発売元 Ubi Soft Entertainment
19世紀から21世紀初頭までの鉄道と道路による物流をリアルにシミュレートした壮大な箱庭ゲーム「Trains & Trucks Tycoon」の英語版Demo。開発元はドイツのVIRTUAL X-CITEMENT SOFTWAREで、原題は「Schiene & Strasse」という。グラフィックは「Train Simulator」や「Trainz」などの鉄道シミュレータと同じくフル3Dとなっているが、ゲーム性は「Transport Tycoon」、「Trade Empires」、「Railroad Tycoon」などの経営シミュレーションゲームに近い。今月イチオシの箱庭ゲームだ。
「Trains & Trucks Tycoon」は、その名のとおり、途方もなく広いマップ上に幹線という幹線を引きまくり、その上を列車やトラックを走らせ、様々な資源を消費者の手に届くまで面倒を見る経営シミュレーションゲームだ。以前、1月28日版や「西尾ゆきの海外ゲームレポート」で紹介した「CAPITALISM II」の裏方版と思えば理解が早いだろう。
一見地味な仕事だが、実は逆で、数十台の機関車と、それに連結されたさまざまなコンテナ群、そして目的別の数十台をトラックのすべてをリアルタイムで指示を下しながらうまく操っていくというダイナミックなゲーム性が素晴らしい。しかも、それをフル3Dのゲーム世界で実現しているため、歴代の名機関車が深い森を通過し、トンネルを抜け、鉄橋を越えるといったシーンを好きな角度、大きさでじっくり眺めるという楽しみもある。実に贅沢なゲームだ。
Demoでは、チュートリアル6ステージをプレイできる。Controls、Rails、Scheduling、Trucksの4ステージでは基礎的な内容を学べ、Passengers、Economy-Cycleではミニキャンペーンが楽しめる。プレーヤーが行なえる行動範囲は、鉄道と道路の敷設と、機関車やトラックの購入などに限られる。マップ上には最初から中世の面影を残した都市が用意され、市民たちが生活を送っている。
プレーヤーの仕事は、都市から少し離れた場所に孤立している資源集積所や加工場を幹線で結び、トラックがそこまで到達できるようにすること。あるいは都市と都市を鉄道で繋ぎ、市民の輸送を行なうこと。もう少し規模が大きくなると、陸揚げされた物資を都市まで運び、都市でトラックにバトンタッチし、多くの加工場を経て商品を市場に運び込む、なんてのもある。いずれにしても、ビックリするぐらい規模が大きくなってくるので、いい加減にプレイしていると、何をしていいかわからなくなってくる。英文をよく読んでじっくり進めていこう。
本作は、線路の敷設システムが非常に良くできていて、途中に山や森があっても、自動的にトンネルを掘ったり、森を切り開いて線路を敷設してくれる。ジオラマゲームではないから、山の高さを変えたり海を埋め立てたりといったことはできないが、常に地形に即したリアクションを取ってくれるため、50kmでも100kmでもあまりストレスを貯めずに線路を敷設していくことができる。線路は支台を架設して高さを変えて、地上線と高架線を交差させるようなこともでき、かなり奥が深い。箱庭ファンはもちろん、鉄道ファンにも満足できる内容だ。
(c) 2002 VIRTUAL X-CITEMENT SOFTWARE. All rights reserved. Published by UBI SOFT Entertainment.
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