発売元 RTL Playtainment
今年2月8日よりソルトレイクシティー冬季オリンピックが開催される。冬季オリンピックの目玉競技といえばスキージャンプを始めとしたノルディック種目。ドイツで開発された「Skispringen 2002」は、スキージャンプに特化したシミュレーションゲームだ。言語はドイツ語と英語の両方に対応している。
DemoではドイツのWillingenとスイスのEngelbergの2会場を舞台に、スキージャンプの練習ができる「Practice」に挑戦できる。Practiceではジャンプを開始する前に、Ramp(傾斜面)やジャンパー(選手)の選択のほか、風向きや会場のコンディションなどを自由に設定できる。中でも特筆すべきなのが「WAX」で、これは天気予報に応じてスキーに塗るワックスを32種類の中から選択できるというものだ。
天候による状態変化には雪質、雪の湿度、雪の温度、空気の湿度、気温の5項目があり、雪質も100%パウダースノーということはなく、コーススノーが数十%混じった状態になっている。ワックスもそれらの状態に合わせて、32種類の中から複数を選び、最適なワックスを作り上げる。数回試してみたが、ベースワックスのままと、状態に合わせたワックスとでは滑空速度に明確な違いが生まれる。実際にジャンパー自身がこういった作業をジャンプ前に行なっているかどうかは知らないが、いかにもスキージャンプシミュレータらしい要素といえる。
ジャンプのほうはというと、インターフェイスは単純ながら実に繊細な操作を要求する奥の深い内容に仕上がっている。操作はマウス1本でOKで、左クリックでジャンプ。マウス操作でジャンプ中の左右への重心移動や体を引き起こしたり、倒したりといった操作が行なえる。ジャンプ台ぎりぎりのところでジャンプすると速度がよく乗るというところまでは感覚的にわかるが、滞空操作がなかなかうまくいかない。飛距離を伸ばそうとついつい欲を出して体を倒しっぱなしになり、着地前の体の引き起こしが遅れて転倒してしまう。横殴りの風があるような場合は、さらに高難易度となり、飛距離うんぬんの前に体勢をまっすぐ保つことすら難しくなってくる。
グラフィックは3Dを採用しているが、はっきり言って3年前のクオリティで褒められるべきテクニックは何一つ実装されていないと言っても過言ではない。しかし、長いジャンプ台を100km近い高速で滑空し、ジャンプと同時にマウスを手前に引くと体が前に倒れ、ふんわりと滞空し始める。この間の心地よさは、おそらく既存のスポーツシミュレータにはなかった要素だ。スキー好きにお勧めのDemoである。
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