【特集】

【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「ニンジャウォーリアーズ」

メガCDだけのプロローグも収録した、アーケードの傑作忍者アクション!!

【ニンジャウォーリアーズ】

1993年3月12日発売

発売時のメーカー:タイトー

 名作シューティング「ダライアス」と同様の3画面筐体で稼働していたタイトーのアーケードゲーム「ニンジャウォーリアーズ」。プレーヤーは「KUNOICHI」か「NINJA」を操り、独裁者である大統領バングラーを暗殺するのがゲームの目的だ。プレーヤーキャラを狙ってワラワラと向かってくる敵を苦無と手裏剣を駆使してバッタバッタと蹴散らしながらステージを進んでいく、シンプルかつ爽快なアクションゲームである。

2人同時プレイもできる。どちらのキャラも性能に違いはない

 元が3画面モニターを繋げた横長のワイド画面だったため、1画面に収めるために上下に黒帯が敷いてあるが特に気にならない程度の太さ。それほどゲーム画面を縮小させずに移植を実現させたのはさすがの一言だ。

画面は小さ過ぎず、黒帯も全く邪魔になっていない

 ゲーム内容はシンプルながら難易度はなかなかに高い。初期のザコ敵はただひたすらに突っ込んできて近接攻撃を仕掛けてくるだけなので対処は簡単なのだが、ステージが進むにつれて攻撃パターンが変わったり、強力な敵が続々登場するので攻略パターンを頭に入れないとクリアは難しい。古き良きアーケードタイトルといった硬派なゲーム性で、ゲームオーバーになっても何度も初めから遊びたくなる魅力がある。

最初のステージではただ特攻してくるザコ敵
先のステージになると攻撃方法が変化するので厄介だ
ステージのラストにはボスキャラも待っている

 本作の作り込みを感じる点は、各部位に攻撃を受け続けると服などが破けていくところだ。もちろん“KUNOICHIもダメージをもらい続ければあられもない丸裸の状態”になってしまう。丸裸といっても本作の主人公たちは忍者に扮したロボットで、露出されるのは肌色ではなく、無機質なメタリックボディである。

 ただ見た目が変化するだけではなく、中身が剥き出しの状態になると受けるダメージ量が多くなるというデメリットもある。ステージクリア後に体力は全回復するものの破壊された部位はコンティニュー以外では回復しないので、如何に部位破壊をされずに進めるかが攻略の鍵になる。

攻撃を受け続けると中身のメカが剥き出しに
全裸状態。この状態で攻撃はもらうのは危険だ

 ゲーム性のほかにも「ニンジャウォーリアーズ」といえば、タイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」によるBGMもユーザーから絶賛されているポイントだ。特に最初と最終ステージのBGMは“ヒーローの進撃”といったような熱い曲調で開幕からテンションをブチ上げ、ゲームプレイを盛り上げてくれる。曲終盤では和のテイストを取り入れた三味線パートが入り、これがまた非常にカッコ良い。

 そんな上質なサウンドがメガCD版では何と劣化など無く、アーケード版そのままのサウンドで遊ぶことができるのだ。さらに、メガCD版オリジナルのアレンジサウンドにも切り替えることが可能。こちらも良アレンジとなっているのでぜひ聴いてもらいたい。

他機種では削除されていた戦車も登場。サウンドとゲーム内容、ともにアーケード版を忠実に再現している

 アレンジサウンド以外にもメガCD版だけの要素が盛り込まれており、それが「ZUNTATAモード」だ。これはゲーム本編の前日譚が描かれたノベル形式のストーリーモードなのだが、映像はなんと全編実写取り込みという斬新さ。

 そして何故、モード名がZUNTATAなのかというと、このモードにはZUNTATAのメンバーが総出演しているのだ。もちろん役者として登場しているだけではなく、ストーリー内ではZUNTATAのライブサウンドが楽しめる場面も用意されている。このモードをプレイすれば、「ニンジャウォーリアーズ」の物語とZUNTATAの味わいがより深くなることだろう。

「ニンジャウォーリアーズの」プロローグが描かれる
当時では珍しい全編実写取り込み
ZUNTATAをストーリーにうまく(?)落とし込んでいる

 さすがの名作だけあって今遊んでも面白さは色褪せていなかった。久々のプレイだったので敵の攻略パターンなどは完全に抜けていて残念ながらクリアまで辿り着くことができなかったが、本作には衝撃のラストが待っているので、まだ見たことがない人はぜひエンディングを目指してその内容を目撃してもらいたい。