用ソフトとしてリリースした「魔法の少女シルキーリップ」。タイトルの通り、魔法少女を題材としたアドベンチャーゲーム。
キャラクターボイス、ムービーシーンの実装など今では当たり前だが当時としては画期的で、ディスクメディアとマシンパワーをフルで使った意欲作である。本作はTVアニメを意識した作りになっており、主題歌入りのオープニングから始まり、アイキャッチやエンディングムービーまで用意されているのだ。
魔導小学校に通う魔法使い見習いの「リップ」は次期女王候補に選ばれ、1年の間人間界で修業を積んで次期女王として認められるのがゲームの目的だ。本作は章仕立ての構成でトップビュータイプのRPGのような作りになっている。人間界の桜ヶ丘を舞台に小学校に通いながら次々と起こる様々な問題を解決していく。
アドベンチャーというジャンルだけあって特に難しいゲームではなく、基本は目的の場所に行くか特定の人物に話しかけるだけで物語が進んでいく。ゲーム性は至ってシンプルなのだが、恐らくメーカーが意図して狙った訳ではないところで難易度を跳ね上げているポイントがある。それは桜ヶ丘のマップが驚くほど広大な作りになっており、気を抜いて歩いていると家路すらも分からなくなることもままある。人間界に来たばかりで右も左も分からないリップに感情移入ができてしまう。
イベントシーンの随所で発生する特徴的なシステムに「会話モード」が存在。会話モードでは「いかり」、「悲しみ」、「喜び」の3つの感情から選択してキャラクターとの会話を進めていく。選択した感情によって会話内容が変化し、その結果によって評価ポイントという得点が増減する。この評価ポイントこそが女王に認められるかの重要な要素になるので、的確な選択でポイントを稼いでいきたい。
本作の魅力は何といっても個性豊かな登場キャラクターにある。小学4年生で魔法少女のリップの可愛さは言うまでもなく、クラスメイトのハゲタンクやサルなどはどう見ても小学生には見えない濃いビジュアルが笑いを誘う。
オマケ的ではあるが時折敵との戦闘もあり、最初に戦う敵は小学4年生の女の子に“いいものを見せようとする”露出狂だったりと、ぶっ飛んだキャラが数多く登場しプレーヤーをゲームにグイグイ引き込む。
ライバルとなる2人目の次期女王候補の登場アリ、水着回アリと、まさにTVアニメのお約束がふんだんに盛り込まれており、操作性やゲームの不親切さなどに目をつぶれば今遊んでも十分楽しめる内容。プレイをしていて気がつけばオープニング曲のフレーズが頭から離れなくなるほど夢中になれるハズだ。
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