発売元 Fishtank Interactive
NVIDIAが長らくテクノロジーデモとして使ってきた3Dアクションシューティング「Aquanox」のDemo。「Archimedian Dynasty」の続編に当たる本作は、もはや海中にしか生きられなくなった27世紀の人類社会をモチーフにしたアクションシューティングで、プレーヤーは潜水艇乗りのエメラルド・デッドアイ・フリントとなり、敵対組織や巨大海底生物と戦っていく。
「Aquanox」最大の魅力は、GeForce3向けにフルチューンされた現行最高レベルの3Dグラフィックにある。DemoでもGeForce3搭載マシンでグラフィックオプションを最高の状態にしてプレイすると、まさに次世代のグラフィックでゲームが楽しめる。EAX2にも対応し、サラウンドで聞こえてくるSF風のサウンドエフェクトも上々の出来映え。ハイエンドユーザー向けの上質なDemoだ。
Demoの内容は、シングルプレイモードのInstant Fightを1ステージプレイ可能というもの。マルチプレイには非対応ながら、お試し版としてゲームのクオリティを確かめるにはもってこいの内容で、リアルタイム処理によるデモムービーや僚機が発する音声、波の影響を受けて複雑に色を変える海底の様子、機雷が吹き出す細かい気泡など、随所に「いいゲームだ」と思わせる要素が散りばめられている。
Instant Fightというと、通常コンバットシムで使われ、小難しい話は全部すっ飛ばしていきなり敵と戦闘が楽しめるといったモードだが、Aquanoxのそれはまったく違う。正確な扱いは不明ながら、ストーリーモードの戦闘重視のステージだけを遊べるモードのようだ。だから、ゲーム前には暗号書の配布によるミッション説明があり、ゲーム中にも謎解きに近いアドベンチャー要素が加えられている。Instant Fightだからといって、いきなりプレイすると何をしていいのかわからなくなるので注意が必要だ。
インターフェイスは、FPSの観戦モードのような、自機の操作を3次元で行なうようになっており、ゲームパッドやジョイスティックにも対応しているが、マウス & キーボードでのプレイが一番相性がいい。マウス左クリックで銃撃、右クリックでフォーカスモード、ホイールを回せば使用武器を変更できる。銃撃を行なうとその都度、反動で機体が後ろへ流され、停止したまま連射しようものなら機体がどんどん後ろに流されてしまう。水中を思うように移動して敵を攻撃するには、ちょっとした慣れが必要だ。
Demoでプレイできるステージはいくつかのミッションにわかれ、いずれもひと癖ある内容に仕上がっている。一番おもしろいのは2つ目のミッションで、エンジンを止めてレーダー射撃を行なう砲台の攻撃を無効化しながら、海流をうまく利用して最奥の目標を目指す。そこはちょっとした海溝になっており、狭い海溝が丸ごと要塞化している。途中には砲台はもちろん、嫌らしい位置に機雷が配置されており、かすりでもすれば一巻のお終いだ。グラフィック重視のゲームでこれほど繊細なミッションがあるとは思わず、新鮮なおもしろさがあった。
(c)2001 FishTank Interactive, (c)2001 Massive Development GmbH.
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