開発/発売元 JoWooD Productions
危ない危ない。あまりの作品の吸引力に本業を忘れて終電まで遊び込んでしまうところだった。これだからドイツ産の箱庭ゲームは油断がならない。JoWooD Productionsは今年に入ってからドイツのFishtank Interactiveを買収するなど、現在ではドイツ、オーストラリア、チェコ、ハンガリー、ロシアなどのPCタイトルを数多く取り扱う勢いのあるメーカーに成長している。その同社のフラッグシップシリーズが「Industry Giant」である。
「Industry Giant 2」は、昨年のECTSで初公開され、多くの話題を集めた都市育成シミュレータ最新作。そのポテンシャルはドイツ版「Sim City 4」とでもいってもいいほどで、とにかく信じられないぐらい広いマップ上で、従来通りの資源の回収から加工、流通、販売までをトータルに扱ったエコノミックゲームを楽しめるという、感覚的には千畳敷の大広間にトラック5杯分の鉄道おもちゃをぶちまけてひとりで遊ぶような、まさに「ドイツ人しか作らない」超大作である。
グラフィックは3Dを採用し、マウスホイールをくるくる回してある程度まで俯瞰すると空には雲がかかり、逆にググッと寄ると道路を車が走行している様子が見えるというダイナミックなデザイン。3D描画の割にスクロールスピードもクイックで、操作性も上々。開始3分でよく作り込まれたゲームであることが実感できる。
プレーヤーの仕事は、美しい街並みを眺めるだけではもちろんなく、与えられた広大なマップに点在する資源と初期資金を軸に、街に住む人々が持つ現金をまわしにまわして、都市をさらに反映させると同時にお金を儲けることだ。金の儲け方は無数にあり、もっとも簡単なものとしては、鶏や牛を放牧し、ミルクや卵を得て、それを店で売りさばくという方法。鉄や木は別途加工が必要で、加工所で鋼や木材に変え、そこからさらに加工材を組み合わせて商品を作り、そうして初めて売ることができる。
こういった製品の製造過程では、資源採集所→貯蔵所→加工所→製造所→貯蔵所→販売所という6つの工程を経る必要があり、これのどこかで物資が足らなくなるとたちまち全体が動かなくなり、無駄なコストが発生してしまう。このゲームの素晴らしいところは、必要とする建物までの距離が厳格に決められていることで、離れて建設すると効果を発揮しない。
しかし、20世紀後半の複雑な製品を作ろうとすると、互いに遠く離れた場所で採れる複数の原資が必要となることも多い。それを繋ぐのが鉄道で、こうした資源や加工品、商品などをぐんぐん運んでくれる。この走りっぷりがまたいいのである。
Demoではこうした複雑なルールが洩れなく学べるチュートリアルが3ステージに、視点を最大限上げても画面内に収まりきらない「Small」サイズのマップ「Big Lake」がプレイできる。あせらずじっくり楽しもう。
(C) 2001 by JoWooD Productions Software AG.
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