発売元 Ubi Soft
「Jekyll & Hyde」「The Shadow of Zorro」など、一種独特な世界観をベースとしたホラー作品を手がけてきたフランスのゲームメーカーIn Uteroの新作アクションアドベンチャー「Evil Twin:Cyprien's Chronicles」のDEMO。オープニングムービーとプロローグに加え、いずれも個性的な3つのレベルがプレイできる。ちょっと容量が大きめだがその価値は十分にある優秀なDEMOだ。
主人公はCyprienという名の札付きの悪たれで、孤児院で退屈な日々を送り続ける現状に不満を感じているだけではなく、自らが子供であること自体に拭いがたい不快感を持っている。ゲームは彼の誕生パーティーから始まり、プロローグでは彼自身がそれをぶちこわしにして自室に戻ったところを、いつの間にかそこにいた見知らぬ人物に話しかけられることで、不思議な冒険の旅がスタートする。
DEMOの各レベルは、どうやら本編の最初のステージではないようだが、ステージの中央にどっしりとした巨木がそびえたファンタジックな密林空間から始まる。内壁は岩に囲まれ、空は隅々までびっしり木の枝で覆われ、フロアにはCyprienの数倍ほどあるカマキリやハエの化け物のようなモンスターが棲息し、発見し次第襲いかかってくる。Cyprienの主要武器はパチンコで、キーを1回押すとゴムを引き絞り、放すと前方に向かって撃ち出すという方式。通常は3人称視点だが、ワンキーで1人称視点に切り替えることもでき、戦闘シーンは1人称視点のほうがやりやすい。
昆虫の化け物を退治し、草葉を伝って巨木の穴に向かうとワープフィールドが用意されている。そこに入ると子供を浮かすほどの烈風が吹きあれる不思議な空間が待ち受けている。風の流れは、中抜きにされた巨木の中で滞留する木の葉の動きによってわかる。プレーヤーは地底にある掲示板で示された目的を果たすために、木の葉と共に風に乗り、巨木の中のさまざまなポイントに向かってゆく。巨木のなかをふわふわ漂う感覚が非常に心地よく、風の流れをうまく読まなければ行きたいポイントにいくことができず、実に良く考えられている。
DEMOでプレイできるのはここまでみたいだが、実に素晴らしいファンタジー世界を見せつけられた思いがした。方向性が常にネガティブなのがアレだが、さすがはIn Uteroの作品というのが正直な印象だ。グラフィックはぎりぎり及第レベルだが、世界観の造り込みの巧さ、独創性については他の追随を許さない大作アクションアドベンチャーといえるだろう。
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