発売元 CDV Software Entertainment AG
これは猛烈におもしろい。すっかり夢中になってプレイしてしまった。昨年のECTSで初公開され、その後情報が途絶えていたドイツCDV Softwareのアクションストラテジー「Project: Nomads」のPlayable Demo(英語版)。SEGA.comの「10 Six」やMicrosoftの「Out Wars」といった時代の先を行きすぎたグローバルな3Dゲームのエキスをうまく抽出し、独自のファンタジー世界で綺麗に昇華させている。今月イチオシのアクションストラテジーだ。
「Project: Nomads」は、空中に浮遊した島々を巡る興亡を描いたアクションストラテジー。主人公はプロローグで敵戦闘機との空戦で撃墜され、とある浮遊島に墜落してしまう。その浮遊島には神が眠っており、撃墜をきっかけに神は眠りをさまし、主人公に対して力を貸してくれるようになる。この神との交流そのものが丁寧なチュートリアルになっていて、幻想的な世界観と凝りに凝った演出を愉しみながら、ゲームの操作方法を学んでいくことができる。
このゲームのユニークところは、ひとりですたすた要塞と化した島を走り回りながら、各所に設置した砲台や司令塔に移動して、敵の侵攻を防ぎきるというところだ。主人公そのものに攻撃能力はほとんどなく、砲塔を直接操作したり、飛行場から定期的に発艦する複葉機を操作することで、戦闘に参加していく。もっとも自らが戦闘に参加して敵を撃破すれば物語が進んでいくのかというとそうでもなく、激しい戦闘のさなかに島を移動させて間近の島にジャンプジェットを使って飛び渡ったりなど、実にドラマティックなシナリオが用意されている。
島のすべての施設はアーティファクトと呼ばれる半透明の小さなオブジェを具現化させたもので、爆撃等で破壊されるとアーティファクトの状態に戻ってしまう。この際、プレーヤーが砲座に座っていた場合はゲームオーバーとなる。施設の耐久値が減ってきた場合はすばやく飛び降りて、修理して再搭乗するなり、ほかの砲塔に移るなりしたほうが懸命だ。
敵は戦闘機、爆撃機など航空機がほとんどで、昔懐かしの複葉機タイプが多い。中には旧ドイツ空軍の超大型輸送機ギガントにしか見えない大型爆撃機も登場する。ギガントはシナリオが進んでいくと登場するボス扱いの航空機で、遙か上空で旋回しつつ無数の爆弾を降らせていく。その空中での優美な旋回ぶりや降らす爆弾の爆発エフェクトの凄まじさが本Demoの白眉だ。
ちなみに主人公が応援に駆けつけた島には1門だけ強力なキャノン砲が据え付けられている。キャノン砲を戦闘機に命中させると一撃で煙を噴き、2撃目で四散する。そのほか、ギガントに命中させると命中箇所がキチンと爆発するなど、細かいディテールの積み上げがプレーヤーを夢中にさせてくれる。日本語版でじっくりプレイしてみたい作品だ。
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