開発元 Ascaron
たまには珍しいタイトルをということで、以前「Patrician II」の英語版DEMOで紹介したドイツのメーカーAscaronが11月に本国で発売を開始する新作「Ballerburg」のDEMOを紹介。Ascaronの英語圏向けページには未掲載のタイトルで、ひょっとすると米英圏での展開は考えていないのかもしれず、バリバリのドイツ語仕様である。
ゲーム内容は、潜水艦ゲームの攻城戦版とでもいうような、非常にシンプルかつわかりやすいものなので、言葉がわからなくても十分に楽しめる。まずはハンドルを入力してキャラクタデータを作成する。ゲームモードはシングルプレイとマルチプレイが対応しているが、マルチプレイはLAN対戦のみとなっているため、ここではシングルプレイに限定して紹介していく。
ゲームの舞台は、中世ヨーロッパ。眼前には城壁に囲まれた城塞らしき石壁の連なりが見え、手元には数門の投石機が置かれている。フル3Dで構築されたフィールドは、写実そのままの縮尺で描かれ、ゆっくりと空を流れていく雲の表現がやけにリアルだ。ミッション開始時に将官らしき人物になにやら話しかけられるが、ドイツ語のためさっぱりわからない。しばらくそのままにしていると、城塞から灰色の煙筋を残して何かが打ち上げられ、やがてこちらに着弾して周囲は煙に包まれた。そう、ここは戦場であり、どうやらプレーヤーは手持ちの投石機を使って、城塞からの砲撃を鎮めるだけでなく、城を徹底的に破壊して降伏に追い込めなければならないようだ。
DEMOでは、純粋に戦闘のみを楽しむ「ACTION」モードが1ステージプレイできる。F1でコマンド一覧を確認できるが、要は画面下中央の赤丸ボタンをクリックして城塞に向けて投石しまくるゲームである。DEMOでは投石機が6基用意され、撃ち込んだ投石機が次の石を装填している間に、F2キーで次の投石機に切り替えて間断なく撃ち込んでいく。
で、ここがいかにもゲームらしい要素であり、本作のミソでもあるところだが、着弾位置を画面下の小マップで確認できる。最初のうちは小マップに矢印だけが記され、マップ外の地点に着弾していることがわかるが、これを赤丸ボタンのまわりの方向キーで毎回修正していくわけである。といっても、敵もこちらに向けてガンガン撃ち込んでくるわけで、その結果、投石機の耐久力がなくなれば投石機は破壊され、投石不可能になる。どちらも動かない標的というところがおもしろさのミソで、プレイ中に直撃弾を浴びて画面中が土煙で包まれたり、手前で爆発して火災が発生したりして、投石部隊の修羅場模様が伝わってくる。なんともピンポイントなシミュレータだが、国産でも洋ゲーでもない、いかにもドイツらしい個性的なタイトルである。
(C) Ascaron GmbH.
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