発売元 Strategy First
思わず「ミニチュアゲーム」という新しいカテゴリを設定したくなる、見事なまでに精巧で緻密な2Dゲームの開発大国として知られるドイツから、またしてもいい雰囲気のシミュレーションゲームが登場した。「Patrician 2」は、ドイツ北部のウェストファリア州に本拠を置くASCARON Softwareが現在開発中のリアルタイムトレーディングシミュレーションゲーム。DEMOでは、チュートリアル5本とシングルプレイ1本がプレイできる。
「Patrician 2」は、平たく言えばコーエーの「大航海時代」シリーズやアートディンクの「アトラス」シリーズといった貿易シミュレーションゲームのドイツ版といった感じのSLG。最大の特徴は、交易で儲けた金で都市を拡張できるというところで、ここにこそドイツ的製法のお家芸といえるコンストラクション魂が炸裂している。
ゲーム画面はリアルタイムストラテジー風ながら、都市を歩き回る市民や交易船を直接操作することはできず、建物をクリックすると交易品を購入するダイアログが開いたり、各種情報を確認することができる。ゲームの操作は画面の右側にあるアイコンを使って行なっていくことになるが、貿易シミュレーションゲームとコンストラクションゲームの要素を取り入れているため、操作はかなり複雑。チュートリアルが5ステージも用意されているのはそのためである。
「Patrician 2」のチュートリアルは、テキストベースでゲームの進め方を解説するようになっており、いきなり長い英文をたっぷり読まされる。内容は、インターフェイスの紹介、貿易船の操作法、貿易の仕方、都市の開発、海戦となっており、最初のうちは早くプレイしたくてうずうずいらいらするが、貿易の仕方ぐらいからその内容の奥深さに英文を読むのが楽しくなってくる。都市の行き先を決めるのにドラッグ&ドロップを使うなど、かなり変則的なインターフェイスになっているので、チュートリアルはきちんとプレイしておきたい。
ゲームの基本的な進め方は、街の市場で交易品を買って、遠隔地の都市でそれを売る。上げた利益でさらに大量の交易品を買って、大量に売りさばいてがっぽり儲ける、というもの。当然、海上には海賊も出現するため、武装した船員を雇ったり、大砲やカタパルトの類を積み込むなどの適切な措置をとらなければ、積み荷が丸ごと奪われてしまう。海戦では、大砲を撃ち合ったり、相手の船に乗り込んで船を丸ごと奪うことも可能。元海賊船を交易船として使うことも可能で、かなり荒っぽいプレイスタイルを取ることも可能なようだ。
ある程度現金が貯まれば、新たな船を入手してさらに手広く交易行なうこともできたり、都市を広げて交易品を増やしたり、街で仕事を増やしてヨーロッパ中から人の集まる大都市にしてみたりと、くらくらするほどの自由度は高さが魅力。シミュレーションファンはぜひ試してみてほしい大作SLGだ。
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