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★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
ヨーロピアンクラブス 2004-2005

連載【SIDE-B:第2回】

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席+メインモニター、ALLNet対応
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 ヨーロッパ4大リーグのトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



 今回は“ディフェンスのシステム面”についてとりあげていこう。ただしここでは、対人戦と対CPU戦に限って考えていく。CPU同士の店舗対戦になれば、また別の結論があると思われるので、それは次回以降に研究していきたいと思う。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ 理論的な見地から守備隊形を考える

 バージョン変更にともない、サッカーとしての質が変わった現バージョン。当然のように、有利な攻撃方法、それに対処する守備方法は変わってくる。これまでのWCCFの歴史をひも解くと、4バック、やや低めのフラットラインが主流を占めていた。筆者は初年度からプレイしているが、3バックを採用したのは2002~2003の最初のバージョンのみ。3バックのベガルタシンキチ氏が全国大会を制覇したときだけだ。

 しかし現バージョンは、単なるフラットな4バックが必ずしも有利な守備隊形とは限らない。フラットな4バックそれ自体は悪い戦法ではないが、弱点も存在する。理論的に考えれば、また別の守りかたも考えられるのだ。それではどんな理論に基づき、守備体系を考えていくのか。それをこれから説明していこう。


■ 失点する状況 ~どこかでDFが、1対1で負けている

 現バージョンでは、ほとんどの突破において、正面からMF、DFをぶつければ止めることができる。にも関わらず、往々にして突破を許し、得点が生まれるのはなぜだろうか。セットプレイや長いアーリークロスを別にすれば、たいてい“DFが1対1で突破されている状況”がどこかに存在する。サイド突破、中央突破に限らず、DFがチェックしに行っているにも関わらずはね飛ばされたり、ボールを奪えない場合があるのだ。

 その瞬間をよく見てみると、多くの場合DFが身体を横から寄せていって取ろうとしていることに気づく。正面から取りに行けばたいていの場合ボールを奪えるのだが、横から寄せていったときに失敗しやすい。これが大きなポイントだ。


■ スピードで半身抜け出し、パワーではね飛ばす

 DFを抜くには、まず一歩抜け出し、瞬間的に横から競り合う状況を作りだすことだ。そのためにはスピード値が必要になってくる。スピードが群を抜いて速く、トラップが最高ならそれだけで抜け出してシュートまで持っていくこともある。

 しかし、たいていの場合は間に合わず、DFが横から競りかけてくる。この時点では、DFは正対しているよりも不利になる。だがそれでもDFの能力は高いので、まだ突破は確定しない。ここで重要になってくるのがパワー値だ。一見意味がないように思える現バージョンのパワー値。しかし、横から競ったときにはパワー値の違いが如実に現れる(または執念・勝負強さなどのスキルが関係する)。パワーがあれば、横から競りかけるDFをはね飛ばし、突破できる可能性が高くなるのである。

 もちろんマルセイユルーレットや、切り返しによる突破も存在する。しかし、ゲーム内における突破の大半は、よくよく見ると前述のような状況が大半を占めているのだ。気付かなかった人は、この機会に改めて確認していただきたい。

フラット4バックは基本的な戦法といえる。しかしこれがベストの守備陣形なのか、もう一度考え直してみよう 横から競ったときは、パワー値が大きなポイントになる。意外にも競り合いの強さが勝負を決める場面は多い



■ 中央突破を許す状況

 ここからは、具体的な状況について考えてみよう。中央突破を許す場合は、たいていの場合最終ラインの前でパスをつながれてキープされているはず。すると最終ラインのDFが1人、チェックにやってくる。その瞬間にラインは崩れ、ギャップができるのだ。ここでラインの崩れたスペースにパスを通されたり、ドリブルで持ち込まれると、DFが横からチェックに行かざるを得ない。そこからはね飛ばされ、振りきられてゴール前に単独で走りこまれる。

 これを考えると、中央を横一列のラインだけで守るのは少し危険だということがわかっていただけたと思う。


■ サイド突破を許す状況

 サイド突破を防ぐには、ウイングにパスを渡す前にカットする方法もある。しかしここでは、ウイングにパスが渡ってしまったものとして考えよう。この場合、前述した抜け出すスピード、振りきるパワーの理論がそのまま当てはまる。DFとの距離が開いており、スピード差がある場合はそのまま突破されやすい。また、スピードのあるDFで追いついても、パワー差があれば逆にはね飛ばされてしまうこともある。

 このようにウイングとDFとのマッチアップは、スピードだけでなくパワー、切り返しの上手さなどもポイントだ。パワーのあるダヴィッツをウイングに起用する戦法などは、そのパワーに期待する戦術の典型例といえる。足の速いサイドバックといえども、寄せきれない場合はパワー勝負になってしまうのだ。

 ではどのようにすればサイド突破を止められるか。理論に照らし合わせれば答えは簡単だ。単純に正面からマッチアップさせればいい。正面から当たれば、たとえパワー18のBEダヴィッツでも白DFでしっかり止めることができる。

 サイドでも中央でも、DFを横に走らせる状況を作らせないことが、もっとも重要なポイントなのだ。中央に寄せた4バックが怖いのは、相手ウイングがサイドぎりぎりを走っているときに、どうしても横から寄せる状況になってしまうということ。フラット4バックを採用するにしても、相手の陣形をしっかり把握して工夫しておきたい。

中央でパスをつないで攻めていると、ディフェンスラインが崩れる瞬間がある。そこにFWが走り込めば、抜け出せる確率が高い。ラインが全体的に上がっていればさらにチャンスが増える サイドの攻防は現バージョンの大きなポイント。横からウインガーにプレッシャーをかけても、取れる場合と抜かれる場合がある。抜かれたら失点の確率は非常に高い



■ DFを正対させるために ~低いディフェンスラインの薦め

 DFを正対させれば、相手の突破を高確率で止めることができる。ではどうすれば正対させられるのか。基本的にDFを低い位置からFWに向けて前に動かせば、正面からマッチアップさせられる。単純な話、DFを低く置けば置くほど守りが固くなるのだ。(もちろんこの場合、ミドルシュートには注意しなければいけないし、プレスの押すタイミングは重要となる)。

 それでは中央とサイドの場合に分け、具体的な守備の方法を説明していこう。

中央を守るには ~スイーパーシステムが鉄壁の守り

 中央には、ゴールキーパーの直前のできるかぎり低い位置にDFを1枚置き、その上にもう1枚カードを縦に並べてみよう。縦に2枚そろえておくと、ギャップを作られて中央に入り込まれる可能性が少なくなる。1人目のDFがかわされても、低い位置からもうひとりのDFが正対できるので、ドリブル突破でかわされる確率が低くなるのである。

 このときのセンターDFのセレクトは、パワー重視にすること。たとえスピード値が20でも、中央からDFに触れずにぶち抜かれる可能性は低い(スイーパー採用ならなおさらである)。そうなると、横から触れたときのパワー値のほうが重要になる。リアルにおいてスイーパーは足の速さが重要だが、ここではスピード値が12でいいから、パワーは18以上の選手を選びたい。スイーパーの前に置く選手も同様だ。イタリアの有名DFはもちろんのこと、白選手ではアレックス(パワー値19)などが活躍するだろう。

 しかし縦に2枚置くと、サイドの守備やスペースへのスルーパスが不安に思えるかもしれない。そこで重要になってくるのが、マンマークの概念である。

サイドは低い位置からマンマークさせる ~3TOPにも4人で対応

 サイドのFWに正対したDFをおこなうためには、相手のFWのカードと同じ横座表の、やや下にDFを配置するといい。その位置は相当に低く、置ける限界の低さから、カードの縦半分くらい上の位置が適している。これはよく見られる通常のフラット4より、カード半分は低い位置だ。攻撃性の高い選手を置くと、かなり低く置いても前に突出してしまう。そんな場合は極力低く置くことを考えよう。攻撃参加を控えさせるため、攻撃時と防御時で、配置位置を左右に動かしてもいい。

 このとき、3TOPがサイドラインぎりぎりに開いてきた場合でも、問答無用で同じ横座表に配置する。中央がスイーパーの場合、サイドバックとの間に広大なスペースが空いてしまうが、そこに相手選手がいないかぎりそのスペースを突かれることはまずない。安心してマンマークで守ること。もちろん、相手が3TOP、2TOPを中央に集めてきたときは、サイドバックも中に絞ろう。このときはフラット3+1ボランチに近い形になる。

 サイドバックの選手セレクトについては、DF値はもちろん、スピード値、パワー値が重要になってくる。配置場所さえしっかりすれば、スピード値は15あればおつりが来る。ポイントはパワー値で、これは16以上はほしいところ。たとえばスピード値が17のコロ・トゥーレは素晴らしい選手だが、やはり抜かれるときはパワー差があるために寄せきれない場合が多い(トゥーレのパワー値は15)。その点ではシルベストル(パワー値17)のほうが安定している。

 このように対処すれば、たとえ相手が3TOPで来ても4枚で確実に対処できる。両ウイングに対しては1対1で、トップ下などが絡む中央突破には2枚で押さえ込むことができるのだ。さらに相手FWの枚数が増えたときは困るが、そのときは相手も4TOP以上の枚数を前線に割いていることになる。こちらも攻撃にはかなりの人数を割けるので、撃ちあいの試合になっても勝機は五分以上のはずだ。

スイーパーシステムは、中央突破を許さないために優れた布陣だ。どんな陣形を相手が組んできても、中央の守りは必要となる 相手のウイングが開いてきても、そのカード位置に合わせてサイドバックを開こう。スペースは開くが、マンマークをつけていれば問題ない



■ 引いたフォーメーションの例

 上記では、4人で3TOPに対処する、効率のよいスイーパーを例に上げて説明した。しかし、引いたディフェンスにはいろいろなバリエーションがある。

 まず、引いて守る、ということを極限まで突き詰めたフォーメーション。それが7-0-3(4-3-0-3)というフォーメーションだ。最終ラインは下にベタ付けで4人並ばせ、そのすぐ手前に3人のディフェンダー(セレクトする選手はMFでいい)を置く。残りの3人は前線で3TOPを形成する。このフォーメーション相手に、中央突破の文字はない。崩すにはいかにミドルシュートを撃つか、サイドから速めにクロスを上げるかがポイントになる。

 つぎに、5-0-5(2-3-0-5)というフォーメーションがある。これは下ベタ付けのスイーパー2枚の上に、3バックのラインを形成したもの。リスクはあるが、少し前の位置からボールを奪いにいく。これは守備的MFを使わないため、5人をそのまま攻撃に割けるのがポイントだ。中盤は完全に無視し、引いて守ることで活路を見いだす。現バージョンでは、いったんボールを奪えば自陣で強奪される可能性が低いため、このようなフォーメーションも有効になるのだ。

7-0-3のベタ引きフォーメーション。この戦法を編み出したのは筆者ではないが、守備が非常に堅い優れた戦法であることは間違いない 5-0-5のフォーメーション。5人で守ると割りきって低く構えれば、中盤は0~1人でもなんとかなるものだ。最終ラインでマンマークさえしていれば、ボランチは少なくていい



■ 目押しプレスディフェンスの薦め

 最後に、正対したディフェンダーがボールを奪取するときの、プレスの押し方について説明しよう。といっても特殊な戦法が存在するわけではない。遠くにいるときはプレスをオフにして、ある程度まで近づいたらタイミングを見てプレスを目押しする、というものだ。

 相手ドリブラーは敵のDFが近くにいない場合、トラップを長めにしたドリブルを敢行する。それを利用してプレスを押すのを少し待ち、距離を保ってトラップを長くさせるのだ。次の瞬間にプレスを押せば、一気に間合いを詰めてボ-ルを奪うことができる。毎回美しく成功するわけではないが、つねにチャレンジしてみよう。

 何も考えずにプレスを押していると、相手のボールが足元にあるときに突っ込んでいきやすい。すると切り返して抜かれたり、弾き飛ばされることがある。また現バージョンでは、トラップの上手い選手はパスを受けた瞬間に反転して抜け出すこともしばしば。くれぐれも無謀に突っ込まず、ドリブルさせて正面から受けて立つようにしよう。


■ なんとなくでなく、狙いを持った守備を

 今回は中盤を軽視した、引いたディフェンスについて説明してきた。もちろん守備にはさまざまなバリエーションがある。4バックフラットでも、選手セレクトや戦術によって有効な場合は多々ある。しかし前バージョンまでと同じように、何も考えずフラット4を採用し続けるのはどうなのか? 負けた場合はもう一度自問して、自分の守備フォーメーションを見直してみよう。そして今までのゾーンディフェンスではなく、マンマークの概念で検証し直してみるといい。


(C)SEGA,2002,2005
(C)Panini 2005

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【7月15日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-A:第2回
http://watch.impress.co.jp/docs/20050715/wccf.htm
【7月8日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-B:第1回
http://watch.impress.co.jp/docs/20050708/wccf.htm
【6月29日】ピックアップ アーケード「WCCF EC」SIDE-A:第1回
http://watch.impress.co.jp/docs/20050701/wccf.htm
【6月29日】セガ、「WCCF」最新作「European Clubs 2004-2005」本日稼動開始!
http://watch.impress.co.jp/docs/20050629/wccf.htm

(2005年7月22日)

[Reported by 石井ぜんじ]


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