発売元 Gathering of Developers
新進気鋭のFireFly Studiosが開発している中世を舞台にしたリアルタイムストラテジー「STRONGHOLD」のDEMO。城塞の建設をメインテーマとし、緻密な内政と派手な攻城戦が楽しめるという新たなゲームデザインに、個人的に以前から注目していたタイトルだが、いざプレイしてみるとやっぱり抜群におもしろい。DEMOは、シングルプレイのみで、チュートリアルと2本のミッション(Invasion、EconomicsMission)が楽しめる。
「STRONGHOLD」は、中世ヨーロッパの城塞、すなわち街の周りをぐるりと城壁が張り巡らされ、中には市民たちが暮らし、その中心部に城があるといったイメージをゲーム内に再現したリアルタイムストラテジーだ。感覚的には「Age of Empires」とほぼ同様のスタイルでプレイできるが、内政部分のリアリティを最重視したゲームバランスとなっており、市民たちの生活ぶりを眺めるのが本作の最大の醍醐味となっている。実際、内政だけをプレイするモードも用意されており、内政に含まれる行動範囲は、戦闘を含むRTSの中でも圧倒的に広い。
「拠点」を建てると、入り口から次々と市民たちが誕生する。彼らに仕事を与え、就労者から税を取り、彼らを守るのがプレーヤーに課せられた目的だ。市民たちを直接操作することはできず、プレーヤーが建物を建てると、街の中心にたむろする市民の中のひとりが作業員になる仕組み。たとえば、木こり小屋を建てると、ひとりが斧を携えた木こりになり、任意の木を切りに任意の森に向かって歩き出す。何度か斧を振るうと、木がドサッと倒れる。そこで得た木材は先ほどの小屋でボードに加工され、拠点に運ばれることになる。このように「木が欲しい」と思ってから実際にプレーヤーが使用可能な状態になるまでにはかなりの時間が必要で、この独特のタイムラグ感覚を掴むのが難しい。一番まずいのが食料を切らしてしまうことで、食料がゼロの状態が続けば市民の数はどんどん減り、国家運営どころではなくなってしまう。
軍隊の設置は、市民の暮らしが完全に保証されてからの話で、それもいきなりユニットが生産できるわけではなく、必要な武器をその都度用意しなければならない。剣や弓などは、資源さえあれば比較的簡単に生産できるが、問題なのは投石機や鉄砲といった砲撃系の兵器で、こういった高級兵器はまず前提として、ある一定以上の人口の獲得と安定した税収が必要不可欠。本作はこの両立が非常に難しい。DEMOの内容はちょっと物足りない感じだが、裏を返せばそれだけ夢中にさせるゲーム性を備えているということだ。RTSファンと箱庭ファンはぜひ試してほしい1本だ。
(C) 2001 GodGames.
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