【特集】

【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「ビューポイント」

世にも珍しい、斜めスクロールシューティングをサプライズ収録!

【ビューポイント】

2022年10月27日 発売

発売時のメーカー:サミー

 「ビューポイント」は1992年にサミー工業(現:サミー)が発売したアーケードゲームの移植版で、クォータービュー(斜め視点)による疑似3D空間を舞台に敵と戦う、極めて珍しいタイプのシューティングゲーム。本作は当時、海外版のGENESISでのみ発売され、日本国内のメガドライブでは発売されなかったため、メガドライブミニ2版が実質的に初移植となる(※発売日が本機と同じなのはそのためだ)。

 本作の特徴は、今も昔も極めて少ない、斜めスクロールを取り入れたことで独特の世界観を生み出していることに尽きる。方向ボタンで自機を8方向に移動、Aボタンを押すとボム、Bボタンを押すとショットを発射する操作方法はいたってシンプルだが、斜めに描かれたフィールド上を動く敵、または敵弾の軌跡を見切って避けるためには、本作特有の距離感をつかむことが要求される。

 昆虫をモチーフにしたものと、メカニックなものとが混在する敵キャラのデザイン、背景などのビジュアルも実に個性的。ボイスを交えた軽快なBGMも、プレーヤーのテンションを大いに高めてくれる。

 筆者は元祖アーケード版をあまり遊んだことがないので詳細な比較はできないが、ざっとプレイした限りでは移植再現度は非常に高く、同時に難易度も全般的に高めというのが率直な印象だ。ゲーム開始、およびリスタート時は、まずは敵のアイテムキャリア(※円盤型の敵)を急いで倒し、オプションアイテムを回収するのが鉄則中の鉄則となる。アイテムを取ると、自機の左右にショットを撃つだけでなく、敵弾を受け止める効果も持つオプションユニットが装着されるからだ。

 Bボタンを一定時間押しっ放しにすると発射できる、強力な波動砲を使いこなすことと、ボムを惜しまず使うことも本作を攻略するうえでの超重要ポイントとなる。波動砲はザコ敵を貫通し、通常のショットでは倒せない敵にダメージを与えることができる性能を持つ。ボムはファイヤーウォール(F)、ウェーブボム(W)、ホーミング(H)の3種類があり、どれを使っても敵に大ダメージを与えることができる。ボムは最高3個までしかストックできないので出し惜しみせず、手強いボスや中ボスなどの強敵が出現したらどんどん使用するといい。

 アイテムキャリア以外にも、中ボスなど特定の敵を倒すとアイテムが出現することがある。特に、倒すと自機にバリアが装着されるバリア、またはボムの補充アイテムを持った敵の出現位置を発見したら絶対に覚えておくこと。なお★マークは、取ると得点が増えるボーナスアイテムである。

通常のショットではなかなか倒せない敵も、波動砲を利用すればあっという間に破壊できる
1面の序盤からいきなり強敵が出現。危険を感じたら迷わずボムを使おう。写真は緑色の高速弾が次々に炸裂するホーミングを使用したところ
こちらは放射状に広がるウェーブボム。対中ボス、ボス戦は迷わずボムを炸裂させ、短時間で決着をつけるといい
画面の横幅いっぱいに広がり敵を一掃する、強力なファイヤーウォール
特定の敵を倒すと出現するシールド、ボムの補充アイテムも逃さず回収しよう! 写真はシールドとボムの補充ができるアイテム(P)を取ったところ

 自機が触れたり、閉じ込められたりするとミスになるギミックが1面から容赦なく出現するのも、本作の難易度を上げる一因となっている。だが、ギミックの攻略パターンの構築には敵の倒し方とはまた違った面白さがあるので、こちらのパターン化にもぜひチャレンジしていただきたい。

 1人プレイの場合は、ミスをすると装備が初期状態にリセットされ、しかも「その場復活」ではなく、特定の地点に戻ってからリスタートするのも、シューティングに不慣れなプレーヤーにとってはつらいところだろう。また、メガドライブミニ2版では2人プレイ(交互プレイ)が可能となっている。

1面より。ショットまたはボムを当てて巨大なスクリューを回し、道を遮断するバーを動かして脱出スペースを作るギミックが登場
2面には、特定のタイミングで隆起する床が出現。破壊不可能なので避けるしかない