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NVIDIAがアンチエイリアシング最新技術「TXAA」を紹介

「アサクリ3」や「CoD:BO2」に合わせたキャンペーンも発表


11月26日 発表



デベロッパー テクノロジーエンジニアの竹重雅也氏

 エヌビディア ジャパン(NVIDIA)は、「NVIDIAテクニカルセッション」と題したプレス向けの説明会を開催し、アンチエイリアシング(AA)の最新技術についての紹介を行なった。セッションでは、NVIDIA デベロッパー テクノロジーエンジニアの竹重雅也氏が、アンチエイリアシングの基礎から説明した。

 AAとは、デジタル映像で斜めの線や曲線に発生するギザギザ(エイリアシング)を軽減する技法のこと。モニターはドット単位での描画となるため、画素数が下がるほどギザギザは目立つ。ゲームでは、垂直または水平の直線以外で、物体の輪郭がギザギザして見えるジャギーや、そのギザギザした輪郭が動いた時に、ギザギザがチェーンソーのように動いて見えるクローリーといった現象がよく見られる。それらエイリアシングの現象を軽減させるものなので、“アンチ”エイリアシングと呼ばれている。

 PCで3Dゲームを遊んだことがある人ならば、ジャギーやクローリーが気になったことはあるはず。それを軽減させるアンチエイリアシングは歓迎されるべき技法なのだが、これには相応の処理能力が必要となるため、3D描画のパフォーマンスが犠牲になるというのがネックだった。しかしNVIDIAのKeplerを始めとした最新のGPUではパフォーマンスも向上し、現実的に運用可能になった。竹重氏はそれを踏まえて、「AAの品質向上も近年の課題になっている」と述べ、AAの手法をいくつか紹介した。


ピクセル単位で描画するデジタル映像は、その解像度によってどうしても斜めや曲線がギザギザになる
ジャギーやクローラーといった現象は、3Dゲーマーにはおなじみのもの。これを低減するのがAA



■ SSAA

 GPUによる3D描画においては、ピクセルの中心となる位置でピクセルの色を決める。そのためオブジェクトの境目(エッジ)では、色が明確に分かれてしまい、ギザギザした表現になってしまう。これをシンプルに解決するAAが、SSAA(Supersample Anti-Aliasing)というもの。

 これは1つのピクセルをさらに細かく分割し、その分割されたピクセルごとに3D描画を行なうもの。当然、そのままでは解像度が高すぎて表示できないので、分割したピクセルで決まった色を平均化して元のピクセルにする。これによってエッジは中間色となり、滑らかな表現にできる。分割するピクセルを細かくすればするほど精度が上がり、高画質になる。

 ただしこれは、実質的により高い解像度で3D映像を作り出しているだけなので、処理にかかる負荷は激増する。


出力する映像よりも細かいピクセルで処理して色を平均化する。AAの手法としてはわかりやすいが、かなりの力技だ



■ MSAA

 SSAAの弱点を補いつつジャギーの排除に特化したのが、MSAA(Multisample Anti-Aliasing)。こちらは3D描画処理のうち、シェーディングは基本的にピクセル中央での1回しか行なわないが、奥行きテストをサンプルごとに行なうというもの。

 3D描画においては、オブジェクトの背後にあるものは見えないので、描画する必要がない。それを調べるために奥行き(カメラからの距離)テストを行ない、1番手前にあるオブジェクトをチェックしているのだが、MSAAではその奥行きテストをピクセル内部の複数箇所で行なう。もしその奥行きテストで大きな違いが出るのなら、そこにエッジがあるのが検出できるというわけだ。そのテストポイントで色をチェックし、ブレンドして最終的な色を決める。

 SSAAよりもシェーディングの処理が少なくて済むのが利点。仕組み上、ポリゴンの輪郭のジャギーに高い効果が得られるのが強みだが、テクスチャーに発生するジャギーは奥行きテストでは検出できず対応できないという弱みもある。


奥行きテストを使って、エッジをうまく検出して処理する。比較的軽い処理で輪郭のジャギーを低減させるが、テクスチャーには適用されない



■ FXAA

 テクスチャーのジャギーを検出できないMSAAに対し、テクスチャーにも対応できるAA技法として、FXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)がある。これはSSAAやMSAAのようにピクセルを分割して処理するのではなく、周辺ピクセルとの輝度差を使って処理する、全く異なる技法となる。

 まず通常の3D描画で映像を作った後、各ピクセルで周辺ピクセルとの輝度差を計算する。そうすると輝度差が大きい場所でエッジがあることが予想されるので、その値からエッジの向きや長さを想定する。そしてそのエッジに合わせて、周辺にあるピクセルの色をブレンドしていく。

 完成した絵の輝度差から処理するため、MSAAでは見つけられないテクスチャーのジャギーに対しても効果が得られるのが特徴。


MSAAとは全く違うアプローチで行なわれるFXAA AAを加えていない映像では、奥の扉の輪郭やスコープ部分にジャギーが見える
MSAAをかけると、奥の扉のジャギーは消えているが、テクスチャーで描かれたスコープ部分はそのまま FXAAであれば、スコープ部分のジャギーも消せる



■ TXAA

 そして今回の主題となるのがTXAA(何の略称かは不明としている)。これはNVIDIAがKepler世代のGPUでアピールしているAA機能で、MSAAと同等の負荷で、より高画質を実現するものだという。2x TXAAは8x MSAAよりも高画質、と具体的な数字も挙げられている。

 TXAAは、MSAAの持ついくつかの問題を解消している。まずMSAAでは、ピクセル内での色の平均化は行なうものの、隣のピクセルがどんな色なのかということは全く考慮していないため、そこでエイリアシングが発生してしまうという問題がある。TXAAではピクセルの境界を越えて平均化処理を行なうことで、この問題に対応している。

 次にMSAAは、HDR(High Dynamic Range)レンダリングにうまく適応できないという問題を抱えている。HDRではないレンダリング(LDRレンダリング)においては、0から1の値の中で輝度を計算している。MSAAの平均化処理では、単純にリニアな平均値を取るのではなく、あるガンマ曲線に沿った値が使われており、人間の目には自然な色変化に見える値に調整されている。しかしHDRレンダリングでは1より大きな輝度が使われるため、このガンマ曲線が使えなくなり、リニアな値を使わざるを得なくなる。こうなると人の目には中間値が明るすぎて、うまく平均化されているように見えない。つまりAAの効果が弱まり、ジャギーを感じやすくなる。

 そこでTXAAでは、新たなフィルタを用意。HDRで値の大きな輝度が近づく時には、色を少しずつ混ぜるようなイメージの関数を用意して、人の目にも自然なグラデーションになるようにしている。

 このほかTXAAでは、前のフレームの結果も参照してさらに高画質化を図っている。


TXAAはMSAAの持っていた弱点を克服し、さらに時間軸の補正も加えて高画質化している
HDRの大きな輝度差があっても対応できる。こちらは動画で見ると、MSAAではクローリーがはっきりと見えるのだが、TXAAではほぼ除去されている

 実際にゲームでTXAAを使った場合どうなるのかという例として、11月22日に日本語版が発売された「Call of Duty: Black Ops II」の映像が紹介された。また11月23日発売の「アサシン クリード III」も対応していることがアナウンスされた。


鉄枠は光を反射して輝度が高いが、後ろのコンクリートは輝度が薄暗い。MSAAが働いているのはわかるがジャギーが取り切れていない。TXAAではジャギーがかなり軽減されている
MSAAでは背景のフォグと重なっているキャラクターにジャギーが目立つ。これはフォグの半透明オブジェクトの描画が重いため、その部分にMSAAではないバッファで描画されたものが使われていると思われる。TXAAではピクセル境界を越えた処理や前フレーム参照により、比較的うまくAAがかかっている
ネットの絵はテクスチャーで描かれており、MSAAでは処理できない。TXAAではこちらもピクセル境界と越えた処理や前フレーム参照で、ジャギーを軽減している



■ AAは好みで使い分けを

 今回紹介されたAA技法は、他にも数多くある中でも代表的なものとなる。竹重氏は、「AA技法はGPUの進化とともに進化してきた。例えばFXAAは非常に長いシェーダーコードが必要で、それを実行できるGPUパワーや、長いコードを受け取れるメモリやレジスタも必要になる。Keplerを代表とする最新のGPUであれば、それらに対応できる」と述べた。

 また竹重氏は、「TXAAをかけると絵がボケ過ぎる」というユーザーの評価に対してコメント。「MSAAはエッジが立っていてシャープで好き、という人もいる。それは正しいし、我々にはどうにもできない。また映画でエイリアシングは見たことがないが、映画がボケていると言われることはない。おそらく見ている画面の領域の違いがあるのでは。FPSをやっていればレティクル(照準)の周辺に注目しているので、そこがボケているかどうかと言われやすい。それはもう好みや主観なので、ユーザーの選択肢に委ねたい」とした。




■ ゲームやPCに絡めたキャンペーンも開始

キャンペーンマーケティングマネージャーの中嶋三恵子氏

 このほかキャンペーンマーケティングマネージャーの中嶋三恵子氏より、各種キャンペーンに関する情報が発表された。

 11月26日13時より実施される「やっぱりゲームはGeForce GTX 2012キャンペーン」では、TSUKUMO、パソコン工房、TWO TOP、Faith、ドスパラ、G-Tune(マウスコンピューター)、@Sycomの各店で、「Geared for Gaming PC」の認定を受けたGeForce搭載PCを購入した人に、NVIDIAロゴ入りの特製バックパックがプレゼントされる。プレゼントは先着順。詳細はキャンペーン特設サイトで発表される。

 またゲーム個別タイトルに関するキャンペーンも行なわれる。「アサシン クリード III」では、ASUS、GIGABYTE、ZOTACの各社より、ゲームのロゴが入ったオリジナルパッケージのGeForce製品が発売される。また「アサシン クリード III」および「Call of Duty: Black Ops II」の推奨スペックPCが、「やっぱりゲームはGeForce GTX 2012キャンペーン」対象の7チェーンにて11月26日より発売される。


「Geared for Gaming PC」の購入者に先着順でバックパックをプレゼント 「アサシン クリード III」ロゴ入りビデオカードや推奨PCを展開 「Call of Duty: Black Ops II」でも推奨PCが登場

(2012年 11月 26日)

[Reported by 石田賀津男]