【特集】
【メガドライブミニ2タイトルレビュー】「チェルノブ」
伝説のカルト作品を大幅にアレンジ、ビジュアル・演出がさらにパワーアップ!
2022年10月21日 00:00
- 【チェルノブ】
- 発売日:1992年10月16日
- 発売時のメーカー:データイースト
「チェルノブ」は1988年にデータイーストが発売した、同名のアーケードゲームを移植した作品。主人公のチェルノブを操作して敵を倒し、各ステージの最後に出現するボスを倒すとクリアとなる、強制横スクロール方式のアクションゲームだ。
本作は、その名称といい個性的なキャラクターデザインといい、さらには操作システムも含め、独創的な作品を数多く輩出したことで有名なデータイーストの中でも屈指の変わり種だ。そんな本作を移植しただけでもビックリだが、さらに驚かされるのはメガドライブ版は大幅にアレンジされ、むしろアーケード版よりも面白くなっていることだ。
メガドライブ版は、主人公チェルノブが地球侵略を企む侵略者、デスタリアン軍団と戦うというストーリー。ゲーム開始時には、チェルノブ親子が会話するオープニングが新たに追加され、ステージクリア後のデモもアーケード版とは異なっている。キャラクターのデザインや、古代遺跡を想起させる背景などのビジュアルは、一見すると別タイトルではないかと思うほど美しくなり、BGMもオリジナルおよびアレンジ曲が追加されている。
あくまで筆者の私見だが、アーケード版のビジュアルは発売当時からとても地味な印象を受けたが、メガドライブ版は「こっちをアーケードで出してほしかった!」と思うほどに洗練されている。アーケード版しか知らないプレーヤーは。本作を一度プレイすればその違いにきっと驚き、同時に新たな挑戦意欲がわいてくることだろう。
本作は、武器(Aボタン)とジャンプ(Bボタン)に加え、チェルノブの向きを左右に切り替える方向転換ボタン(Cボタン)を利用した攻略パターンを作るところに、ほかのタイトルにはない独特の面白さがある。1面からチェルノブの背後、すなわち画面の左側から敵がどんどん出現するので、発見したら素早く向きを変えて攻撃するテクニックの習得が本作では必須となる。
ただし、背後から出現した敵がパワーアップアイテムを持っていた場合は、チェルノブが左向きの状態で倒すとドロップしたアイテムに追い付かず、そのままスルーしてしまうデメリットがある。どうしても取りたいアイテムを持つ敵が出現したら、チェルノブの右側に誘導してから倒すパターンが必要となるのも、本作ならではの面白いところだ。
武器は初期装備の光子力光線をはじめ全部で6種類あり、アイテムを取ると装備が変化する。また「UP」と書かれたアイテムを取ると、オレンジが武器の射程・射速アップ、赤が拡大・威力アップ、グレーは弾数・連射能力アップする効果を持ち、「J」を取るとジャンプ力アップするので、武器はそれぞれ3段階までパワーアップするので、アイテムは序盤のうちに可能な限り集めておきたい。ちなみに、得点アイテムの名前は「¥」マークが円高、「$」マークはドル安と呼ぶ(何というネーミングセンスだろうか……)。
対ボス戦は、それぞれお弱点を発見して攻撃するだけでなく、場面によってはボスの頭上にジャンプして反対側に逃げるなどのテクニックも要求される。また道中では、踏み付け攻撃を利用してザコ敵を足場代わりにして、落ちるとミスになる広い谷間を飛び越えるなど、ジャンプアクションならではの楽しさを存分に堪能できることだろう。
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