発売元 Ubi Soft
ユービーアイソフトが12月27日に発売を予定している中世アジアをモチーフとしたファンタジーリアルタイムストラテジー「Battle Realms」のDemo。Dojo(道場=戦士育成所)をクリックすると、突然ブルース・リーばりの怪鳥音が鳴り響き、さらに彼の裏拳が炸裂したような打撃音がして、いきなり度肝を抜かれる。が、グラフィックを含むゲームテクノロジー部分はしっかりしており、安心してプレイできる。Demoではチュートリアル4ステージとSkirmishモードがプレイできる。
「Battle Realms」は、新鮮味という点では史上最高クラスのRTSだ。ゲームの舞台は、中国、朝鮮、モンゴルあたりを中心に、さらにおいしいところだけ日本もかすめた、異世界のアジア一帯。プレーヤーが採集できる資源は、基本的に米と水しかない。麦わら帽子を被ったPeasant(農民)にそれらの採集をさせると、鍬を手に稲穂を刈り込み、桶を手に川に水をくみに行く。刈り取った田んぼに水をぶっかけると、稲穂が再生し、再び刈ることができる仕組みだ。
基本的なゲームの進め方は、Peasant Hut(農民小屋)から次々と出てくるPeasantに米や水を採りにいかせ、軍隊が必要なら各種育成所に農民を放り込んで戦闘員を増やしていくというもの。Melee系とRange系のユニットは育成所からじかに生産でき、訓練済みの戦士を別の育成所に放り込むと、上級ユニットになる。
なお、フィールド上には野生馬が棲息しており、これをPeasantに命じて飼い慣らさせ、Stableに繋いでおく。この状態で戦士に馬を取りに行かせると騎乗の人となり、騎馬兵の完成となる。このようにいかにもアジア風の生活様式をかつてない精度でゲームシステムに取り込んだRTSが「Battle Realms」である。米と水からどうやったら砲兵ができるのかとか、どう見ても男性風のPeasantから、どう見ても女性風というより女性そのものであるGeisya(芸者)ができるのかとか、謎な部分はいろいろあるが、ゲームとしては良くまとまっていて、夢中にさせるおもしろさだ。
グラフィックも一流。フル3Dで描画され、これまたアジア風に朝日が差し込む演出や雷、雨、霧などもリアルタイムで丁寧に処理される。フィールド上には、前述の野生馬のほか、さまざまな野鳥が空を飛び回り、木陰にはリスや蛇などが棲息し、よくよく見ると草花がキラキラ輝いている。また、これはグラフィックとは関係ないが、「Battle Realms」は大木が林立する森を踏破できる。考えてみれば当たり前の話だが、既存のRTSはどれも実現できなかった。発想の転換と言うより、従来のRTSをすべて捨てて一から構築し直したRTSが「Battle Realms」といえるかもしれない。
ほかにも、戦闘直前や建物の火を消すために水をくみに行くときは全力疾走したり、石を転がして建物を破壊したりなど、「おお」と驚く斬新なゲーム性がたっぷり収録されている。長くなるので省くがサウンドエフェクトも一流だ。ぜひRTSファンはプレイしてみていただきたい。
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