インタビュー
「3D サンダーブレード」インタビュー(番外編!)
ネタバレ全開! 「スペシャルモード」のラストに控えしあのキャラについて!+スタッフコメントをご紹介!!
(2014/8/28 00:00)
無事ニンテンドー3DS向けに展開されてきた「セガ 3D復刻プロジェクト」第2期最終作「3D サンダーブレード」が配信されて1週間。みなさん楽しんでいただけてますでしょうか?
同プロジェクトのタイトルごとに続けてきた、セガのプロデューサー・奥成洋輔氏と、開発元のエムツー・堀井直樹社長へのインタビュー、「3D スペースハリアー」以来の久々の番外編として「スペシャルモード」の最後のボスキャラに関しての話題をお届けします。
加えて、スペシャルということで、今回は「3D サンダーブレード」に関わられていたスタッフの方にもコメントを頂いておりますので、こちらも合わせてご披露させていただきます。
今回の記事は盛大にネタバレになっておりますので、未プレイの方はぜひ、プレイ後にお楽しみください。
ラスボスがまさかの……!
―― さて、スペシャルモードの最後のボスですが、まさか(笑)の「グラントノフ」でしたね!
奥成氏: 最終面を作るのとほぼ同時に決まったような気がします。「ラスボスは『グラントノフ』です」と。私が口をはさむ前にもう決まってましたね。あれは松岡さんが決めていたんですか? 齊藤さんですか?
堀井氏: 松岡が決めて、齊藤もノリノリでしたね。で、「誰に描いてもらおうか?」ということで、冬野(灰馬)さんに描いていただきました。冬野さんも打ち合わせでこの話をした瞬間に、ゲラゲラ笑って「なるほど!」って言ってらっしゃいましたからね。
奥成氏: 「セガ 3D復刻プロジェクト」としてこれまでやってきて、特に第2期のオリジナル要素に関して「グラントノフ」の名前を借りてやってきたわけですが、「最後を飾るゲームのラスボスを追加できるんなら、それは『グラントノフ』でしょう!!」と松岡さんが言ってくれまして……。僕がこれまで追加要素を「グラントノフ」と呼んでいたのは、別に「3D サンダーブレード」のオチのために伏線として言っていたわけじゃないんですが。
―― (笑)。
堀井氏: 「プロジェクト グラントノフ」ってインタビューで言っていたから、「『グラントノフ』を入れようぜ」という話で。このインタビューがなかったら「グラントノフ」じゃなかったかもしれませんね。
奥成氏: 間違いないですね。ただ、実は「3D アフターバーナーII」を開発してるときに「『グラントノフ』を出さない?」という話も一応冗談半分で言ったこともあるんですけれども、そのときは松岡ディレクターに「断固拒否します!」と言われましたね。
よく考えてみれば納得なんですけど、巨大でゆったりと動く「グラントノフ」は、機敏に動き回る「アフターバーナーII」のゲーム性には合わないんですよ。なんかマークIII版を全否定しているみたいで申し訳ないんですが。なので、「アフターバーナーII」のスペシャルモードは機敏に動き回るライバル機とのドックファイトというかたちに落ち着きました。でも今回は別で、「サンダーブレード」にはぴったりだったという。
巨大な空中構造物に対しては、自機の動きがある程度緩やかな方が合うというか。「パンツァードラグーン」などもそうなんですが。エムツーさんは意識していないみたいですけど、イメージ的にもちょっと「パンツァードラグーン」初代のエピソード5に出てくる巨大戦艦を思わせる感じになっていますね。
―― それでいて、それまでのステージにバックビューで空中キャラがいないんですよね。「サンダーブレード」は。だからパズルのピース的にハマるといえばハマる。かといって「スペースハリアー」みたいな高速移動するキャラはあまりフィットしないし。……そういう意味でのちょうどいいキャラクターがいた! ということなんですね(笑)。
奥成氏: 巨大感も出てますしね。空中物に対しての「サンダーブレード」たる、階層に対して立体感を表すという部分をキャラクターとして表現しているというところも非常にいい落しどころになっていて。倒す過程も「倒した感」がありますし。
堀井氏: ありますよねー。冬野さんも「今どきなんでこんなものをやらせていただいているんだろう?」と言ってらっしゃいましたね。ドットグラフィックでね。
奥成氏: おかしいですよね。当時現役だったとしても、少なくともこの10年はこんなことをしていないという(笑)。
―― 「アフターバーナー」のセガ・マークIII版のボスキャラと言われても、そこまでみなさんの記憶に残ってらっしゃるのかわかりませんが(笑)。
奥成氏: なのでボスキャラを出すにあたって、名前を表示するようになったんです。松岡ディレクター曰く、あれは「グラントノフ」と表示したいのが理由だそうです。ちなみに「グラントノフ」はマークIII版の海外版マニュアルに記載されているつづりをそのまま使っています。
堀井氏: ボスキャラの出現時に文字を重ねるなんて、今までのプロジェクトでは難しかった話ですからね。ずいぶん変わりましたよね。
奥成氏: で、気がついたら、全部のボスキャラの出現時に名前が表示されるようになっていて。
「STAGE4」のボス以外はマークIII版「サンダーブレード」のマニュアルに名前が書かれていたので、それを使いました。マークIII版と、海外のマスターシステム版とで名前が微妙に違っていたんですが、カッコいいほうを折衷案的に採用しています。で、「STAGE4」も気がついたら勝手に名前が入っていたという。
―― あの名前は……(汗)。
堀井氏: 奥成さん、「STAGE4」のボスの名前も確認しました?
奥成氏: もちろんです。
堀井氏: 松岡がずっとビビってた(笑)。「いつバレるかな?」って。
―― えー!(笑) あれってエムツーさんが勝手に足した名称なんですね(笑)。
奥成氏: 「STAGE4」だけですけどね。松岡さんから「名前を出したいので、ボスの正式名称を教えてくれ」って散々催促されて。それで資料全部ひっくり返して、マニュアルとか、当時の雑誌とか、攻略本とか、名称が載っていそうなところをあたったんですけれども、「STAGE4」だけなくて。そもそも、このゲームのストーリー設定って、マークIII版とアーケード版と、「ゲーメスト」に載った開発資料とで全部微妙に違うんですよね。
堀井氏: 昔ならありがちの話ですね(笑)。
奥成氏: ストーリーは結局アーケード版に準拠したんですけれども。しかも名前だけじゃなくて、形式番号も必要だ、ということで。
堀井氏: やっぱり型番がいるじゃないですか!
奥成氏: 型番もすべてマークIII版準拠なのですが、「STAGE4」だけは気がついたらあんな形で入ってました。
―― (笑)。
堀井氏: かなりかっこいいです。
奥成氏: 「STAGE4」以外はね(笑)。
―― みなさん楽しんで頂けるといいですね。ありがとうございました!