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「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビュー Part2

「メイズウォーカー」- エムツーの“こっそり作っていました”がまた炸裂!!

「メイズウォーカー」- エムツーの“こっそり作っていました”がまた炸裂!!

奥成氏:今回収録されているもう1本の「メイズウォーカー」ですが、前回のインタビューでお話ししたように、おまけのマスターシステム(マークIII)のタイトルもすごく手間をかけています。だから僕は本作の収録作に「メイズウォーカー」という言葉が出たときは嬉しかったのですが、びっくりもしました(笑)。大丈夫なのかな?と思って。

――あれ?「メイズウォーカー」は奥成さんの提案ではなかったのですか?

奥成氏:いえいえ、僕は基本的には「アーカイブス1」までを考えていて。そこから先はもうなかったんです。ただダウンロード単体版の第2期に関しても、追加でメガドライブタイトル(「ガンスターヒーローズ」、「ベア・ナックル2」、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」)3作が入りましたが。あの頃にインタビューで「メイズウォーカー」の名前を出していたのはもう、1ユーザー的な視点で「やりたかったねー」というような気持ちだったんです。

――なんというか、前フリや予告めいたものではなかったんですね。

堀井氏:奥成さんらしからぬところではあるのですが、「アーカイブス1」の頃にも、「もう1本できるのなら『メイズウォーカー』だよね」という話はしていて。それで「メイズウォーカー」も手を付けてみたんですけど、ものすごく手ごわくて……。全然終わらない。

 「これはもう諦めちゃった方がいいのでは!もう楽になりたい!!」ぐらいに思っていましたね。

奥成氏:僕はあの頃、「ギリギリのスケジュールだけど隠しで入っていたらいいな! いいな!」という話を毎週、松岡さんの耳元でしてはいたんです。でも全然。かなり早い段階から「これは無理!」という話になって。それどころか「アウトラン 3D」も危ういぐらいになっていって。

――なるほど……。ではなぜ下村さんは今回「メイズウォーカー」をラインナップに入れたのでしょう?

下村氏:いや、奥成が言ってたから(笑)。

(一同笑い)

下村氏:エムツーさんと今回のおまけ収録について相談したときにも「いや、ここは『メイズウォーカー』でしょう」という話がありましたね。

堀井氏:実は今回そんな「メイズウォーカー」ができたのはですね、「アーカイブス1」の時に手を付け始めて、でも無理だよねとなり、確実に収録されないことも確定したのに、石倉(※)というプログラマーが個人的に作り続けていたから……なんです!!

――出たー!

奥成氏:始まったよ(笑)。

堀井氏:石倉は他の仕事もしながら、「メイズウォーカー」もある程度の目処が立つところまで進めちゃったんですよ(笑)。

奥成氏:その話、僕も今初めて聞きました。

堀井氏:「メイズウォーカー」は前作に本当に入れたかったんですよ。あそこまで深い立体視を見せているタイトルはなかなかなくて。セガ・マークIIIでそれをやっていたというのを、今のみなさんに知ってもらいたいと思っていたんです。それを石倉が延々とやってくれて。「あるかどうかわからないけれど、次があれば入れられるといいよね」と話していて。

※石倉氏……エムツーのプログラマ。「龍が如く0」のコンパニオンアプリに収録された「SF特攻空母 ベルーガ」制作時に16BIT版をPlayStation Vita上で最初に動作させるなど豪腕ぶりを発揮している。

奥成氏:「メイズウォーカー」の良さって、画面写真からは全く想像ができないものなんですよね。立体を使った原始的な面白さと言いますか。ゲーム自体はそこまで特筆するようなものではなく、単純な迷路を進んでいくものです。でも、画面を見たときの面白さ、画面の中にある別の箇所へとワープしていくシンプルな面白みがあって、8BIT時代のゲームにあったワクワク感を、今改めて感じてもらえるタイトルだと思いますね。

堀井氏:ちなみに石倉は「できない」って言うのが嫌いなんですよ。“できないって言うことができない”(笑)。そんな彼が執念で作りました。

――そうして「アーカイブス2」のボーナス収録話が来て。「できますよ! というか、もうありますよ!」みたいな状態に。恐ろしい話ですね(笑)。

奥成氏:これって下村さんも初めて聞いたのでは?。

下村氏:うん、今知った(笑)。

――エムツーさんはこういうのをまだまだ秘めていそうで、おっかないですよね。

堀井氏:ありますよー!

――今、この瞬間にも。

堀井氏:えぇ、ありますねぇ(笑)。

奥成氏:エムツーさんに行くと、あの会社の「○○○」とか「○○○○○」とかも3Dになってたりしちゃうのかなー!?なんて。

堀井氏:いろいろと3Dにはしていますが!が、今ここで話せるタイトルはない!!

(一同笑い)

奥成氏:一点だけごめんなさいなのですが、今回他のゲームと同じように「メイズウォーカー」にも日本版と海外版の切り替えボタンがあるんですけど、実は本当の海外版は入っていないです。海外仕様の本体で起動はさせているものの、そのあとは日本版と同じものが始まります。これは、オプション項目のボタンを取り払うのが難しいそうで。ちょっと申し訳ないのですが、残ってしまっています。

 本当は海外版なら「MAZE HUNTER 3D」というタイトル名に変わるのですが。ゲーム内容としてはそこ以外の違いはないんですけどね。

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(山村智美)