開発元 Sir-Tech Canada
米国ではもちろん、日本でもいまなお高い人気を持つダンジョンRPG「Wizardry」シリーズの最新版「Wizardry 8」のDemo。シングルプレイ専用で、あらかじめパーティーが組まれた状態のセーブデータを使って、名も知れぬ広大なダンジョンを6人で探索することができる。
「Wizardry 8」は、同シリーズの開発を行なってきたSir-Techが倒産し、プロジェクトが開発途中で子会社のSir-Tech Canadaに引き継がれるなど、不幸の続いたタイトル。現在も発売元が決まっていない状態で、このDemoの反応次第では未発売に終わる可能性もある。ただ、今回初めてプレイしてみたところ、随所にWizらしい頑固一徹的なアクの強さを感じさせつつも、ゲームとして綺麗にまとまっている印象を受けた。平たく言えば、すごくおもしろい。
グラフィックはフル3Dで描かれ、ゲーム視点は「Wizardry」シリーズそのままの1人称視点。各キャラクタは、左右の側面に3人ずつ、HPだけが見える状態で表示されている。HPバーをクリックするとキャラクタの顔がスライド表示され、HPバーを右クリックすると自動的にポーズがかかり、ペーパードール込みのインベントリー画面に切り替わる。
モンスターはフィールド上に見える形で棲息し、パーティーが近づいてくると走り寄ってくる。一定の距離まで近づくと自動的に戦闘シーンに移行し、バトルシステムはこれまた従来どおりのラウンド制。ひとりずつ攻撃手段とターゲットを決めていき、最後に右下のボタンをクリックすると戦闘開始となる。この時点でもパーティーの姿は見えず、敵に向かって飛んでいく弓矢やスリングの石弾、魔法のエフェクトのみが見える。
パーティーは基本的に戦闘開始地点から動かず、逆に敵が1匹ずつパーティーを取り囲むようにうねうね(スライムの場合)と近寄ってくる感じで、この妙なシステムが8のウリになっている。つまり、敵がパーティに対してメレー攻撃を仕掛けるためにこちらの後列に回り込んでくるのだ。だから、パーティーの標準隊形はMageを取り囲むように円陣が組まれている。ただし、敵によっては魔法などで広範囲に攻撃を仕掛けてくる場合もあるため、散開させた方が有利な場合もあるらしい。Demoではスライムばかり(といっても集団で襲われると手が付けられないぐらい強い)なので、密集隊形で良さそうな感じだ。
グラフィックレベルははっきり言って及第以下だが、Wizシリーズでしか実装はありえないユニークなゲームシステムの数々をフル3Dの世界に再現したことは最大限に評価したい。本作がこれからどういう運命をたどるのかちょっと予測がつかないが、WizファンならびにRPGファンはぜひ一度は試してみるべきDemoである。
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