開発/発売元 Darxabre
昨年のECTSでアンダーグラウンドな話題を振りまいていた「Hooligans: Storm Over Europe」のDemo。フーリガンは日本人にとって縁遠い存在だが(ワールドカップ以降はそんなこと言ってられないかもしれないが)、このゲームをプレイすることで彼らの生態がよくわかる。
「Hooligans: Storm Over Europe」は、フーリガンの本場ヨーロッパを股に掛け、機動隊や敵対フーリガンを相手に激しい市街戦を繰り広げるリアルタイムストラテジーだ。ゲームの目的は、あらゆる違法行為を行なって、敵対フーリガンの魔の手から愛するチームを守り抜いていくというもの。フーリガンと見れば十把一絡げ式に排除にかかる警官隊の目をかいくぐりつつ困難な目的を達成する、という惚れたものの弱み的要素が本作のミソらしい。が、彼らは目的のための手段として、強盗、破壊、乱闘、殺人などなど、あらゆる犯罪を犯しまくるため、同情の余地は一切感じられない。
ゲームはEidosの名作ストラテジー「Gangsters」シリーズを想わせる高精細の市街地を、クォータービューの視点からプレイしていくことになる。グラフィックは2Dで、建物裏側に入ると半透明処理になり、建物を右クリックでその中に入る、住宅の場合は強盗になる、といった具合。建物や通行人を右クリックすると複数のアイコンが表示され、これによってさまざまな行動が可能になる。
Demoでは「Frenzy in France」と題されたフランスステージをプレイできる。まず最初にフーリガンチームのシャツのデザインとチームロゴを決め、「RUMBLE」(乱闘)ボタンを押せばゲームスタートだ。ミッション内容は、警官隊に包囲された味方を救いだし、到着が予定されるサッカーチームのバスを敵対フーリガンから守りつつ、最後にホテルまで到着するというもの。
まずは7人のメンバーで警察の包囲下にある10人の仲間を救出することになる。各街路には敵対フーリガンが集団でたむろし、こちらに気づくと一目散にダッシュしてきて鉄パイプでたこ殴りにされる。こちらは全員丸腰なので、まずは定期巡回する警官の目を盗んで住宅や商店に押し入って金を奪う。軍資金を得たところで、スタート地点の目の前にある武器ショップに入り、チェーンや鉄パイプ、ダイナマイト、ピストルなどを購入する。それでもやっぱり敵対フーリガンには勝てないので、裏道をまわることにする。
ゲームを始めてある程度の時間が経過すると、あと2分でバスが到着する旨のメッセージが届く。それまでに仲間を救出し、停留所の前にいないと敵対フーリガンの好き放題にされてゲームオーバーになる。ひととおりプレイするとわかるが、仲間の救出方法や停留所前での三つ巴戦の死闘など、単なるキワモノゲーにとどまらない、しっかりしたゲーム性を備えている。日本語版で発売される可能性はまず0%だろうが、「Gangsters」に代表される市街戦ゲームとしてはまずまずの出来映えといえるのではないだろうか。なにぶんアクの強い内容なので興味ある人だけプレイするといいだろう。
ダウンロードはこちら(Tiscali Games)