【特集】

【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「パーティークイズSEGA Q」

セガがセガファンのために作ったクイズゲーム! 全問正解できるか!?

【パーティークイズSEGA Q】

2022年10月27日発売

メーカー:セガ

 メガドライブミニ2に収録されるオリジナルタイトルの中でも、特に異彩を放っている「パーティークイズSEGA Q」。前機種のメガドライブミニに収録された「パーティークイズMEGA Q」のシステムをそのままに、出題される問題を全てセガに関連する内容に差し替えた、セガがセガファンのために贈るクイズゲームだ。

「パーティークイズMEGA Q」をセガファンのために改装し、新作として収録

 メガドライブで1993年11月に発売された「パーティークイズMEGA Q」(以下、「MEGA Q」)は、当時のTVの定番ジャンルだったクイズ番組をモチーフとしたクイズゲームだ。プレイヤーは回答者の1人となり、クイズに対して提示された4つの選択肢の中から該当のボタンを押して解答するルールでゲームが進行していく。冒頭の「いきなり早押しクイズ」、エフェクトのかかった問題が出題される「目で見る早押しクイズ」、全16問の全員解答式「ペーパークイズ」、早く解答すると得点が高い「全員参加クイズ」、ジャンルごとに分けられた問題に答える「ジャンル選択クイズ」、トップ解答者専用の「タイムアタッククイズ」など、クイズの出題方式も'80~'90年代のクイズ番組に近い内容で、バラエティに富んでいる。

もちろんUSBハブと人数分のコントローラーがあれば、プレイヤー同士で対戦が可能。新しいセットにも注目

 同作は某ゲーム誌で行なわれたアンケートで、“メガドライブミニの中で最も期待されていないタイトル”という不名誉なレッテルを貼られてしまったそうだが、今回のメガドライブミニ2では、あまりに古すぎた当時の問題を全て差し替えて、別のタイトルとして本作と「パーティークイズMEGA Q 2022」の2本が収録されることとなった。このあたりにはセガの反骨精神が感じられ、ファンとしてはなんとなく頼もしく思った。

懐かしいクイズ番組スタイルでゲームは進んでいく。問題は全てセガに関するものだ

 そのうちの1本であるこの「パーティークイズSEGA Q」は、冒頭でも述べた通り、問題が全てセガにまつわるものとなり、背景もオパオパやぷよがあしらわれたセットに変更されている。そして司会にはなんと、セガのコンポーザー光吉猛修氏を起用。ゲーム画面はもちろん、メニュー画面の描き下ろしパッケージにもその姿が登場し、ゲーム中のボイスも本人の声を収録している。さらに細かいところでは、ライバル回答者の名前が「ゲームズ博士」、「サムシング兄さん」、「吉永うらら」など、セガに関係するキャラクターや人物をもじったものだったり、提供クレジットに「たのしさ∞」のキャッチコピーが入っていたり、光吉氏や回答者のセリフがセガファンには馴染み深いセリフだったり、本作の問題を難なく答えられる程度のセガファンならニヤッとしてしまうようなネタが豊富にちりばめられている。

司会者の光吉氏は常に画面右側のワイプ内に登場。セリフもそれっぽい
知る人ぞ知る「たのしさ∞」のフレーズ。出自はメガドライブミニ2に収録されたあのタイトル!?

 収録された問題は新規に製作された2000問。セガの62年に渡る新旧の歴史がクイズになって出題される。2020年にセガ60周年を記念して行われた「セガい共通テスト」もかなり難問が多かったが、本作にはそこで出題された内容に負けないものが揃っていた。以下に本稿執筆時のゲームプレイで出てきた問題をいくつかピックアップしてみた(解答なし、原文ママ)。

・「龍が如く」の主人公・桐生一馬らが歌う世界的ヒットソングといえば
・「ダイナマイトヘッディー」GIVE UP選択時、ヘッディーの顔の文字は何?
・1985年可動UFOキャッチャーの成功に影響を与えたといわれるぬいぐるみは?
・「セガサターンムービーカード」本体に装着すると何を再生することができる?
・「アストロシティミニ」はオリジナルと比較してどのぐらいのスケール?
・国産初のジュークボックス「セガ1000」でセレクトできた曲数は?
・ゲームも再生できるイメージアルバム「SING!!」のメインアーティストは?

問題は開発スケジュールのギリギリまで作られていたようで、このメガドライブミニ2に関する問題も入っている
ネタ選択肢が入るのはお約束。ちなみに本稿執筆のための試遊では、一度も同じ問題は出てこなかった

 全て4択の問題なので運に頼って答えてもいいが、間違えると減点されてしまうのが痛いところ。特定のクイズ以外は“わからなければ解答しない”という戦略も重要なものとなっている。クイズに解答しても正解は提示されないので、次に出題されたときのために覚えておくことができないのもニクい仕様だ。

点数がマイナスになると赤点に。しかし思わぬ逆転チャンスもある
番組途中で圧倒的な点差をつけられ心が折れてしまったソロプレイの「特番」モードをプレイしたときの画面
特定のクイズモードを選んでプレイする「えらんで!SEGA Q」モードもある

 これも原作の「MEGA Q」に則った仕様なのだが、ソロプレイで「本番」以上の難易度を選ぶと、COMが担当する他の解答者が異様に強いという難点がある。正解がわかったとしても早押しに負けることも多く、正直勝てる気がしなかった。遊ぶのならばUSBハブと人数分のコントローラーを用意して、少なくとも3人以上のプレイヤーで遊びたいところだ。プレイヤーが揃っていれば、参加するだけでなく、実況や観戦にも向いたタイトルなので、深い知識を持ったセガファン同士(同志)で集まる機会を作って、ゲーム中と同じように、盛大なクイズ大会をやってみるのもいいかもしれない。