発売元 サンソフト
先月29日にサンソフトより発売された異色の生首育成シミュレーションゲーム「Tomak: Save the Earth」の体験版。テキスト、音声とも日本語化されており、加えて2Dベースのゲームなので、マシン環境を問わず楽しめる。
「Tomak: Save the Earth」は、植木鉢の上に首だけ乗っかった女性を、ある意味ペットのような感覚で大事に育てていく韓国生まれの育成シミュレーションゲーム。オープニングを見ればわかるが、彼女は実は天界のいる神々のひとりである愛の女神エビアンだったりする。あるとき、もっとも偉そうな神のひとりが、情を忘れ酒色に溺れた人類を滅ぼしてしまうことを計画する。ほとんどの神々はその意見に追従するが、エビアンだけは人類の愛を信じ、反対を表明する。
で、ここからの展開が凄いのだが、それを聞いた嫉妬の女神が「だったら、その美しい肉体を捨て、首だけになっても貴方を愛する人間がいるはずだ」と愛の女神に無理難題を押しつける。それに対し、彼女は即座に「私がみずから証明してみせる」と自信たっぷりにいう。こうして彼女は首だけの姿になって地上界に堕ち、プレーヤー扮する青年に拾われ、なぜか植木鉢の上に載せられることになるわけである。この時点で早くも先の展開が見えなくなる。
体験版ではオープニングから3カ月間プレイすることができる。1月は30ターンにわかれ、1ターンに1つずつコマンドを実行できる。コマンドには頭を撫でたり、食べ物を与えたり、飲み物を飲ませたり、彼女の置き場所を変えたりといったものが用意されている。オープニング後に現れる予言者によれば、彼女の育成結果が地球の未来に直結するらしく、愛の女神と真実の愛を育まなければ地球は滅亡するという。
相手が愛の女神だから意外と簡単そうなミッションに思えるが、目の前にいる彼女は女神ではなく、まったく普通の人間で、愛を育む以前に食物や飲み物、睡眠などを与え、なおかつ彼女の知性や魅力、感受性なども高めていかなければならない。というわけで、大変回りくどい方法で真実の愛を育んでいくゲーム、これが「Tomak: Save the Earth」だ。
あらゆる意味でびっくりだらけのゲームだが、2カ月目に突入したところで仰天するような出来事がプレーヤーを待ちかまえている。彼女の顔立ちと性格がガラッと一変するのだ。これは3カ月目にも発生する。なぜ性格を変えるのか、それ以前にどういう理由で顔を変えるのかは体験版ではよくわからなかった。これをゲームと呼ぶには個人的にややためらいがあるが、娯楽ソフトのひとつには違いない。世にも不思議なエンターテインメントだ。
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