先行体験

シャドバ新作「Shadowverse: Worlds Beyond」先行プレイレポート。「シャドバ」らしさと新要素が上手く溶け合い技巧派なゲーム性に

【Shadowverse: Worlds Beyond】
6月17日 リリース予定
価格:基本無料(アイテム課金制)

 Cygamesは3月23日、ベルサール秋葉原にて大型イベント「シャドバスペシャルフェス」を開催した。

 本イベントではデジタルカードゲーム「シャドウバース」を題材に、有名配信者やゲストによるステージ、有名コスプレーヤーによる撮影会など様々な催しが用意されたが、中でも「シャドウバース」が新たに生まれ変わった完全新規タイトル「Shadowverse: Worlds Beyond(以下:シャドウバース ワールズビヨンド)」を先行体験できるイベントとして大きな盛り上がりを見せた。

 今回は、本イベントにて試遊してきた、「シャドウバース ワールズビヨンド」のプレイ感や新要素について紹介しよう。

【シャドバスペシャルフェス】
ステージでは有名配信者が登壇する「RAGE THEかものはし」や3人チーム戦「powerdby RAGE GRAND FINALS」などのイベントが!
コスプレブースにはコスプレーヤーの「yunocy氏」と「シスル氏」が登場。それぞれ本作でリーダーキャラとなる「ドライツェーン」と「マリア=マリス」の姿に
【【Shadowverse シャドウバース】「シャドバスペシャルフェス」】

「シャドウバース」が進化! カードプールを一新し新要素も追加

 「シャドウバース ワールズビヨンド」は今までの「シャドウバース」が一新され、全く新しいゲームとして生まれ変わったタイトルだ。

 既存のカードが全てなくなり新たなカードプールでのバトルが展開され、それに伴い登場するリーダーキャラクターも一新されている。

 またゲーム性を大きく変える新システムが2つ追加。「SEP(超進化ポイント)」を用いた「超進化」によるド派手な攻防と「エクストラPP」による新たな駆け引きなど、今までにないカードバトルを楽しめる作品となっている。

新たなリーダーキャラ、新たなカード、新たなシステムによってゲーム体験は格段に進化している!

 他にも「シャドウバース」世界を新たに彩る新キャラ達のフルボイスストーリーが追加されたり、プレーヤー同士でコミュニケーションが可能な新機能「シャドバパーク」がゲーム内に実装されるなど新コンテンツもかなり多く用意される予定だ。

 シャドバスペシャルフェス会場にも登場した、今作のナビゲーター「エース」もすでにプレーヤーの人気を集めているようで、世界観やキャラクター面にも力が入っていることが伺える。

 今回の先行体験はカードバトル部分のみプレイ可能だったが、リリース版ではバトル以外の要素でも大きく盛り上がることが予想される。

【シャドバパーク】
カードゲーム以外の要素でもプレーヤーを楽しませるコンテンツが用意される予定
【おしえてエース】
シャドバスペシャルフェス「おしえてエース」のコーナー。様々な疑問に回答したり、質問を繰り返してオススメのリーダーを教えてくれるなどナビゲーターらしい活躍を見せる

新要素「超進化」「エクストラPP」で戦略の幅が広がる! 先攻後攻の有利不利も緩和

 続いて「シャドウバース ワールズビヨンド」を実際に触った所感をお伝えしよう。

 今回プレイできたのは「ドラゴン」「ナイトメア」(前作のネクロマンサーとヴァンパイアを統合したクラス)「ネメシス」の3クラスによるカードバトルで、CPU戦と対人戦の両方を体験する事ができた。

 まず最初に感じた事としては“全体のカードパワーが最初から高い”という点だ。体感で言えば前作「シャドウバース」の終盤期と差支えないほど殺傷力の高いカードが大量に存在している。

 また、今回触った3クラスの特色である「PP加速」、「ネクロマンス/リアニメイト」、「操り人形」のギミックに関してはどれも特色がしっかり引き出せていて、各々の動きに必要なカードは最初から揃っている印象だ。

【ドラゴンの新PPジャンプカード】
ドロー持ちだったり無料進化だったり最初からやる気があるPPジャンプカード達
【ナイトメアの墓場肥しカード】
「ネクロマンス」「リアニメイト」を主軸にカードがしっかり揃っており、墓地肥やし要因も多い。新キーワード「アクト」は、1ターンに1回、アクトボタンを押すことで働く能力だ
【ネメシスの「操り人形」カード】
「ネメシス」は元々様々なアーキタイプが存在していたが、今回のデッキは人形が主軸となっていた
人形の確保、人形のパンプ、人形を駆使したフィニッシュの全てがしっかり完備されていたぞ

 加えて全体的に盤面処理能力が前作の初期環境よりも高くなっている印象も受けた。

 「シャドウバース」の最初期といえば「スペル」や「フォロワー」能力の掛け合わせや「進化」を駆使する事でお互いに盤面を取り合うゲームテンポだったが、今作は最初から1枚で多くの盤面を取る事ができる強力な除去カードが多数見受けられる。

 それに伴い盤面を形成するカードのパワーも高いので、高水準なカードパワーのせめぎ合いをスタートから楽しむ事ができた。

単純な除去スペルでも1体破壊&全体1ダメージ、ドラゴンには全体-9修正の化物も……今作は最初から殺意全開の除去カードが勢揃いしている!

 レジェンドカードもしっかり強力な連中が揃っており、基本的に登場させれば盤面かライフが激しく変動する「シャドウバース」らしいド派手な効果を持っていた。

 あくまでも今回の3クラスに関してだが、全体のゲーム感として「進化権を消費せず如何に盤面を取り合うか」「進化権やレジェンドカードを使うならその行動でライフをどれだけ詰めれるか」という部分に最初からフォーカスする事が多かった印象だ。

1枚で相手の盤面を滅ぼしたり、圧倒的物量で攻めたり、はたまた唐突にデカいパワーで速攻を決めたりと、非常に「シャドウバース」味を感じるリーサルだ!

 続いて今作から追加された新システムについても触れていく。まずは「超進化」についてだ。

 「超進化」は基本情報として、通常の進化とは別に用意されたポイント「SEP(超進化ポイント)」を消費する事で使用でき、「超進化」したフォロワーはステータスが「+3/+3」され、自分のターン中は相手の破壊効果や攻撃ダメージを受けず、相手のフォロワーを倒すと相手リーダーに1ダメージを与えるオマケ効果が付与される。通常の進化とは比べ物にならないほど追加効果が多く、これらの効果は「超進化」したターン以降も継続されるので基本的には「超進化」したフォロワーを生かしておくと負けに直結すると言っていい。

「超進化」したフォロワーは進化後のイラストになった上で、さらに豪華な装飾を身に纏い巨大化する
2体並ぶと盤面の圧がとんでもない……!

 また「超進化」をする事で追加の能力を発揮するフォロワーも存在しており、ほとんどは圧倒的に有利にする“暴れ”が可能なカードとなっている。

 なので基本的には自分の強い動きを通す為に「超進化」を行なう事がベストとなるが、体感今まで以上に相手の盤面に残してはいけないフォロワーも多くなっているので相手の「超進化」フォロワーを殴り返す為に「超進化」を切るという攻防も発生するだろう。

 戦術した通り除去方法も豊富になっているため、いかに相手の「超進化」したフォロワーを自分が「超進化」を使用せずにサバくか、自分が「超進化」を切るならどのタイミングが一番相手に損害を与えられるかといった駆け引きが非常に面白い仕上がりとなっている。

 試合中に何度か発生したシチュエーションとしては、「超進化」を使いたいフォロワーが来るまでは、除去札にも余裕があるから“あえて何もしない”といった場面や、先に「SEP」が切れた状態になると相手の「超進化」をケアできないからお互いに進化権を握ったまま睨み合いになるなど、本作らしい奥深さを体感できる場面も多かった。ここに加えて今まで通り通常の「進化」もあるのでプレーヤーの選択肢が非常に多く、今まで以上に戦略性の高いカードゲームとなっているのを感じた。

【ドラゴン超進化レジェンド】
【ナイトメア超進化レジェンド】
【ネメシス超進化レジェンド】

 もう一つの追加システム「エクストラPP」も本作の戦略性を底上げする大事な要因となっていたので紹介したい。

 「エクストラPP」は後攻のプレーヤーに与えられる権利となり、自身の好きなタイミングで1ターンだけ「PP」を+1できるというシステムだ。1回のバトルで最大2回使用可能で、使用タイミングは5ターン目までに1回、6ターン目以降にもう1回となっている。

 この権利は累積することはなく、1回目の使用を5ターン目までに行なっていないと自動的に破棄されてしまうので注意が必要となる。

 この新システムの凄い所は使い方や戦術が非常に多岐に渡るという点だ。

 例えば1ターン目から早速「エクストラPP」を使用し、2コストのフォロワーを出す事で相手のアグロプランを牽制したり、「ドラゴン」のPP加速カードのようなデッキコンセプトとなるカードを1ターンでも早く撃てるようにしてテンポを取るなどこのシステムだけでゲームプランが無限に拡張している。

 加えて後攻は、今まで通り先攻よりも先に進化を行なう事ができ、後半にもう1回「エクストラPP」を使用できる事も踏まえると今作の後攻はかなり有利な状態でゲームをスタートできると言っても過言ではない。

 この「エクストラPP」の存在によって先攻後攻の有利不利が逆転する事が多く、圧倒的先攻ゲーと揶揄された時代すらある「シャドウバース」がついに先攻後攻フェアな状態になったと筆者は感じている。

 何なら自分の好きなタイミングで先攻後攻のテンポを逆転できる後攻側の方が若干有利になる可能性すらあると思っているが、先にカードをプレイできるアドバンテージと、今作は後攻でも「EP」が2だったりと細かい調整によって良いバランスが保たれていた。

 今回腰を据えて対人戦を何度か行なったが先攻後攻どちらの勝率も五分であり、先攻後攻の違いでプレイに変化はあれど試合体験として「先攻押し付けゲー」や「後攻有利ゲー」を感じる事は全くなく、実力と読み合いが勝敗に大きく影響するゲーム性になったと感じている。

「エクストラPP」により、序盤ではテンポの有利不利を逆転させ、後半では一足早くエースフォロワーを呼び出し盤面を覆す事が可能となっている
使い方1つで戦況を大きく覆す後攻プレーヤーの醍醐味的な要素になっていくだろう

 全体を通した一番に感じたのが、「シャドウバース」らしい能力のド派手さは残しながらも”理不尽感”は消えているという事だ。

 先攻でも後攻でもそれぞれの利点とプレイングがあり、各クラスのカードプールもそれぞれの強味・特色を楽しめながらも対処不能な無理ゲーが発生する事はほとんどない。先を見据えてハンドをキープしたり、除去プランを事前に練っておくなどやりようが幾らでもあるのだ。

 プレーヤーが行なえるアクションが増えた事でプレイの分岐も凄まじく、試合後の感想戦がメチャメチャに面白かったのが印象的だ。

 正直「超進化」という派手過ぎるギミックが追加されたのに、従来よりも技巧派なゲーム性になっている事に驚きを隠せないのだが、「シャドバ」らしさと新要素が上手く溶け合っている証拠だと筆者は感じている。

 今まで以上に読み合いとプレイングが重要となる作品として非常に期待できる作品となっていたので、今後も新情報をお届けしていきたい。

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