インタビュー

「セガ 3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」インタビュー

「オープニングデモ&クレジット」-「マイコンBASICマガジン」の表紙イラストを手掛けていた齋藤氏が参加!

オープニングデモより。「マイコンBASICマガジン」の表紙イラストを手掛けられていた齋藤氏が意気揚々と手がけてくれたという
こちらはクレジットより。今作もユニークな組み合わせ連続で必見の内容となっている

――今回のオープニングデモ映像についてお聞きしたいのですが、BGMはどなたが手がけたんですか?

堀井氏:弊社のChibi-Techが手がけました。

奥成氏:結果的になんですが、「アーカイブス」、「アーカイブス2」、「アーカイブス3」と演出担当が全員違っていて。1作目は「ファンタジーゾーン」のクレジットとかディレクションをやってきた古賀さん、2作目は「サンダーブレード」の追加ステージやグラントノフのビジュアルを作ってくださった元ZOOMの冬野灰馬さんで。BGMは両方とも並木学さんでしたね。

堀井氏:今回はかつて「マイコンBASICマガジン」の表紙イラストを手掛けられていた齋藤さんという方にお願いしました。今までプライベートで雑談をさせていただいていたんですが、やはり同じ時代を生きてきていて、その時代のゲームを知っていて、何がキモなのかを知っている方だったので、「ちょっと仕事の話があるんですけれども、どうですか?」と話をしたところ、「え? この仕事やっていいんですか!?」という感じで引き受けていただきました。相当気合の入ったモノができていると思います。

奥成氏:マリーの顔とか、素材はこの1枚絵なのに、ゲームフリークの杉森さんの絵としか思えないような表情の変化があったりして。

堀井氏:「これ全部、杉森さんが描いたんじゃね?」って思うような。でもそんな絵はないんですけれどね(笑)。

奥成氏:音楽は、「バトルガレッガRev.2016」で多忙だった並木さんに代わって、「3D パワードリフト」の追加BGMメドレーで大活躍のChibi-Techさんがいい感じののBGMを作ってくださいました。今回は「アフターバーナー」の基板で鳴っている音という想定で、その音源で作っていただきました。メニューの曲もChibi-Techさんですね。おまけのほうはゲーセンの喧騒を追加したものになっています。

――続いては名物のクレジットも……これは(笑)。

奥成氏:今回もお笑い系です!「アーカイブス」のクレジットは皆さんお笑いを望まれていると思うので。「3D パワードリフト」はかっこいい系でしたけどね。ちなみに今回の収録作でクレジットがもともと入っていた「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」や「ベア・ナックルII」など5本はクレジットも再収録されています。

 そもそもクレジットは、「3D スペースハリアー」のときだとエネミーを紹介する形にしていて、「3D スーパーハングオン」ではかっこいい感じにしていたんですよね。でも、第2期の「3D アフターバーナーII」から、ちょっとお笑いを……とやってみたのがきっかけで、お笑い要素が強くなっていったという。

堀井氏:「3D アフターバーナーII」がきっかけでしたねー。

奥成氏:これが割と好評で、「3D サンダーブレード」と「アーカイブス」で「もう最後だから」とはっちゃけたのが定番に……。

堀井氏:結果的に続いてしまったというか。ゲームが出ないのにアレックスキッドが延々と出てくるという。

奥成氏:最初はかっこいい方向を目指していたんですがね(笑)。

堀井氏:このクレジットでの楽しみも、やり切った感がありますね。

【エムツー サウンドディレクター並木学氏よりコメント頂きました】

エムツー サウンドディレクター並木学氏

本作で主に担当された箇所:サウンド監修(チェック、修正ほか)

――今回はサウンドの監修という立場にまわられたということなのですが、「セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」へのご感想いかがでしょうか?

並木氏:監修の役割はこれまでのシリーズを通しても担当してきたのですが、3作目を迎えた今作では内容的なボリュームもさらに増えましたが、1作、2作と着実にノウハウを築いてこられたために、スタッフ一同のベストを尽くしたサウンドでお届けできるのではないか?と、とてもうれしく思っています。

 個人的にはアーケード版に忠実でありつつも、よりクリアにお聴きいただける「ターボアウトラン」を特にオススメしたいです!

 あ、同様に「スーパーハングオン」も「エイリアンシンドローム」も……となるとキリがありませんが、サービス精神にあふれたセガ名作タイトル群をプレイいただきつつ、ヘッドフォンやイヤフォン着用でサウンドもお楽しみいただけますと、年末年始もバッチリ! ではないカナ? と思います。

 よろしくどうぞ~!

【エムツー サウンドクリエイター春日達彦氏よりコメント頂きました】

エムツー サウンドクリエイター春日達彦氏

本作で主に担当された箇所:各タイトルサウンド調整、サウンド部分の解析、バナー及び各タイトル選択時の効果音作成

春日氏:今作では、バナーサウンドや各タイトル選択時の効果音作成、各タイトルのサウンド調整などを担当しました。また、福井の手によってFMコアの刷新があったため、それに合わせたテストなども行なっています。

 思い出深いのは、「ターボアウトラン」と「アウトラン」ではサウンドドライバがほぼ別物なので、BGM、SE、エンジン音、それぞれの音量を変える仕組みを実装するために新たに解析をしたことですね。

 他のタイトルでもChibi-Techさんのおまけメニューやクレジット用の効果音を用意するために、サウンド部分の解析を行ったりしています。特にクレジットは効果音がついたことで面白可笑しいものになっているのでぜひお楽しみくださいませ。

【サウンドクリエイターChibi-Techさんよりコメント頂きました】

エムツー サウンドクリエイターChibi-Tech氏

本作で主に担当した箇所:OPムービー&メニューBGMの作曲、あとはオマケメニュー用にアンビエンス(環境)音を作った。最後はクレジット画面のSEを組み立てた

Chibi-Tech氏:OPテーマとメニュー曲を作るにあたって、「アフターバーナーII」の音源データ(FM音源のデータとかPCMドラムなど)を使うことになりました。メインメニューの音楽を作ることは特に興味深いものでした。Harold Faltermeyerの"TOP GUN Anthem"に敬意をこめて作曲しました。

《原文》
For the OP theme and the main menu, I was asked to make new original music that used the same sound source data as AFTERBURNER.
Making the main menu music was especially interesting to me, since I wanted to make a homage to Harold Faltermeyer's epic-sounding "Top Gun Anthem".

Chibi-Tech氏:オマケメニューのアンビエンスを作るのも、とても面白かったです。セガ3D復刻プロジェクトに登場するすべてのゲームからゲームプレイの音を追加したのですが、全て私自身の未熟なゲームプレイから録音しました(笑)。

 データサイズの制約はありましたが、実際のゲームセンターから録音されたようなアンビエンスにしたいと思って作りました。気に入っていただければと願っています。

《原文》
Making the ambience audio for the omake screen was quite interesting too.
I was asked to add gameplay sounds for all the game titles represented in the collection, so essentially I recorded myself playing all the games myself. Yes, the sounds you hear is the result of my unskilled gameplay attempts, haha.
Nevertheless, I hope you like the result; even despite data size limitations, I wanted to make the ambience sound like it was recorded live straight from an actual game center.