“あの”ソラカ先生と学ぶ!? やさしい「League of Legends」初心者ガイド
【連載:第1回】「LoL」ってそもそもなんなの?
2018年9月6日 12:00
ソラカ先生(とティーモ)の連載一覧
【連載:第1回】「LoL」ってそもそもなんなの?(本稿)
【連載:第2回】チュートリアルでは何をすればいいの?
【連載:第3回】AI戦はチュートリアルと何がちがうの?
【連載:第4回】対人戦にコツってあるの?
【連載:番外編】ソラカ先生のQ&Aコーナー!
「ロルくん」というキャラクターをご存知だろうか。MOBAタイトル「League of Legends」(以下LoL)の新規プレーヤー向けWeb CMで、8月に突如出現したキャラクターである。「LoL」をそのまま発音して「ロル」、転じてロールキャベツをモチーフにしたとおぼしき見た目であり、異様にリアルな質感と黒目しかない不気味な顔立ちに反して、「LoL」に対する熱い気持ちを隠さない、独特な雰囲気が話題になった。
先日のキャラクター大集合イベントで出来た友達とつながるために、ツイッターをはじめようと思った
— ロルくん (@lolkunofficial)2018年7月30日
「LoL」は、いまや代表的なMOBAタイトルとしてよく名前が挙げられるタイトルだ。ロルくんが言うように「仲間とチカラを合わせ、ライバルたちに戦いを挑む」チームスポーツとしての側面は、eスポーツ競技として2010年頃から世界中で高い人気を獲得しており、米国では2013年にアスリートビザの発行も行なわれるようになった。日本においても、直近では毎日新聞社主催の「全国高校eスポーツ選手権」の競技種目に選ばれている。
本連載は、初めて「LoL」に触れる初心者や、広告などを見て「LoL」を知った人が、対人戦に挑戦するまでの道のりについてガイドする趣旨だが、あまりガチンコな解説はできるだけ避けて、「LoL」をプレイするうえでつまずきがちなポイントや、留意すべき基礎知識をお伝えしていきたい。
また本連載では、zukuさんがTwitterや「LoL」オフィシャルのコミュニティで連載していた初心者向け解説マンガ「ソラカ先生が教えるLoL」で知られるソラカ先生とティーモにもご登場いただき、「『LoL』ってそもそも何なの?」という部分から、本タイトルの概要についてゆるく解説していく。
ゲームの基本的なルールをごく簡単にいえば、5対5の2チームに分かれたプレーヤーが、お互いの陣地にある本拠地の破壊を目指して戦うという、目的だけを見れば単純なものだ。
ルール自体はシンプルだが、「LoL」を遊んだことのあるプレーヤーからは「難しいゲームである」と評されることも多い。では一体何が難しいのか?それは本拠地の破壊に至るまでの手段がきわめて多様であることだ。
プレーヤーが操作するキャラクターとして毎ゲーム1体選べる「チャンピオン」は本稿執筆時点で141体存在しており、それぞれ異なる特性を持ち、また、チャンピオン性能を底上げするアイテムも多種多様なものの中から6つまで選択できる。このほか「サモナースペル」や「ルーン」といった要素もあり、これらは参加するプレーヤーが担う役割ごとにそれぞれ異なる。とにかく必要とされる知識量が多いのだ。これが難しくないわけがない。
加えて「LoL」はゲームの更新頻度が高く、チャンピオンのスキルやアイテムの性能が調整されることもしばしばある。これには面倒でも1度は目を通しておくことをおすすめしたい。さもないと、「久しぶりに使うチャンピオンのスキルがいつの間にか全然違うスキルになっていた!」とか「買おうと思っていたあのアイテムが(削除されて)売ってない!」とか「得意だったチャンピオンの顔が別人になっている!」といったことになりかねない。
だが、「LoL」を遊ぶすべてのプレーヤーがこれらの知識を余さず把握しているかといえば、別にそんなことはない。筆者もそうだ。
「世界のてっぺんを目指す」なら全てを知っていなければならないかもしれないが、大半のプレーヤーは知らないのがある意味普通である。だいたい141体もいるチャンピオンをすべて高い練度で使いこなせるようになるなどという芸当は普通のプレーヤーにはほぼ不可能だし、段階的に上達していくための仕組みもちゃんとある。
勝ったり負けたりして経験を積む中で知識を蓄え、プレーヤースキルを伸ばしていくのはほかの対戦ゲームと変わらない。まずは興味のあるところから、いずれは敵を知るために、腐らず、コツコツと続けることが、ゲームに向き合う態度として何より大切だ。
そして、徐々に「わからなかったことがわかる」ようになり、敵の狙いや味方の意図を感じ取れるようになるにつれて、お互い手の内を知っている同士の駆け引きが楽しめるようになっていく。いつしか「LoL」の本当の面白さに夢中になっている自分に気づくことだろう。「LoL」が世界中で人気を博している秘密はここにある。
メディアにおいては、何かと「eスポーツ」、「競技」という文脈で語られがちな本作だが、「LoL」にはもう1つ「キャラゲー」という側面もある。141体いるチャンピオンはいかにもヒーロー然としたキャラクターからヴィランめいた怪人、アメコミに出てくるようなクリーチャーやロボット、忍者、半人半獣から美少女まで、個性豊かな面々が揃っている。そしてそれぞれのチャンピオンには固有のストーリーがあり、チャンピオン同士の関係性があり、それらを取り巻く世界「ルーンテラ」がある。
なんにせよ、遊んでみるならまずは気に入ったチャンピオンを使うことをおすすめしたい。その基準はチャンピオンの見た目でも、ストーリーでも、性能で選んでもいい。愛着を持ってチャンピオンを使い、できること、できないことを熟知し、長く付き合うのが「LoL」を楽しく続ける秘訣だ。
もちろん、すべてのチャンピオンを最初から使えるわけではない。初期状態ではロックされているチャンピオンを使いたい場合、ゲームプレイや課金アイテムの使用などで溜まっていく「ブルーエッセンス」(BE)を消費してアンロックする必要がある。ブルーエッセンスを溜めるのが待ちきれない場合は、有料で購入できる「ライアットポイント」(RP)でコンテンツを購入することもできる。
「LoL」の課金要素は、このRPを消費して購入することになる。RPで購入できるのは、チャンピオンのほか、チャンピオンの見た目を変える「スキン」、プレーヤーネームの変更権、プレイサーバー(リージョン、地域)の変更権、各種ブーストアイテムなどだ。いずれも課金して購入したからといって、チャンピオンの性能が上がるといったことはない。
必要ないと考えるプレーヤーにはとことん無縁な課金要素だが、例えば愛着のあるキャラクターを、人とは違うアバターで遊びたいと考えるのも人情というものだ。「LoL」のスキンには、チャンピオンの設定を補強するような別デザインを採用したものや、クリスマスやハロウィンといったシーズンイベントをモチーフにしたもの、ファンタジーベースのルーンテラ世界からは大きくかけ離れた世界観を表現したものなど、なかなか洒落の効いたものが結構あるので、ここからは少し詳しく、特徴的なスキンをいくつか紹介したい。
「PROJECT」シリーズ
サイバーパンクな世界観で、サイボーグ化したチャンピオンを表現したかのようなスキンシリーズ。チャンピオンを機械化したようなコンセプトのスキンはこれ以外にも存在するが、「PROJECT」シリーズは見た目だけでなく音声やSEにも大幅な変更が加えられている。執筆時点(2018年8月)では12種類がリリースされている。
DJ ソナ
音楽家という設定を持つチャンピオン「ソナ」で使えるスキンの1つ。数あるスキンの中でも数少ない「アルティメットスキン」に属する。試合中のBGMを任意のタイミングで切り替えられる特殊なギミックを持っており、このBGMは味方チームのメンバーも聞くことができる。
「スターガーディアン」シリーズ
見ての通り、変身ヒーローをモチーフとしたスキンシリーズ。みようによってはかの有名な魔法少女系アニメを想起させるような見た目だがおそらく偶然似てしまっただけだろう。なお「スターガーディアン」シリーズのスキンは、一部の男性チャンピオン向けにも用意されている。現在10種類。
キングラムス
棘の付いた甲羅を持つ謎の生物として登場する「ラムス」のスキン。こちらは超有名アクションの某ボスキャラに非常によく似たカラーリングだが、多分関係はないだろう。「LoL」のクローズドβ参加特典であり、現在は入手不可。
一般にeスポーツ競技の代表格として語られることの多い「LoL」だが、様々なポップカルチャーに元ネタを持ちながら、多少悪ノリもしつつ、多様な形でチャンピオンの魅力を表現しているのも「LoL」の一側面だ。キャラクターのビジュアルは洋ゲーによくあるコテコテの洋物というカラーはそれほど強くなく、日本人にも比較的とっつきやすい造形であり、チャンピオンの魅力を語るファンコミュニティも一定の盛り上がりを見せている。競技性の高いMOBAとしての「LoL」は一つの軸としてしっかり持ちつつも、チャンピオンの持つストーリーやビジュアルから「LoL」を楽しむという入り口もあることを是非知ってほしい。
とはいえ、「LoL」の本流は対人戦である。1人、あるいは知人と一緒に遊び、勝つことで得られる達成感は、シングルプレイではなかなか得られない、素晴らしいものだ。だがそこへ至る道は険しい。
次回からは、具体的なゲームプレイに関する部分の解説を行なっていく。
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イラスト協力:zukuさん