【特集】
【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「ナイトトラップ」
怪物集団から女の子達を救え! リアルアイム映像とゲームの華麗な融合
2022年10月29日 00:00
- 【ナイトトラップ】
- 1993年11月19日発売
- 発売時のメーカー:セガ
「ナイトトラップ」は、館に仕掛けられた8カ所のカメラを切り替え、襲来する謎の怪物「オーガ」を捕まえるインタラクティブアドベンチャーだ。アメリカの開発会社デジタルピクチャーズが"映像とゲーム性の融合"を目指した作品である。
本作ではプレーヤーは「SCAT(セガ・コントロール・アタック・チーム)」の一員だ。SCATの任務は行方不明者が出るという「マーチン家」の監視。館になぜか仕掛けられていたトラップと監視カメラのシステムをハッキングし、ホームパーティーに招待された女の子達を守ることだ。
驚かされるのは8つの部屋それぞれに映像が用意されており、様々なドラマが展開することだ。プレーヤーはこまめにカメラを切り替えオーガーがトラップに近づいた時を見計らいトラップボタンを押し捕らえる。経過する時間に合わせ一定数のオーガーを捕らえないとゲームオーバーになる。
実際のゲームではこれがなかなか難しい。実はSCAT隊長の任務の説明を聞いているときにはゲームはスタートしており、話を聞かずにトラップを動かしていかないと行けなかったりするのだ。オーガーは短い時間でかなりの数が出没するし、プレーヤーは8カ所もの場所を監視しなくてはいけないので大忙しだ。攻略には「オーガーが何時にこの場所に出現」というタイムテーブルを作るしかない。
さらにシステムがハッキングされていることに気がついたマーチン家は操作コードを変える。この会話を聞き逃すとトラップが操作できなくなってしまう。ゲーム中盤からはオーガは女の子を積極的に襲うようになりこのときはしっかり防がねばならない。
しかも映像はオーガーの侵入だけでなく、マーチン家の秘密やオーガーの正体を語ってる場面、女の子達の楽しいホームパーティー、女の子達が抱えている葛藤やロマンスなど興味深いシーンも多い。オーガーを捕らえることに夢中にならないとゲームはクリアできないが、収録されているドラマも見たいというジレンマもある。こちらもぜひ楽しんで欲しい。
一定数オーガーを捕らえないと隊長に怒られ、プレーヤーは任務から外されてしまうのだが、このとき隊長が小言と共にコントローラのケーブルをブチッと引き抜く演出が楽しい。本作の後、ゲーム性をリスペクトしたような「映像とゲームの融合」を目指した作品も登場したが、「ナイトトラップ」ほど映像が豪華で大がかりな作品は少ない。「1993年にこんな斬新なゲームが出ていたのか!」という驚きをぜひ感じて欲しい。
©1986, Hasbro Inc.
©SEGA
※画面は16:9フルサイズ設定で撮影しているため、本来の画面設定よりも横に引き伸ばされています。