開発/発売元 自転車創業
合資会社“自転車創業”というユニークな社名のゲームメーカーが開発したビジュアルノベル「空の浮動産」のDEMO版。4人の主要登場人物が出会い、とある目的に向かって邁進していく直前までがプレイできる。音声はまったく入っていないが、サウンドはMIDIで鳴る。シナリオはとにかくヘンテコながら飽きさせないつくりで、後述するゲームシステムの巧みさも相まって、最後まで一気に読んでしまった。
プロローグは、いきなり空から家が降ってくるところから始まる。時と場所は、大学の入学式が終わった直後の大学の構内で。主人公夏辺水華(なつべみずか)は、そこで旧友織絵冬星(おりえとうじ)に会い、ふたりが入った法学部は、法は法でも魔法の法を学ぶ学部であることを知らされる。愕然とする水華のもとへ、家を落とした張本人である法学部講師花水木秋駿(はなみずきあきとし)がやってくる。彼女は即転部を求めるが容れられず、大騒動があったあとで、結局大学で魔法を拾得していくことになる、といったストーリー。
ゲームの進め方は、左クリックでテキストを読み進めていくだけOK。途中出てくる選択肢によってストーリーが分岐していく。右クリックを押すとメニューが表示され、セーブなどが行なえるほか、「ANOS」という独自システムが利用できる。これを使うと、自由にストーリーをたぐり直す(好きな視点まで戻る)ことができる。
おもしろいのは「チュートリアル」機能で、これは一般のチュートリアルとはまったく違って、場面場面を乗り切るために必要なフレーズなり単語なりをあらかじめ記憶するためのモードで、何も選択していない状態では「……」となって、物語がそれ以上進まないが、チュートリアルメニューで正しいフレーズをあらかじめ記憶させておくと、記憶したフレーズが会話中に使用され、物語がスムーズに流れていく。ビジュアルノベルファンはぜひ試してみて欲しい作品だ。
ダウンロードはこちら(自転車創業)