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★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
ヨーロピアンクラブス 2004-2005

連載【SIDE-A:第7回(最終回)】

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席+メインモニター、ALLNet対応
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 ヨーロッパ4大リーグのトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



 WCCF EC攻略記事SIDE-Aの最終回は、レギュラーカードのミッドフィルダー(MF)インプレッションを中心にお届けしよう。ここでは便宜上MFのタイプを「万能型」、「攻撃的MF(パサー、サイドアタッカー含む)」、「守備的MF」に大別してそれぞれ筆者的にピンときた選手をご紹介する。もし気になる選手がいたら、実際に起用して自分にフィットするかどうか試してみてはいかがだろうか。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ 万能型 ~汎用性の高さがポイント~

チアゴ
 ここで紹介する“万能型”とは、攻撃と守備ともに一定水準以上でこなせる選手たちのことを指す。それぞれの分野に特化した選手には及ばないが、臨機応変に対応したい監督にとって汎用性の高さは何者にもかえがたい魅力。スタメンはもちろん、控えであっても、突然の怪我などでチームに穴があいたとき彼らの存在は非常に貴重なものとなる。

 万能型だけに監督たるプレーヤーの起用スタイルはさまざまだろうが、非常にバランスが取れているという点で筆者の個人的なイチオシ選手が、ポルトガル代表メンバーのチアゴ(チェルシー)。昨年夏、ベンフィカから移籍金1,200万ユーロでチェルシーに移籍。プレミアシップ(出場数:34/38試合)、チャンピオンズリーグ(同:11/12試合)とほぼフル出場に近い実績を残したものの、同ポジションにガーナ代表のエシアン(元リヨン)が移籍してきたことから、入れ替わるようにリヨンへと活躍の場を移した。リヨンとの契約年数は4年で、支払われた移籍金は1,000万ユーロ。これだけでもチアゴに対する両チームの高い評価がうかがえる。

 パスセンスはレギュラーカードMFでも屈指のレベル。高い位置で起用すれば、スペースや足元を狙った鋭いラストパスはもちろん、2列目からの飛び出しも期待できる。決定力が高く、PKを蹴らせても滅多なことでは失敗しない技術も魅力。守備面では、豊富な運動量でチームに貢献してくれる。パワーは決して高いほうではないが、素早い寄せで相手に自由を与えない。このことから、チアゴには一定以上のスペースを与えておいたほうが活躍してくれるはずだ。

 リバプールのシャビ・アロンソは(あくまでも『WCCF EC』において)、チアゴと似たタイプながら全体に攻撃寄りといった印象。特にシュート力は相当なもので、その力強いキックはミドルやロングパスでも遺憾なく発揮される。パワー値が15とフィジカル面が安定しているのも特徴で、ボール奪取時はもちろん、高い位置でもくさび役などの起点として頼れる存在。唯一の懸念事項はスタミナで、決して動き回るタイプではないが、大抵の場合は後半15分頃にレッドゾーンへと突入。高値安定のパフォーマンスと微妙なスタミナ。このあたり、監督としては非常に悩ましいところだ。

 スタミナで損をしているといえば、オリベイラ(ユベントス)もそのうちのひとり。派手さは皆無だが適確なポジショニングと寄せで攻撃の芽を摘み取る守備はもちろん、攻撃面でも流れるようなドリブルで敵陣を切り裂いてくれる。シュート力はMFにしては高水準だが、内側に斬り込ませるよりはクロスを上げさせたほうが得策のように感じられる。ピッチ中央よりもタッチライン沿いのほうが真価を発揮してくれるだろう。問題は13というスタミナ値で、起用するポジションにもよるが、まず間違いなく交代は必至。筆者個人としては前半から活躍させたい選手だが、汎用性をふまえスーパーサブとして起用するのが無難だろう。

 デポルティボのS・ゴンザレスは、良くいえば地味ながらコツコツと仕事をするタイプ。悪くいえば目立たない“器用貧乏”で、カードに記載されているパワー値(13)ほどフィジカル面で強さを感じさせないのがネック。混戦に強いほうではないので、可能ならカバー役としてダイナモタイプのMFをパートナーにしてあげたいところ。語弊を恐れずにいえば“チアゴの尖った部分を丸くしたような感じ”で、守備ならなるべく低い位置、攻撃に参加させるなら極端にプレッシャーを受けないポジションを与えたい。

 旧シリーズから引続きカード化されているブラージ、ダクール、デ・ロッシ、アッピア、ペロッタは、相変わらず高いパフォーマンスを発揮してくれる。アッピア、ペロッタは能力値こそ若干落ちているが、起用した実感としては一切遜色ないレベル。残りの3人は、強烈なシュート力でブラージ、パスも含めた攻撃センスでダクール、突破から潰し役など強引さでデ・ロッシといった印象。実感含め、旧バージョンからの“伸びしろ”という意味では、ブラージとデ・ロッシが頭ひとつ抜けている感じだ。

シャビ・アロンソ
オリベイラ
ブラージ
デ・ロッシ



■ 攻撃的MF ~決定力、突破力、パスセンス~

J・コール
 ここではラストパスの供給元だが自身も高い決定力を有するトップ下や2列目、強引な突破からクロスでチャンスを作るサイドアタッカー、どの位置からでも決定的なパスを供給するパサーの3タイプに大別してご紹介したい。

 トップ下および2列目向きの人材では、J・コール(チェルシー)、エドゥ(アーセナル)、ピーナール(アヤックス)、フィオーレ(バレンシア)、ファブレガス(アーセナル)などが挙げられる。

 このうち、筆者のイチオシはJ・コール。チーム経験値が浅いうちは少し寄せられただけでカンタンにフラフラしてしまうが、MAXになるとボールキープ力が俄然アップ。極上のパスセンスとポジショニング、さらには果敢な飛び出しを見せるようになるなど、その存在感は飛躍的に向上していく。スタミナ値も12にしては相当頑張るほうで、ハーフ+10分程度ならパフォーマンスが維持できるのもいい。ピーナールも似たタイプだが、フィジカル的な伸びしろでJ・コールにやや劣る印象が強い。ただし、攻撃意識の高さは相当なもので、パスよりも2列目からの飛び出しを重視したいならこちらのほうがおすすめ。

 飛び出し重視という点では、ファブレガスも人後に落ちない。チーム経験値が浅いときはパフォーマンスが安定せず競り合いで脆さを見せることから、必然的にセンター高めのポジションが適当といった雰囲気。中盤底やサイドで守備をやらせるなら、チーム経験値がMAXになるまで待ったほうがいい。ただし、寄せは早いが当たりそのものは決して強くない。また、多くの場合ボールを持ちたがる傾向が強く、これを嫌う人にはちょっと不向きな選手かもしれない。

 フィオーレはチーム経験値が浅いときから安定したパフォーマンスを発揮する優等生タイプ。強烈なキック力は貴重な得点源で、セットプレイを重視する人には欠かせない存在になるはず。攻撃的なポジションなら中央からサイドまでこなせる器用さもポイントになるはずだ。


エドゥ
ピーナール
ファブレガス


マンシーニ
 サイドアタッカーは、プレミアやリーガ勢が追加された影響で人材が豊富。旧シリーズに存在しない新顔では、ファン・デル・メイデ(インテル)、ドラソー(ミラン)、マンシーニ(ローマ)、V・サンチェス(デポルティボ)、マクスウェル(アヤックス)、ブッフェル(フェイエノールト)、マグロン(フェイエノールト)あたりが目に付く。

 このうち、起用したなかでも図抜けた存在感を放っていたのがマンシーニで、その決定力は並のFWが裸足で逃げ出すほどハイレベル。攻撃意識の高さから、やや内側に切り込みたがる傾向はあるが、FWのポジショニングさえしっかりしていれば、それを無視して俺イズムを優先させるといったことは(それほど)ない。このあたりはFWとの相性もあるので、極上のクロスを活かすためにも人選は入念にしておきたい。

 V・サンチェスもマンシーニに匹敵する高い能力の持主で、決定力では若干及ばないものの、右サイドからのアーリークロスやオープンスペースを突いたパスワークは絶品。パワー値が14とフィジカルコンタクトにもそこそこ強く、周囲を活かすなら右サイドはマンシーニよりもV・サンチェスを推しておきたい。

 ファン・デル・メイデは、縦の突破スピードと精度の高いクロスが特徴。ドリブルが最大の武器だが、競り合いに強くないためポジショニングは高めのほうがいい。サイドチェンジを駆使するなど、なるべくプレッシャーを低減するようお膳立てをしてあげると、そのスピードがさらに活かされるはず。相手のラインが高ければ、スピードを活かしたドリブルで相手DFの裏を突きゴールマウスめがけて一気に反転させるのもいい。

 ドラソーはシュート力こそ平均的なMFをやや上回る程度だが、巧みなドリブルでサイドをするすると上がっていく。フィジカルで跳ね返すよりも切り返しを狙わせたほうがDFのチェックをかわしやすいため、サイドアタックを敢行するときは、タッチラインにベタ貼りするのではなく、やや内よりに配置してDFが寄せてきたところを外に切り返してそのまま走らせたほうがベターだ。

 フィジカルの弱さでは、マクスウェルにも同じことがいえる。SBでも起用される選手だが、競り合いに弱いため相手に跳ね返されるケースが目立つ。ただし、チェックそれ自体はとても早く、ドリブルスピードやオープンスペースへの飛び出しも迅速。こまごまとした動きが実に印象的で、起用して楽しい選手ではある。ただ、低い位置でポカをやると洒落にならないので、筆者個人としては高い位置で攻撃やパスワークに専念させてあげたい。

 ブッフェルは、サイドアタッカーというよりもFW的な動き方をする選手。ボールを受けるのが上手く、パサーの質が一定水準以上ならボールの勢いを殺すことなくペナルティエリアめがけてドリブルを敢行する。シュート力は平均的なFWと比較しても遜色ないレベルだが、スタミナが微妙なためパフォーマンスのピークを維持しづらい点が惜しまれる。執拗なアタックでスタミナを損耗しがちなため、フルタイムでの起用はかなり難しい。

 平均的なサイドアタッカーと異なる資質を持つという点では、マグロンが非常に面白い選手。スタミナが13しかないため起用している人は全滅に近いと思われるが、やや遠めから放たれるピンポイントのアーリークロスは強力な攻撃オプションになりえる。クロス自体の精度が高いことから、突破から致命的な一撃を見舞うなら高めに、積極的にアーリークロスを狙っていくなら低めに配置するといい。スタミナが低いためハーフ限定の起用になりがちだが、要所でアーリークロスを狙わせるという起用法ならフォーメーション次第でフルタイム戦えなくはない。

V・サンチェス
ドラソー
ブッフェル
マグロン


 小野(フェイエノールト)、イニエスタ(バルセロナ)、ダゴスティーノ(ローマ)の3人は、パスセンスに長けた人材。それぞれボールのタッチが弱いためロングパスは到達点でチェックされがちだが、ショートやミドルパスの精度はため息が出るほど素晴らしい。

 フィジカル的な弱さも共通しているが、パスの出しどころさえ視野に入っていればボールを持ちたがるといったことは皆無。裏を返せば、ビルドアップ直前に彼らが簡単に潰されるのはターゲットになりえる味方がすべてマークされており、その周辺にスペースさえもないということ。活躍させられないと悩んでいる人は、こうした選手たちに見切りをつける前に、まずはフォーメーションから再チェックしてみるといい。

 3人とも素晴らしい仕事を見せてくれるが、とりわけ面白いのがイニエスタ。浮き玉のショートパスが得意で、ピンポイントゆえにカットされにくく、さらにはオフサイドになることも滅多にないという超絶技巧の持主。バイタルエリア近辺のパスワークでは、確実に5本の指に入る逸材かと思われる。

 小野選手は決定力が高く、そのシュート精度はパサーよりもシャドウストライカーとして起用したほうがいいのではないかと思えるほど。また、中盤の底で起用すれば12というパワー値からは想像もできない堅実な守備力を発揮してくれる。欠点は好調時にCKを蹴りたがることで、ふんわりとした弾道ゆえにGKにキャッチされやすい。

小野
イニエスタ
ダゴスティーノ



■ 守備的MF ~対人能力と運動量が鍵~

ボスハールト
 レギュラーカードの守備的MFは、マッチアップ能力に優れたストッパーと運動量に長けたダイナモの2系統に大別できる。たとえば、ガリ(フェイエノールト)、ボスハールト(フェイエノールト)、シッソコ(バレンシア)、ウォーノック(リバプール)、ビシュカン(リバプール)、ルシウス(PSV)は前者、カンビアッソ(インテル)、ジェレミ(チェルシー)、ジェンバジェンバ(マンチェスター・U)、オボダイ(アヤックス)は後者ということになる。

 マッチアップ能力はパワー値が重視されがちだが、ポジショニングなども含めた安定感の高さではガリ、シッソコ、ウォーノックよりもボスハールトのほうが若干上といった印象。ガリ、ウォーノックはスピードスターが得意とする素早い切り返しへの対応がイマイチで、ここ一番でかわされる怖さを常に内包している。手が届く範囲でキッチリ捉えることができれば非常に頼もしいのだが……。

 シッソコは、スピード対応こそ及第点だがそこそこ動き回るためスタミナ面で不安を抱える。ルシウスもスピード値が11とは思えない驚異的な寄せと執拗なチェイシングでいたずらにスタミナを損耗してしまうケースが目立つ。ビシュカンはマッチアップ能力、運動量ともに能力値から想像できない力を発揮する選手だが、やはりスタミナ面が問題になる。

 いずれも運動量の豊富なパートナーや背後を守るDFとセットで考えることで十二分にフォローできるが、トータルバランスで考えるとボスハールトの堅実さは実に貴重。能力面で突出していない部分で怪物クラスの敵FWを押さえきれないこともあるが、それを差し引いても十二分に計算できる選手として是非とも一度はチェックしていただきたい。

 豊富な運動量で敵を追い込むダイナモタイプは、オプションとして攻撃サポートを視野に入れるかどうかがポイント。ジェレミはチェルシー以前に在籍していたミドルスブラで9得点をあげたほど攻撃センスに長けた選手だが、「WCCF EC」ではシュート精度に微妙な不安を感じさせる。オープンスペースへの飛び出しと逆サイドまで余裕で届くキック力は素晴らしいのだが、どちらかといえば高い位置でも有効なプレッシング能力を活かしてあげたほうがいいように思われる。

 カンビアッソ、オボダイ、ジェンバジェンバの3人は、本当に甲乙つけがたいといった印象。強いて違いをあげるなら、パス精度でカンビアッソ、守備面における安定度でオボダイ、ド派手な運動量でジェンバジェンバといったところだ。

シッソコ
ビシュカン
ジェレミ
オボダイ



■ プチネタ ~連携に縛られないチーム作り~

 これはカップ戦の合間に映し出される店舗間対戦のダイジェストにもいえることだが、アミューズメント施設でプレイしていると、対戦相手のチーム構成にデジャヴを感じることが珍しくない。そんなとき、各選手の組み合わせをチェックしていくと、そこにはたいてい「黄金連携」という文字が見え隠れする。

 「WCCF」シリーズは、かつて同じチームでプレイしていたり、個人的に仲がいい、悪いなどなど、スキャンダルなどで表面化した選手同士の相性が個別に盛り込まれており、それぞれ全選手に対して“友好度”みたいなものが設定されている。「WCCF 2002-2003」から、それまで隠しパラメータだった「連携」が線というビジュアルで確認できるようになったため、相性がいい選手の組み合わせを調べて、それをメインにチームを編成するというのがマニアのあいだで一種のセオリーとして定着しているのだ。ちなみに連携は、熟成度合いに応じて、無線、薄白線、太白線、黄金線で表現される。

 このことから、「WCCF EC」で初めて本シリーズをプレイした人からも「やっぱ黄金連携じゃないと勝てないんですよね?」などという声がきかれるようになってしまった。筆者的には「いやー、そんなことないですよ。やはり、好きとか興味がある選手でチームを作るのが一番いいんじゃないですか」と言いたいのだが、それでも連携が目に見えるカタチとなってしまった以上、諸条件を少しでも有利にしておきたいという考えを払拭するのは難しい。

 こうした心理から、無意識のうちにチーム作りが“連携”に縛られている人は、決して少なくないだろう。そこで、「WCCF EC」連載の最後は「無連携チームによる検証」でシメてみたいと思ったわけだ。

黄金連携が勝敗の決定的要素ではない ~無連携チームでプレイしてみる~

 黄金連携については旧シリーズの連載でも軽く触れたが、最大のメリットは「パスのスピードと精度が向上する」といったところ。このほかにもダイレクトパスが増える傾向が感じられるが、本分としては前述の要素が大半を占めているのではないかと思われる。

 「早くて正確なパスのどこに悪い要素があるの?」と問われれば「ない」と答えるほかない。だが、黄金連携によるパスは「早くて正確」だが「必ず通る」わけではなく、その逆もまたしかり。「無連携のパスは通りません。全部カットされます」なんてことがないのは、実際にプレイすれば即、わかろうというものだ。

 ここから先は、サンプルチームでプレイした内容を中心に解説していきたい。「WCCF EC」は各リーグの上位チームが登場しているため、チームのメンバーは能力面のバランスを考慮して旧シリーズからピックアップした。

  • FW … ブィエラノビッチ、ポッジ、コマンディーニ、スクッリ、ペリッシェ
  • MF … コルッチ、ピサーロ、E・フィリッピーニ、リマ、ザネッティ
  • DF … レザイー、トリチェッリ、T・マンフレディーニ、クーピ、ボネーラ
  • GK … アビアーティ
 無作為ではなく“作為的”にメンバーを選出しているため、フレンドリーマッチを多少こなしても連携線はまったく見えてこない。なるべく全体に影響しないよう、試しにアビアーティとレザイーのみ執拗にコミュニケーション画面で呼び出してみると、約40~50回ほどでやっと薄線が出現した。ちなみに、薄線が出現したからといってGKからのフィードがレザイーに集中することはなかった。

どれだけフレンドリーマッチを重ねても、一向に連携線が見える気配がない。ベンチやロッカールームの雰囲気は、さぞや冷え切っていることだろう。執拗に呼び出したアビアーティとレザイーはかろうじて薄線が表示されたが、それでも任期終了まで薄線止まり。そういや呼び出しに失敗したことも多かったなぁ(遠い目) 全員険悪のつもりが旧ザネッティのみ一部選手との連携がスクスク成長。これは「リンクマン」というスキルが影響しているのかも


チーム戦力グラフの拡大でパスを含めたパフォーマンス全体が向上

 経験が浅い序盤は、選手の動きが何かとぎこちないが、これは連携云々とは別の話。確実な影響が見受けられるのは、むしろ一定レベルまで成長してからだろう。完全に頭打ちすることが前提でメンバーを選出しているので、連携面における伸びしろはまったく期待できない。唯一の成長要素は、選手個人のチーム経験値とチーム戦力グラフの2点のみ。

 特に調べ物をするとき以外は「好き」あるいは「興味がある」選手だけでチームを組んでいる筆者だからなのだろうか。ぶっちゃけてしまうと、普段プレイしているチームと「無連携チーム」で、あまり差が感じられない。一部選手で「ロングパスが通りにくいかなぁ」と感じる程度で、その後もチームの地力に見合った結果を積み重ねていく展開が続く。

 30試合を超えたあたりから顕著に感じられるようになったのは“パスのスピードにムラがない”ということ。無作為にチームを編成すると、選手間の相性で連携の熟成度合いにばらつきが生じるが、「無連携チーム」はそうしたばらつき=波がないぶん“格差が小さい=パス品質の均一化”ということになるのだろう。個人的には、チーム全体で攻撃ラインを押し上げていくとき、展開の速さにバラつきが少ないというのは“非・黄金連携の裏返し的なメリット”のように感じられた。

 戦術ボタンの指示にもよるが、連携が悪い選手のパスは近くにいる味方が優先される傾向が強い。よって、基本的な選手配置、戦術ボタンの前方と左右、カウンターの使いわけで、ボールの出しどころやパスルートが明確になるというのもポイントになってくる。ここで「でも無連携だから、すぐにカットされてしまうのでは?」と思われるかもしれないが、序盤こそ「こりゃマズイわ」と思わされるシーンに何度か出くわしたものの、チーム経験値やチーム戦力グラフが拡大するにつれてプレゼントパスなどの自殺ケースはほとんど見られなくなる。繰り返しになるが、経験値やグラフが一定レベルまで育ってしまえば、これといった違和感はあまり感じられなくなる。

 ただ、明らかに異なるのは「ダイレクトパスがレッドブック並に激減した」こと。とはいえ、それさえも手順を重視する監督ならデメリットを逆手に取ることができるはずだ。

無連携チームの戦い方を模索してみる

 選手個人の基本的な動きに問題はないが、無連携ゆえに“ロングフィードやサイドチェンジに頼らない”攻撃パターンを組み立てていく必要がある。ここでは、確実性が高いショートパスによる組み立てを重視したフォーメーション例を提示してみたい。ミドル~ロングパスに不安を抱えるため、選手同士の距離を一定に保ちつつ地味にボールを前線に運んでいくわけだ。

 ここで紹介する4-3-3では、ボールを回すときはMFは縦の関係、3トップは対角線と横の関係を強く意識するのがコツ。選手個人の資質にもよるが、サイドハーフは中央より少し高め、3トップの両端は少し下がり気味に配置するといい。最終ラインや中盤でボールを奪取したら、戦術ボタンの中央または左右、あるいは同時押しでプレッシャーが少ない味方にボールをつなげていく。カウンターボタンはリスクが高いので、ラストパス以外ではなるべく使わないほうがいいだろう。

 選手同士が一定の距離を保つ“支配重視型”だけに要所で潰し合いに陥りがちだが、一定間隔を保っていることから味方の素早いフォローが期待できるのがもうひとつの利点。ショートパスを軸にお互いをフォローさせることで、局地的な勝利を積み重ねつつ攻撃ラインを押し上げていくのだ。

 押し上げるときは、前方のオープンスペースを意識して戦術ボタンによる指示を出す。相手がピッチ中央を固めているようなら、3トップの両端どちらかにボールを渡すと同時にタッチライン側へ走らせてクロスを狙う。クロスの精度は選手能力に依存する部分が大きいが、後述するようにチーム経験値、チーム戦力グラフが一定レベルまで育っていればそれなりに信用できる。また、怪我の功名といっては変だが、連携の悪さからクロスがアーリー気味にゆるく入って案外具合がいいなんてケースも多々ある。

味方のポジションと展開するスペースを意識して、やや先読み気味に戦術ボタンで指示を出すといい。選手間の距離とテンポさえ維持できればパススピードが平均以下でもなんとかなる


パス、クロス、CKが得意な選手は、そもそも連携の影響を受けにくい?

 無連携チームをプレイして“違和感”ではないが、それとは異なる部分で“気づいた点”を最後に記しておきたい。それは、見出しにあるとおり「パス、クロス、CKが得意な選手は連携の影響を受けにくいのではないか」という点だ。

 たとえば、特定のCPUチームを相手にする際、フォーメーションとメンバーを可能な限り固定して再現したとしよう。このとき、カウンターなどのロングパスを狙ったとする。検証に費やせた時間が少ないため、あくまでも体感レベルでの話だが「フィードする側のパス能力が低い」と推察されるとき、パスの成功率は連携の熟成度合いの影響を受けているように感じられる。パスが不得意な選手でも、連携が一定レベルまで底上げされていれば、相応に成功率が上がっているように感じられるのだ。これはパスだけでなくクロス、CKでも同様で、下手な選手が無連携のまま繰り出したボールは、笑えるほど通らないし、味方に合わない。

 それとは逆に、無連携にも関わらず平均的な連携状態と遜色のないパスを通し、味方にドンピシャのクロスやCKをあげまくる選手たちがいる。これまた、前述の条件と同様、フォーメーションを固定して受け手と出し手の組み合わせだけを変えていくと、その影響を実感しやすい。本来であれば黄金連携を数パターン作って検証すべきなのだろうが、無連携と平均的な連携の熟成度合いでも体感レベルでの違いが生じていることから、筆者個人としては現時点で「パス、クロス、CKは出し手の能力に依存する部分が大きいのではないか」と考えているわけだ。

 パス、クロス、CKが苦手な選手と攻撃ポジションにいる選手の関係を“黄金連携”で底上げするなら、その効果は実感しやすい。だが、パス、クロス、CKが得意な選手の個人スキルが“黄金連携”でどれだけアップしているのかといえば、それは苦手なケースに比べると曖昧でわかりづらい部分がある。それでも「得意な人と黄金連携の組み合わせなら絶対に得点できる!!」と信じ込んでいる人がいそうなのが恐ろしいが、ブラインドデータの塊というのがWCCFシリーズのポイントであり、ゆえに根拠も人それぞれだから面白いといえる。

 筆者とて、口がさけても「これが正解!」などというつもりはない。鵜呑みをせず、あくまでも参考程度にとどめて自身の体験や思考から結論や結果を導き出す。そこから、プレーヤー各自の信条に基づいた“自分なりのプレイスタイル”を発見していただければ幸いだ。


(C)SEGA,2002,2005
(C)Panini 2005

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【10月14日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-B:第6回
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【7月15日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-A:第2回
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【7月8日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-B:第1回
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【7月1日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-A:第1回
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【6月29日】セガ、「WCCF」最新作「European Clubs 2004-2005」本日稼動開始!
http://watch.impress.co.jp/docs/20050629/wccf.htm

(2005年10月21日)

[Reported by 北村孝和]



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