発売元 Electronic Arts
このところ大作FPSのDemoリリースが続いているが、Electronic Artsの「Medal of Honor:Allied Assault」はその中でも特にミリタリーファンにとっては台風の目と言える一作だ。今回公開されたMultiplayer Demoでは、スターリングラード(現、ヴォルゴグラード)を模したデスマッチ用マップで最大32人対戦を楽しむことができる。ゲームサーバーとしてGameSpyを利用でき、インターネット接続環境があればすぐプレイできるのが魅力だ。
「Medal of Honor:Allied Assault」は、第2次世界大戦の米独戦をモチーフにしたアクションシューティング。キャンペーンでは米軍中尉マイク・パウエルとして、ノルマンディ上陸作戦以降の対独戦を仮想体験でき、マルチプレイでは有名戦場を使ったチームプレイやFFA(Free for All)などが楽しめる。
グラフィックエンジンはQuake IIIエンジンを採用しており、そのクオリティの高さはこれまでに公開されたムービーですでに実証済みだ。といっても次世代FPS「Unreal 2」ほどの写実性はなく、実際にプレイしてみるとグラフィックの美しさより、シチュエーション作りの巧さ、実戦さながらのサウンドエフェクトに凄みを感じさせる作品に仕上がっている。慣れてくると、一発の銃撃音で敵のいる方向とおおまかな距離が掴めてくる。このあたりの仕様にゾクゾクするほどの快感がある。
Demoでは、映画「スターリングラード」や「プライベートライアン」などを観た人には確かな既視感のある、爆撃でやられた半壊状態の大規模な建設物が舞台となっている。マップは複数の建物で囲まれ、中央には中庭が設けられている。建物と建物の間には橋木が置かれ、そこを伝って別の建物へ移ることも出来る。整然と小窓が並ぶ空間と、ぼっかり屋根ごと取り払われた空間とが両立しており、こちらからは狙いにくいわりに、どこからでも撃たれそうな感覚に陥り、慣れるまでは恐怖のあまりなかなか窓から顔を出せない。
ゲーム開始前に武器をひとつ選び、原則として1種類の武器のみで戦っていくことになる。武器にはライフル、サブマシンガン、スナイパーライフル、バズーカなどがあり、数値としては確認できないが、重火器ほど機動力が鈍る。現時点でもっとも流行っているFFAでは、味方の援護が一切ないため、ライフルかサブマシンガンあたりの軽火器を使った強襲作戦が有効だ。
ちなみにスナイパーライフルは一撃必殺で、一見使いやすそうだが、ラグのある環境ではなかなかヒットしなかったりする。ただ、スナイパーライフルの「スターァァァン(射撃音)」、「チャリーン(空薬莢が地面に落ちる音)」、「ガチャッ(銃弾装填音)」という一連のサウンドエフェクトは、もうどうしようもないぐらいに格好いいので、あえて強襲即死覚悟で使い抜くのも悪くない。もともとこのMultiplayer Demoは、ユーザーの意見を吸い出すためのテストバージョンなので、好みのスタイルでいろいろ試してみるといいだろう。
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