開発/発売元 JooWooD
オーストリアのゲームメーカーJooWooDのリアルタイムストラテジー「The Nations」のDEMO。すでに今年7月に発売済みのタイトルだが、遊んでみたら異様なほどの牧歌的雰囲気が楽しくてたまらないので紹介する。DEMOでは、チュートリアルミッション2ステージをプレイできる。
「The Nations」は、タイトル名ほど大風呂敷を広げたタイトルではなく、単一民族の生活の営みを丹念に描いた地域密着型のリアルタイムストラテジーだ。村育成シミュレーションゲームという表現がもっとも感覚的に近い。プレーヤーの役割は、広々としたマップ上で中世的かつ地味な生活を送る村人たちがより豊かな生活を送れるように間接的な支援を行なっていくこと。いかにもドイツ系のゲームらしい「どうしてここまでこだわるのか」とイヤでも思わせる日常生活への密着ぶりが、新鮮なゲーム性をもたらしている。
最初に必要になるのは家。家を建てると、人々が住み始め、やがて道ばたで掃き掃除などをしている女性と結婚し、子供を作る。子供は家の周りを歩き始める段階になると、学校に通わせることができる。学校には木こりや石工人、物資配達人、パブのマスターなどといった学科があり、卒業することでさまざまな職業に就いていく。卒業すると自動的に成人となり、親とは別の家に住み新しい家庭を築くといった具合。ゲームの最底辺に人々の生活の匂いを感じさせるリアルなつくりが本作の魅力だ。
また、彼らにはおもしろい法則がある。ゲームは必ず朝から始まるが、昼になると仕事を一旦停止してパブに集まり、そこに集積された食料や水を飲み食いして仕事の疲れを癒す。また、日が陰り夜になると、めいめいの自宅へ戻って寝てしまう。このサイクルが正常にまわらないと、国民たちは不満を溜め、ある一定の値まで達すると、どこか別の土地に引っ越してしまう。製品版では、学校で軍事ユニットを育成することもできるが、まず大前提として国民が満足できる統治を行なわなければ戦争どころではないゲームである。
本作は2Dのゲーム(ただし、画面の拡大縮小は行なえる)だが、ユニットや建物のディテールも非常に細かく、アニメーションも実にユニークで見ていて飽きない。ドイツ人がビアホールで歌うようなBGMもいい感じだ。ぜひ手軽に試してもらいたい。
(C) 2001 by JoWooD Productions Software AG
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