インタビュー

「3D アフターバーナーII」インタビュー

立体視に対応し生まれ変わった「アフターバーナーII」

エムツーの堀井社長(左)とセガの奥成プロデューサー(右)
12月18日 配信

価格:
800円
CEROレーティング:
A(全年齢対象)

 「3D復刻プロジェクト」第2期の第1弾「3D アフターバーナーII」がいよいよ12月18日より配信となる。価格は800円。

 前回に引き続き、開発を担当したエムツー(M2)さんにお邪魔し、セガのプロデューサーである奥成洋輔氏と、エムツーの堀井直樹氏にインタビューにお応えいただいた。さらに今回も、サウンド担当のエムツーの並木学氏にもインタビューに参加していただいた。

アーケード版「アフターバーナーII」とは!?

【アフターバーナー/II】

 1987年に登場したセガのアーケード用基板「X-BOARD」の第1弾タイトル。MC68000を2つ、Z80を1つ搭載という構成は「スペースハリアー」で採用された通称「ハリアーボード」と同じだが、動作クロックが異なる。拡大機能を持つスプライト(1画面最大256枚表示可能)を搭載。音源はYM2151とPCMを搭載している。

 前後、左右の2軸で動作する「ダブルクレイドル」筐体、左右に可動する「コマンダー」(シングルクレイドル)筐体をはじめとし、シットダウンやアップライト筐体など多数の筐体バリエーションが出回った。

 ファーストリリースは18ステージ構成の「AFTER BURNER」(便宜上「I」とする)として世に登場。2カ月後に23ステージ構成の「II」にROM交換された。初代はスロットルレバーはなく、トリガーとミサイルボタンを装備したアナログスティックコントローラーが筐体中心に設置されている。「II」でシート左側に追加装備されたスロットルレバーによって、自機の任意のスピードコントロールが実現された。

 攻撃手段は弾数無制限のバルカンと有限のミサイルが存在。ミサイルは敵機をロックオンしてから発射することではじめて誘導する点が「スペースハリアー」と異なる。ステージ構成面では「スペハリ」と同じく、通常ステージとボーナスステージがあるが、ほかにミサイルの補給シーン(空中補給/地上補給)が存在する。また、「スペースハリアー」と異なり、背後から敵機やミサイルが登場し、自機を追いかけてくる(スロットル操作で振り切ったりやり過ごすことができる)。また、左←→右とレバーを入力することで、きりもみ状態となる「ローリング」動作が追加されている。

 サウンド面では、ディストーションギターとドラムなどをPCMで再現したロックサウンドが特徴。ステージ1などの「Final Take Off」やステージ4などの「After Burner」といった楽曲にメロディラインがないのも特徴だが、後にリリースされたアルバム「アフターバーナー SEGA GAME MUSIC Vol.3」にメロディー入りの楽曲が収録されていたことも話題となった。メロディー有り版は、後にPCエンジン版などにも採用されている。

 マークIII(マスターシステム)、ファミコン、FM-TOWNS、X68000、メガドライブ、PCエンジン、セガサターン、スーパー32Xなどなど、数多くの家庭用ゲーム機に移植されてきた(「I」を移植したもの、「II」を移植したものがある)が、エムツーが手がけた移植版としては「3D アフターバーナーII」が初めてとなる。

【「アフターバーナーII」コマンダー筐体】
【「アフターバーナーII」アップライト筐体】

 今回、このインタビューにあたり、アーケード版「アフターバーナーII」のダブルクレイドル筐体の姿と、その動きを思い出していただきたく、奥成氏に提案したところ、快諾いただけたので、セガに永久保存されている「アフターバーナーII」をご紹介させていただく。「3D アフターバーナーII」をプレイする前に、未体験者にはこのオリジナル版のことを知っていただきたい。それととともに、そして過去にプレイされたことがある方は、その記憶を呼び覚ましていただければ、より楽しめるのではないだろうか。

【「アフターバーナーII」ダブルクレイドル筐体】
【「アフターバーナーII」ダブルクレイドル筐体動画】

(佐伯憲司)