発売元 DreamCatcher Interactive/Wanadoo Edition
4X Studiosが現在開発している異色のアクションシューティング「Iron Storm」のPlayable Demo。紹介するのが欧米での公開からちょっと遅れてしまったが、未プレイの人はぜひ試して頂きたい。新鮮味という点は、「Unreal Tournament 2003」にはもちろん、「No One Lives Forever 2」にも勝りうる秀作アクションシューティングだ。
「Iron Storm」は、'64年になっても世界大戦がまだ継続しているヨーロッパ世界という、壮大なIFにチャレンジしたリアル系のミリタリーアクションシューティング。しかも、継続しているのは第二次世界大戦ではなく、第一次世界大戦。50年間に渡って戦闘を繰り広げた結果、ヨーロッパ全土は荒廃し、いまではアメリカを中心とした西ヨーロッパ陣営と、ソ連を中心とした東ヨーロッパ陣営とにわかれ、戦闘が続けられている。
ゲーム内容そのものは「Medal of Honor」の第一次世界大戦版と捉えるのが一番わかりやすいが、IF世界を舞台にしているだけに、まさに時空がよじれたような異質の世界観を醸し出している。戦場はほぼ無統制状態に近く、空には絶えず旧式のヘリが飛び回り、敵の最前線から飛んでくる砲撃により絶えず画面はぐらぐら揺れる。塹壕や土嚢は古びきっており、時代は確かに'64年ながら、そこかしこに20世紀初頭を感じさせる雰囲気で満たされている。
テクノロジーレベルも妙な感じで、ナイフやピストルレベルの武器で突撃してくる敵がいたかと思えば、街頭にはコンソール端末が置かれていて、情報を提供してくれたりする。扱える銃器も単発式のピストルからスナイパーライフルまで多種多様で、楽しませてくれる。手榴弾やガス弾、バズーカ砲など一撃必殺系の銃器もたっぷりだ。
同作のこうした要素は魅力いっぱいだが、もうひとつウリになると感じたのは、敵AIの優秀さで、「Medal of Honor」以上に鋭い動き、人間的な動きをする。また、戦場にはトラップがいっぱいで、「地雷敷設箇所、注意!」と但し書きのある親切なトラップから、家に侵入したとたん、センサーが反応して即座に爆発するタイプなどがあり、このひやひや感がたまらない。開発ディレイ後に「Medal of Honor」を良く研究したあとが伺える。
Demoでは、シングルプレイがLevel1とLevel3の2ステージ、そしてデスマッチモードによるマルチプレイが楽しめる。シングルプレイはいずれもメッセージの指示に従って動いていくタイプで、Level1は敵スナイパーとの射撃戦が堪能でき、Level3ではスターリングラード風の荒廃した市街で、街の各所に配置された敵兵を倒しつつ、強襲戦が存分に楽しめる。いずれも良くできているものの難易度はすこぶる高い。EASYで始めることをお勧めしておきたい。
(C) 2002 DreamCatcher Interactive, Inc./Wanadoo Edition/4x Studio
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