Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

LucasArtsレポート Part2
StarWars Galaxies:An Empire Divided など話題作を紹介

会期:5月22日~25日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 先日に引き続き、注目のMMORPG「StarWars Galaxies」など、Lucas Artsタイトル4本のレポートをお届けする。


■ フル3Dベースの「スターウォーズ」オンラインRPGがこの冬登場する!
StarWars Galaxies:An Empire Divided

 映画「スターウォーズ」の世界をそのままオンラインRPG化したタイトル、それが「StarWars Galaxies:An Empire Divided」(以下Galaxies)だ。発売前から噂が噂を呼んでいるこのタイトルだが、今回のE3において、初めて実際に動作するバージョンが公開された。

 時代設定は、反乱軍と帝国軍の戦闘がもっとも激化した時代……映画でいうところの「スターウォーズ・帝国の逆襲」と「スターウォーズ・ジェダイの復讐」の間になるようだ。

 キャラクタとして選択できる種族は8種類で、それぞれに性別や属性がある。人間型はもちろん、グリードのような異星人型まで、どの種族も映画スターウォーズの旧三部作に登場したお馴染みのものばかりになる予定だという。

 今回の展示では、反乱軍のアクバー提督と同族の「魚類型宇宙人キャラクタ」を題材にしてキャラクタメイキングの方法が解説された。体型、肌の色、衣服、といった基本部分や、頬、顎、唇、目、鼻といった顔の細部のカスタマイズも行なわれていた。「キャラクタ外観」の個性はMMORPGにおいて最重要となるポイントだが、これだけ細かい設定ができれば、相当コアなスターウォーズファンでも満足がいくはずだ。

 なお、キャラクタの基本スキルは、種族のほか、賞金稼ぎ、商人、密輸業といった基本職業の選択により決定される。

 できあがったキャラクタは育て方の違いで様々なスキルを身につけていくとのこと。帝国軍と反乱軍の所属については自由とされており、初期のハン・ソロのようにどちらにも属さない中立の立場もとれるという。


 NPCの存在だが、公開されたバージョンではジャバ・ザ・ハットはもとより、あのボバ・フェットも存在していた。

 担当者の話では、NPCはプレーヤーキャラクタに影響を与えたり、イベントを授ける存在として、それぞれの行動スケジュールに従って各地に出没するとのこと。たとえば、職業として密輸業を選択したプレーヤーは、ジャバ・ザ・ハットから仕事の依頼を受けられるし、賞金稼ぎとなったプレーヤーは、ハンターギルドの紹介をボバ・フェットから入手できたりするらしい。

 最終バージョンでは、ルーク・スカイウォーカー、ダースベイダー、レイア姫、ハン・ソロといった旧三部作に登場する重要人物もNPCとして登場するという。キャラクタは、金銭的に裕福になれば家を所有することもできるし、ドロイドをペットとしてつれて歩くこともでき、戦闘とは無縁な平和な生活も営めるようだ。また、独自の成長を遂げれば特殊能力を身につけることも可能で、歌手になったり、またジェダイになることもできるらしい。

 「ジェダイになるためにはどうしたらいいのか?」と担当者に聞いてみたところ、ジェダイだらけになることを避けるために、最初のリリース時は一切秘密にしてしまうという。ジェダイ評議会へのコネクションを確立することが早道……とのことだが、サービス開始直後、当面はこの「謎」について盛り上がることになりそうだ。

 登場する星系は、最初10個で、これもタトゥイーンをはじめとした旧三部作でお馴染みのものになる予定だという。マップの広さは、概算でEVERQUESTの8倍以上になるとしており、規模の大きいMMORPG作品であることを予感させる。第一バージョンで所有可能な乗り物は、スピーダーや動物系に限られ、宇宙船は持てないという。各星間の移動は、バスや鉄道感覚で発着する定期便の宇宙船の利用に限定されている。

 ここで「ハン・ソロのような気ままな星間密輸業者になりたかった……」とがっかりする人もいそうだが、製品版リリースから約1年後に「Space Expansion Kit」の発売を予定しており、これを導入するとそういった行為も可能になるという。第一バージョンでは、「強力な敵」としてしか登場しないAT-STウォーカーのような大型地上兵器も、拡張パック導入後には所有できるようになるようだ。

 気になる戦闘システムは、現バージョンでは、半リアルタイムのコマンドベース戦闘システムが採用されており、戦闘モードにはシームレスで移行する。プレーヤーの指示がない限りは、AIによって自動的に行動が採択される。

 攻撃しつつ移動することも可能だが、3Dアクションゲーム「ジェダイナイト」シリーズのように、敵が発射したブラスター弾を移動してかわすといったことはできない。このあたりは、良くも悪くもMMORPG的なシステムとなっている。

 なお、本作は前述のとおりマップがやたらと広く、請け負ったクエストを解決するためにはどう行動すればよいか初心者が迷ってしまう可能性がある。これについては、ガイドラインを提示するアシスト機能を実装するという。今回のプレゼンテーションでは、場所などをマーカーで表示する機能が紹介された。

 グラフィックエンジンについては「非常に長い期間をかけて作り込んだ」といい、GeForce 3をターゲットに基本設計が行なわれたという。公開バージョンのデモは「ライトマップなし、ニセ影なし、すべてリアルタイム生成」で。地形データもフラクタル理論による算術生成されており、草木などの自然物もパラメータ生成によるものだと担当者はコメントしている。

 エンジン自体はGeForce3をターゲットにしているものの、性能の低いGPUで動作させた場合は、そのGPU性能に適応した品質でグラフィックを生成するという。エンジンはゼロから開発されたもので、名称は特につけられていない。

 発売時期は2002年12月の予定で、βテストは2002年7月を予定している。プラットフォームはPC版からスタートし、運営面でのノウハウを蓄積してから約1年後を目処にXboxやプレイステーション 2向けに販売を開始するとしている。開発はソニー・オンライン・エンターテインメントが担当する。

 日本語版について聞いてみたところ、「Galaxies」はワールドワイドでの販売を想定してローカライズしやすい作りになっているという。サーバー運営面での問題さえクリアできれば、比較的早い時期に各国版のサービスが開始されるものと思われる。

このクオリティのグラフィックでプレイするには、それ相応のマシンスペックが必要になる。会場では、GeForce 4 Ti4600を搭載したマシンでデモが行なわれていた


■ RTX RedRock

 ルーカスアーツオリジナルの新ヒーロー「E.Z.Wheeler」をフィーチャリングしたアクションアドベンチャーゲーム。

 プレーヤーは改造人間スペシャルエージェント「RTX(Radical Tactics Experts)」の「E.Z.Wheeler」となり、エイリアンによって略奪された火星基地を解放する任務に挑戦する。体に埋め込まれた数々のサイバーギミックを駆使し、エイリアン達が仕掛けたトラップを解除しつつ、敵を倒しながらステージクリアを目指す。

 RTXエージェントは、機械やロボットを自分の意志で制御する能力があり、小型ロボットや機械に成り代われる。これでエイリアンたちの隙を見て、人体では行けないところにも進入可能。最近流行のスニーキング・アクションの要素が取り入れられている。

 全10ステージ。発売はゲームキューブとプレイステーション 2を予定。発売時期は2003年春を予定している。

メインはシングルプレーヤーゲームだが、画面分割方式の対戦モードも用意されるとのこと


■ GLADIUS

 ルーカスアーツ・オリジナルのロールプレイングゲーム。シングルプレーヤーゲーム専用で、ふたりいる主人公キャラクタのどちらからでもスタートできる。すなわち、用意されているシナリオはふたつ。ゲームシステムはひとつだが、シナリオは二本分が用意されている……ということだ。

 ゲームの雰囲気は映画「グラディエイター」の影響を多分に受けている様子で、時代設定もローマ帝国全盛時代となっている。また、剣闘士たちが闘技場で技を競い合うアリーナイベントがストーリー中でも重要な役割を果たす。映画「グラディエイター」と唯一違う点をあげるとすれば、魔法の概念が存在するところか。

 戦闘はターンベースで進行。コンボ技入力システムを採用しており、特定の順番で正しいボタン入力を行なうことにより、強力な攻撃技が使える。最近流行のターンベース戦闘にアクション要素を加えたゲームシステムとなっている。

 プラットフォームはXbox、ゲームキューブ、プレイステーション 2を予定。発売時期は2003年春。

エンディングまでのプレイ時間は36時間+αを想定。ストーリークリア後も、アリーナチャンピオンを目指してプレイを継続できる


■ Indiana Jones and the Emperor's Tomb

本作のコンセプト・アート。眺めているだけで期待感が高まる
 「戦う考古学者」インディ・ジョーンズを主人公にしたゲーム。いうまでもなく、ハリソン・フォード主演の同名の人気アクション映画の関連作だ。舞台および時代設定は「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の直前という、ファンにはたまらないものになっている。

 映画「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の冒頭では、中国マフィアと「ヌルハチ」と呼ばれる中国第一皇帝の遺骨が納められた骨壺のようなものを取引するシーンが描かれていたが、本作は、ジョーンズ博士があのシーンに至るまでの冒険をオフィシャルな設定をもとにゲーム化されている。

 時は'35年。インディのターゲットは「龍の心臓」と呼ばれる伝説の黒真珠を見つけること。この黒真珠は人の心を操る力があるといわれており、これを中国マフィア組織「黒龍団」や、ナチスドイツ軍が躍起になって探している。与えられた情報は「中国第一皇帝の墓にあるらしい」というものだけ。普通の考古学者ならば見向きもしないようなネタに、インディの探求心は今回も爆走する。ミステリアスな設定と、八方ふさがりの敵だらけといったシチュエーションで物語が始まる様子は、まさに映画そのままの雰囲気といっていい。

 プレーヤーが操作するのは主人公のジョーンズ博士で、3Dアドベンチャーゲームの伝統的ギミックともいえるスイッチ操作パズルのほか、ジョーンズ博士のトレードマークである小道具「ムチ」を効果的に使ったアクションで切り抜けていくといったアクションパズルがマップ内の随所にちりばめられている。たとえば、壁から突き出た杭にムチを巻き付けて振り子のように遠地にジャンプしたり、直接行けないような場所に置かれたものをムチで巻き付けて取ったり……といった感じだ。

 戦闘シーンは格闘アクションライクに進行し、ゲーム性が高く自由度にも幅がある。銃を持っていれば飛び道具による攻撃も可能だが、敵に自分の存在を知られてはいけないような局面では、格闘攻撃を行なう必要性も生じてくる。この格闘アクションシーンは、一般的な3D格闘ゲームをシンプルにしたような作りで、爽快かつ戦略性に富んでいる。相手にボディブロー食らわせて、ひるんだところを階下に投げ落として戦闘不能にしたり……と、映画中のアクションシーンがそのままゲーム内で演じられているようだ。

 ムチを使って敵の動きを封じたり、敵の銃器を奪ったりといった映画さながらのアクションも思いのまま。単に「トゥームレイダーのインディ版」と呼ぶにはもったいないほど、新しいアイディアに満ちあふれている。全10ステージで、エンディングまでの予想プレイ時間は約38時間とのこと。

 開発はXboxの「Buffy the Vampire Slayer」など、3Dアクションアドベンチャーをメインに作ってきたCollectiveが担当。ゲームエンジンは同社のSlayerエンジンを使用。プラットフォームはXbox、プレイステーション 2、PCを予定。発売時期は今年秋を予定している。

射撃はオート照準システムを採用。体術アクションのほか、映画でもお馴染みの乗り物に乗ってのカーチェイス・アクションなども用意される予定だという

□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□「LucasArts」のホームページ
http://www.lucasarts.com/
□関連情報
【5月22日】世界最大規模のゲームショウ「E3」いよいよ明日開幕
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020522/e3pre.htm
【5月23日】映画「スターウォーズ エピソード2」関連のゲームが盛りだくさん!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020523/lucas.htm

(2002年5月24日)

[Reported by トライゼット西川善司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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