発売元 Activision
「F.D.N.Y Firefighter: American Hero」は、昨年の9月11日にニューヨークマンハッタンで発生した同時多発テロ以降、米国で一気に英雄的職業の筆頭に祭り上げられたファイアマン(消防士)の仕事が仮想体験できるアクションゲーム。フル3Dのグラフィックエンジンを採用し、1人称視点で消防士映画の傑作「バックドラフト」ばりの臨場感が堪能できる。というのはホメ過ぎで、ネタの鮮度と価格の安さで勝負する「Activision Value」ブランドのタイトルのため、あまり過度の期待はしてはいけない。
Demoでは、トレーニングミッションに加え、本番のレスキュー/消火活動を2ステージプレイできる。トレーニングミッションでは、基本移動操作のほか、斧を使ったオブジェクトの破壊方法やオブジェクトの取り除き方、そして消化器や消火ホースによる消火作業などをマスターできる。
トレーニングをクリアするといざ本番となる。が、1ステージ目はトレーニングミッションのようなFPSではなく、いきなりパズルゲームが始まるのでびっくりする。プレーヤーが担当するファイアマンは自動で動き、炎が吹き出る窓めがけて順番に放水していけばいい。まるで「ゲーム&ウォッチ」のようだ。トラップや障害物などは一切出てこないため、誰でも簡単にクリアできてしまう。次のステージもこんなだったら紹介するのをやめようと思ったら、2ステージ目はきちんとFPSに戻ってくれた。1ステージ目は何だったのだろう?
やっと本番の2ステージ目は制限時間内に炎の中に閉じこめられた人々を救出するのが目的。建物の内部は二酸化炭素で充満し、酸素ボンベがなくなるまでに外に戻らなければならない。また、ステージには屋外を挟んで複数の建物が用意され、あちこちから炎が吹き出している。炎に触れてもすぐ死ぬわけではないが、当然、耐熱時間には限度があり、長時間炎の上を走り続けると、死亡となり隊員を1人失ってしまう(スタート時3人)。
ゲーム性はアクションシューティングそのままで、ドアを開いたり、けが人を助け出したりといったアクションは自動的に行なってくれるなど、遊びやすくする工夫は随所に感じられるが、肝心のシナリオがやや薄い。また、焼死や二酸化炭素中毒を恐れずに、いかに自分の限界までレスキュー活動に従事できるかという部分に、かすかに「バックドラフト」らしさを感じさせるが、タイムスイッチでイベントが発生するわけでもなく、炎が襲いかかってくることもなく、全般として淡泊な印象は否めない。万人向けではないが、ユニークなソフトには違いないので、気軽に試してみるといいだろう。
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