【特別企画】

「フォーメーションZ」ファミコン版が40周年! ロボット&戦闘機にいつでも変形可能! 懐かしの横スクロールシューティングをプレイバック

【フォーメーションZ(ファミリーコンピュータ版)】
1985年4月4日 発売

 ジャレコのファミコン用ソフト「フォーメーションZ」が、本日2025年4月4日でちょうど発売40周年を迎えた。

 本作は、1984年に発売された同名のアーケードゲームを移植したもの。自機にあたるロボット、飛行形態に可変する戦闘メカ、イクスペルを十字キーとショット、変形(ジャンプ)ボタンで操作して敵を倒していく横スクロールシューティングゲーム。イクスペルが敵や敵弾に当たるとミスとなり、ストックがゼロのときにミスをするとゲームオーバーとなる。

 以下、筆者が盛んに遊んでいた当時の記憶を頼りに、本作の特徴や面白さをまとめてみた。

【フォーメーションZ】

可変戦闘メカのカッコよさに痺れまくり

 筆者が本作の存在を初めて知ったのは小学生の頃。確か漫画雑誌の「コミックボンボン」か「コロコロコミック」のいずれかに掲載された、新作ソフトの紹介記事だったと記憶している。当時の筆者は、まだアーケード版を遊んだことも見たこともなかったので、記事に掲載された画面写真を見て「カッコイイな」と率直に思った。

 やがて、本作を友人が買ったとの情報を得た筆者は、友人宅に早速お邪魔して遊ばせてもらった。実物を初めて見たときの第一印象も、やはり「カッコイイ!」だった。

 特に「カッコイイな」と思ったのは、まるでロボットアニメを見ているかのような、イクスペルが変形するときのアニメーションだった。ボタンひとつで、いつでも自由に変形できるイクスペルを操っていると、まるで自分がアニメの主人公になったかのような気分になった。さらに飛行形態になると、画面スクロールのスピードが劇的に速くなるのも楽しかった。

最初はロボット形態でゲームスタート
飛行形態に変形すれば、大空高く飛ぶことが可能になる

 飛行形態のときは、スピードが速くなる代わりにエネルギーを消費し、エネルギーがゼロになると飛行形態に変形できなくなってしまう。飛行中は地面や海面に触れた場合もミスになるので、着地する際は必ずロボット形態に戻す必要がある。ただし、海上ステージでは着地ができないため、もし途中でエネルギーが切れた場合は手詰まりになるリスクも生じる。

 エネルギーは、たまに出現するエネルギーコアを取れば1個につき10ポイント回復する。エネルギーコアは地上にしか出現しないので、飛行形態のままエネルギーコアを取る場合は地面スレスレを飛ぶ必要がある。「もしかして、低空飛行でエネルギーを補給しながら進めば楽勝かも?」と思いきや、イクスペルが接近すると飛び上がって体当たりする敵が邪魔をするので、子供心に「イヤらしい奴だなあ……」と思わされた記憶も残っている。

海上ステージでエネルギーを使い果たすと、着地できずに墜落してミスとなる
低空飛行で進むと、地上から飛び上がる敵「ピグ」の餌食になりやすいリスクがある

 最初の平原ステージの背景には山脈が描かれているが、後半になると海が現われ、さらに進むと突然スクロールが速くなり、海上ステージへと舞台が変わる。ロボット形態のまま水面を歩くことは当然できないので、海上では必然的に飛行形態で戦うことになる。急激にスクロールのスピードが増す背景と、イクスペルが飛行形態に変形するアニメーションが絶妙にシンクロし、実にカッコよかったことを今でも鮮明に記憶している。

 海上から次の砂漠ステージへ到達するためには、海上に飛び出した時点でエネルギーを最低でも50(※最高で99までストックできるので、キャパシティのちょうど半分にあたる)以上ストックしておくが必要だ。もしエネルギーが途中で尽きると、そのまま墜落してミスになってしまうので、本作を遊び始めた頃は、海が見えるまでの間はロボット形態で戦い、地道にエネルギーを補給しながら進む攻略パターンを作っていたと記憶している。

筆者が最初に感動した画面。スピードに乗ったイクスペルが平原から海上に向け、飛行形態で飛び出す姿がとにかくカッコよかった
やがて現われる砂漠ステージのマップが見えたところで、すかさず着地を決めたときも実に快感だ

対ボス戦は「ビッグバン」がキモ。高得点ボーナスの裏技にも驚愕

 イクスペルはロボット、飛行形態のどちらでもパルスレーザー(通常ショット)とビッグバンと2種類のショットが撃てる。連射ができるパルスレーザーに対し、ビッグバンはボタンを長押しする必要があり、しかも単発でしか撃てないが、敵や敵弾を貫通する特徴があるので、ただボタンを押しっ放しにして撃ちまくっているだけでも、なかなかどうして楽しかった。

 今振り返ると、長押しすると強力なショットが撃てる、いわゆる「ため撃ち」を最初に体験したのは本作だったように思う。

連射はできないが、敵や敵弾を貫通する強力なビッグバン

 筆者も友人たちも、みんなそろって苦しめられた難敵が、中ボスにあたる前線機動要塞「S.T.Y」だった。

 タコのような風貌の「S.T.Y」は、上部の丸い部分が唯一の弱点で、しかもビッグバンでしかダメージを与えられない。前述したようにビッグバンは連射ができず、しかもエネルギーが切れたら墜落するリスクとも戦いながら、「S.T.Y」が次々と撃つ弾を避けつつ倒すのがとても難しかったと記憶している。

 「S.T.Y」を倒すと、イクスペルが急上昇して宇宙空間に飛び立つデモが流れる。苦労の末に、やっとこさでビッグバンを当てて撃ち落とし、この演出を初めて見たときも海上ステージと同様に大いに感動した。

ビッグバンでしか倒せない強敵「S.T.Y」
「S.T.Y」を倒すと、イクスペルが宇宙に向かう演出も秀逸だった

 宇宙空間ステージの最終地点には、ラスボスの「ジズィリアム」が出現する。「ジズィリアム」は「S.T.Y」よりも大量に弾を撃つので最初は面食らったが、マトが大きかったためなのか、「S.T.Y」に比べるとあまり苦労せずに倒せたと記憶している。ラスボス撃破に成功し、お祝いのメッセージを初めて目撃したときの達成感も今なお忘れられない。

 ファミコン版には、「ジズィリアム」をエネルギー残量がゼロの状態で倒すと、25万6000点の隠しボーナス得点がもらえる裏技がある。「コミックボンボン」だったか「ファミコンマガジン」だったか、どこで情報を得たのかは忘れてしまったが、この裏技を自身で試して成功したときも大いに喜び、そして驚かされた。

 また「コミックボンボン」には、敵の戦車「ヘラ」を出現した瞬間に倒すと、謎の破片(※おそらくバグによるもの)が現われ、これを破壊すると1000点が獲得できる裏技が掲載されていた。こちらも自分で試したら、割とすぐに再現できたことを今でもよく覚えている。思えば、筆者がファミコン用ソフトでバグによる「裏技」を体験した最も古いタイトルが、本作と「マリオブラザーズ」(※ポーズ連打でマリオが地面にめり込む裏技がある)だったのではないだろうか。

ラスボス「ジズィリアム」もビッグバンでしか倒せない
エネルギーがゼロの状態でラスボスを倒すと、何と25万6000点の大ボーナスが加算される
「ヘラ」を速攻で倒すとまれに出現する、カッコよくもなんともないが、筆者にとっては思い出深い象牙色の「謎の破片」

 本作は、D4エンタープライズの「プロジェクトEGG」で配信されているので、WindowsのPCさえあれば今でも手軽にプレイできる。元祖アーケード版も、ハムスターの「アーケードアーカイブス」の1タイトルとして、Nintendo SwitchとPS4向けに配信中だ。ファミコン版しか知らない、あるいはアーケード版しかプレイしたことがない人は、この機会にそれぞれの違いを比べつつ遊んでみてはいかがだろうか。

 またシティコネクションは、「フォーメーションZ」の流れをくむ新作「FZ:FORMATION Z」と「ファイナルフォーメーション」を現在開発中だ。公式サイトを見ると、どちらも年内に発売が予定されているもよう。こちらの続報にも大いに期待したいところだ。

【FZ: Formation Z - 2nd Trailer【TGS2023】】
【ファイナルフォーメーション】