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台湾BenQ IT Display Product Manager Scread Liao氏インタビュー

BenQのゲーミングモニターの強さの秘密に迫る! 将来的にはコンソール向けモデルも


11月22日収録

Singapore Carlton Hotel



 ゲーミングモニターへの参入は2010年と比較的新参者でありながら、プロゲーマーから直接フィードバックを受けて設計に反映するというゲームデバイスらしいアプローチで、早くもPCゲーマーの心を掴みつつあるBenQ。続いては、BenQの台湾本社でゲーミングモニターの企画、設計を担当するScread Liao氏へのインタビューの模様をお届けしたい。

 なお、インタビューにはベンキュージャパン代表執行役社長のマーティン・モーレ氏と、液晶ディスプレイプロダクトマネージャーの洞口寛氏にも同席いただき、日本市場に関連する部分について補足説明をしていただいている。同社のゲーミングモニターの概要についてはこちらの記事で詳しく取り上げているので合わせて一読いただきたい。

【BenQゲーミングモニター紹介トレーラー】


■ 応答速度とフレームレートにこだわるBenQ。強みは独自ゲーミング機能の搭載

BenQ IT Display Product Manager Scread Liao氏
ベンキュージャパン代表執行役社長のマーティン・モーレ氏
ベンキュージャパン液晶ディスプレイプロダクトマネージャーの洞口寛氏

――BenQのゲーミングモニターの歴史から教えてほしい。

Scread Liao氏: ゲーミングモニターは2009年から真剣に開発がはじまった。それ以前は基本的に一般用途の液晶モニターの開発に集中し、技術水準の高いものを出してきたが、その開発が一段落した段階で、戦略転換を図って、ゲーミングモニターを出すことになった。当時、ゲーミングの分野では、マウス、キーボード、PC、ノートPCなどで、ゲーマーに対するユニークな製品が出てきていたが、ゲーミングモニターだけがなかった。そこでゲーマー向けのアクセサリーとしてあったほうがいいのではないかと考え、開発に取り組むことになった。

――現在のゲーミングモニター市場におけるBenQのシェアはどれぐらいか?

Liao氏: ゲーミング単体ではまだ数字を出していない。全世界のモニター市場でいうとシェアは4%。これはBenQ単独ではなく、富士通やNEC等に提供しているモニターも含んだ数字。順位としては、世界で8位ぐらい。ゲーミングモニターに関しては、具体的な数字がないのでわからないが、かなり上位にいることは確かだ。

――BenQのゲーミングモニター最大のウリは?

Scread Liao氏: まず120Hz駆動であること。それから専用のゲーミングモード、FPSモードの搭載やBlack eQualizerなど。特にFPSでは暗がりで見えづらいことは深刻な問題だが、我々はそれを技術的に克服したことで、世界で挑戦できるゲーミングモニターを開発する事ができた。

――プロゲーマーからの届けられたフィードバックにはどのようなものがあるのか?

Scread Liao氏:  XL2420Tをリリースした後で、LANパーティー向けに、ケーブルを標準で付けたり、他のモニターに出せるようにHDMIアウトが欲しいというフィードバックがあった。後は格闘ゲームファンから、格ゲー向けのモニターはないのかと聞かれた。格闘ゲームの場合、2人隣り合わせで対戦するので、24インチ以上のサイズやVA方式パネルのような広い視野角、音による反応も重要なので高性能のスピーカーも必要になる。これらの意見は今後の開発に役立てていきたい。

――XLシリーズやRLシリーズは、ゲーミングモニターなのにスピーカーがないが、理由は?

Scread Liao氏: 大会に出場するプロゲーマー達はほぼ100%ヘッドセットを使ってるので、そこまでニーズが高くなかったからだ。

――BenQが現在ゲーミングモニターに採用している液晶パネルはTN方式ばかりだが、今後、VAやIPS方式のゲーミングモニターを出すことはあるか?

Scread Liao氏: TN方式にこだわっているのは我々が応答速度とフレームレートを重視してるため。TN方式は、VAやIPSと比較して応答速度が速く、VAやIPSはまだ及ばないところがある。TNでは応答速度1msのモニターが実現しつつあるが、IPSでは早くても4〜6msというところ。BenQではAUOというパネル製造会社を持っているが、そこで製造しているMVA3と呼ばれるVAパネルで応答速度は4ぐらい。応答速度という側面から考えると将来的にもTN方式がベストだと思う。

――FPSモードは具体的にどういう調整を行なっているのか?

Scread Liao氏: プロゲーマー達は練習と試合を含めて、1日13〜14時間プレイしている。彼らが長時間プレイしても疲れないように調整し、細かいところまで綺麗に見えるようになる。FPSモードだと、10時間以上使っても疲れない設定になっている。必ずしも目に優しいというわけではないが、シャープな表示で隅々まで綺麗に表示される。

――Black eQualizerは具体的にどういったことを行っているのか?

Scread Liao氏: 画面が暗い場合、ブライトネスやコントラストを調整すれば明るくなるが、そうすると屋外のシーンなど、もともと明るい場所が明るくなりすぎてしまう。Black eQualizerを使えば、暗いシーン、明るいシーンに関わらず、常にバランス感のある調整を行なってくれる。シーンに応じてリアルタイムに調整しているわけではなく、常に固定的な調整となる。

――OSD(On Screen Display)機能を外部コントローラーにした理由とそのメリットは?

Scread Liao氏: プロゲーマー達は、OSDの設定を、画面とベゼルを操作して行なうのは嫌う。その都度、輝度、色温度、ガンマを変えるのは面倒だ。だから昼と夜みたいにゲームのシーンが変わったときや、明るいゲームや暗めのゲームなど、状況やゲームに応じてワンタッチで切り替えたい。S.Switchは1、2、3に登録しておいてワンタッチで切り替えることができる。120Hz駆動についてこだわっているモードだ

――ゲーミングモニターに高さ調節機能を付けた理由

Scread Liao氏: 我々はグローバルで展開している。液晶モニターは目線より少し下に置くのが良いとされるが、アジア系とヨーロッパ系は背丈が違う。背丈が違えば目線が違うので、背丈の違いによって簡単に高さを調整する機能は必須だと考えた。


■ 最新モデルXL2411の発売予定はなし。XL2420Tの後継モデルに期待

Liao氏は、ゲーミングモニターのカタログを見せながら、いかにゲーム向けに特化した機能を搭載しているかをアピールしてくれた
今後アジアで発売されていくXL2411T。残念ながら日本発売の予定はないという
現行のフラッグシップモデルとなるXL2420T。来年以降、この新モデルの発売が期待されるところ

――今回出展したXL2411Tは、日本を含むアジア地域ではいつ発売するのか? 

Scread Liao氏: ヨーロッパは9月に発売を開始している。次いでインドが11月、中国が12月から1月、台湾や日本は発売する予定はない。我々は成熟したマーケットに対してアピールできる技術やスキルを持っているが、日本はまだ市場規模が小さいので、すでにXLとRLを出しているので、細かく差別化を図っていくよりも、売上が伸びてきたところで他のモデルも出していきたいと考えている。

――XL2420Tは2011年のモデルで、1年以上新モデルがないことになるが?

Scread Liao氏: ゲーミングモニターの寿命は長いし、BenQは自社パネルだから独自の機能を搭載することができる。急いで新モデルを出す必要はないと考えている。

――今後期待されるXL2421Tはいつ頃登場し、どういうスペックになるか?

Scread Liao氏: まだ新モデルについてはお話しできない(笑)。もし発売されるとすれば、XL2420Tのアップグレード版になるだろうし、応答速度はGTGで1msは達成したいし、FPSモードやBlack eQualizerなどそのほかの機能もしっかり受け継いでいきたい。

――日本には三菱、ナナオ、iiyamaなど、強力なライバルがひしめく激戦区だと思うが、彼らに対するBenQの強みとは?

Scread Liao氏: 日本のメーカーも素晴らしいモニターを作っているが、BenQのゲーミングモニターのカタログを見手貰えればわかるように、ベンキューは戦略的にLANパーティーにフォーカスし、実際にゲーム大会に挑戦している選手の声を聞いて、モニターの設計に反映しているところが大きな違い。日本のメーカーは、まだそこまでゲーマーのニーズに応えたモデルは発売できていないのではないか。また、ゲーム大会など各種ゲームイベントの協賛などの取り組みによって、日本、グローバルを問わず、ベンキュー≒ゲーミングモニターというイメージが付いてきた。プロゲーマーにもしっかり支持されているので、この支持を世界規模で広げていきたい。

――ベンキューが考えるゲーミングモニターの未来とはどのようなものか?

Scread Liao氏: 非常に明るいと考えている。日本で見ると、ゲーミングモニターの購買層はだいたい4万人ぐらい。その周囲にはさらに予備軍として16万人ぐらい、合わせて20万人規模のユーザーがいると考えている。現在のキャパシティはまだ少ないが、今後徐々に広がってくるのではないかと考えている。直近でも、東京ゲームショウでもFPSの認知度が以前よりかなり上がっていることが数字として出ていた。今後広がってくるのではないかと考えている。

――日本ではPC向けではFPSよりむしろオンラインFPSが人気だが、オンラインゲームメーカーとの協業はないのか?

Scread Liao氏: もういくつも声は掛かっている。今後、ウチとしても考えなければいけないところ。オンラインFPSはライトユーザーも多いので、今後彼らに対しても、BenQのゲーミングモニターは優れているということをしっかりアピールしていきたい。

――BenQがリリースしているゲーミングモニターはPC向けばかりだが、コンソールゲーム向けのモニターは開発しないのか?

Scread Liao氏: まずはFPS、RTSの市場を盛り上げるのが先で、コンソールゲームはその次だと考えている。コンソールゲームのユーザーは、Xbox 360が19,800円、PS3が24,800円という価格帯なので、モニターもそれに見合ったものを求めてくるため、価格的なニーズはもっと練っていかなければならない。その点ではまだ1万、2万というモニターは出せていないので、コンソールへの対応はまだ時間が掛かるかもしれない。

――日本のゲームファンに向けてメッセージを

Scread Liao氏: 我々は今後もゲーミングモニターを作り続ける。XL2420Tで終わりではない。もちろん、PCゲーム向けで終わりではなく、コンソールゲーム向けのゲーミングモニターも設計していくので、ぜひ今後もBenQのモニターを期待して欲しい。将来的にはコンソール向けのゲーミングモニターも企画できればいいと考えている。


Copyright (C) 2012 BenQ Corporation. All rights reserved.

(2012年 11月 26日)

[Reported by 中村聖司]