発売元 Cyro Interactive
19世紀の大作家ジュール・ベルヌのSF小説「海底2万マイル(Twenty thousand miles under the seas)」をモチーフにしたアドベンチャーゲーム「The Secret of the Nautilus」のDemo。開発元、発売元ともに原作者の生地であるフランスのメーカー。フランスは世界でもずば抜けてアドベンチャーゲーム率の高い国として知られているが、同作の公式サイトの冒頭には「Collection Jules Verne」とあることから、今後「80日間世界一周」、「十五少年漂流記」、「月世界旅行」などもゲーム化するつもりなのかもしれない。
「The Secret of the Nautilus」は、深海探査中に海底近くの岩陰で発見されたノーチラス号の探索の過程におけるさまざまな不思議な体験を描いたアドベンチャーゲーム。ゲームシステムは、同ゲームジャンルの古典的名作「Myst」シリーズを模したつくりで、視点をずりずりスライドさせながら、フロア内に隠された謎や手がかりをひとつずつクリアしていくというものだ。
オープニングムービーでは、ノーチラス号らしき正体不明の巨大潜水艦が米国潜水艦シャーク号により発見。ただちに小型探査艦が派遣されて、乗組員のひとりが内部に潜入するところまでが描かれる。ムービーの最後で乗組員がハッチを閉める装置を誤って作動させてしまい、乗組員はそこに完全に閉じこめられてしまう。
ノーチラス号は外装、内装ともにぼろぼろの状態だが、内部は不思議なテクノロジーにより明かりが灯され、空気も正常の状態を保たれている。プレーヤー扮する乗組員が突然の出来事にその場に立ちつくしていると、どこからともなく機械的な女性の声が聞こえてくる。「Welcome aboard, Captain!」。どうやらプレーヤーはネモ船長もしくは別の誰かと勘違いされているらしい。
ゲームは減圧室らしき閉所から始まり、フロアごとにあるさまざまな仕掛けをクリアしながら物語を進めていく。Demoにはマニュアルが付属していないため、まったくの手探りでの進行になる。ただ、ゲームの進め方そのものはオーソドックスなので、迷ったら気になる場所を手当たり次第クリックすればなんとかなるレベル。フロア移動時の読み込みに若干時間がかかるのが玉に瑕だが、グラフィックは質感にたっぷりで、ムービーの再生もシームレスに行なわれ、ゲームとしての作りは非常に丁寧。日本語版でじっくり遊んでみたいアドベンチャーゲームだ。
ダウンロードはこちら(Tiscali Games)