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【特別企画】変わりつつある「League of Legends」、そしてライアットゲームズ

 ライアットゲームズのPC用MOBA「League of Legends(以下、LoL)」は世界のプレーヤー人口が1億人を超えるモンスタータイトルであり、eスポーツとしても人気が高く毎年大規模な世界大会が開催されている。2016年には日本サーバーも開設され、ゲーム内ランクで上を目指すコアなゲーマーから、友達とワイワイプレイしたいカジュアル層まで、様々なプレーヤーが「LoL」を楽しんでいる。

 また、直近では公式番組「GGTV」や、熱いメッセージを携えた「ロル君登場」などのWebCMを配信しており、新規・既存ユーザーを問わず、より広い層に向けて「LoL」を普及させるべくプロモーション活動を行なっている。

 実は日本ではここまで大規模なプロモーションが行なわれたことはなく、これまでではちょっと考えられなかった展開が今まさに繰り広げられている。そこで本稿ではライアットゲームズの取り組みについて振り返りつつ、その真意を探っていきたい。

日本で「LoL」がプロモーション展開を開始!

 ライアットゲームズは日本サーバーのオープン当初、プロモーション展開にはあまり積極的ではなく、「LoL」日本サーバーの人口は主に既存プレーヤーによる口コミを中心に広がりをみせていた。ところが「LoL」はそのゲームの複雑さから新規プレーヤーが離脱しやすいタイトルでもあり、しかもその複雑なゲーム性をわかりやすく説明する公式コンテンツの不足、また広告展開の少なさによる知名度の低さがネックとなり、思うようにプレーヤー人口が増えていかない状況にあった。

 そんなライアットゲームズは突如「直近の広告展開について」と題した記事を公開。今後は広告展開を行なっていくことを明かし、あわせて新規プレーヤー向けの「1分でわかる!リーグ・オブ・レジェンド」という動画を公開した。

【1分でわかる!リーグ・オブ・レジェンド】
8月17日現在、YouTubeやTwitterなどでのジャック広告も展開されている

 さらに8月15日には公式番組「GGTV」の第1回を配信した。「GGTV」は芸能人やストリーマー、「LoL」のチャンピオンの声を担当する声優や日本プロリーグ「LJL」の実況、解説者など、「LoL」初心者や経験者を問わず様々な"ゲーム好き"が集い、「LoL」の魅力や醍醐味を伝える番組だ。出演者はチームA、チームBに別れてそれぞれ練習を重ね、最終回にあたる第5回で両チームの対戦会が行なわれる予定となっている。

 番組ではジグスの声をあてる花江夏樹さん、「モンハン芸人」として知られる次長課長の井上 聡さんをMCに迎え、第1回ではチームAメンバーとして青木志貴さん、インパルスの板倉俊之さん、ストリーマーのmaskoさん、恭一郎さん、そしてチームAのコーチを務めるeyesさんが出演。チュートリアルからAI戦まで、主に初心者である板倉さんを暖かく(?)指導しながらのプレイが配信され、「LoL」の基礎知識や"初心者あるある"などが次々に飛び出す賑やかな配信となっていた。

【GGTV #1】
芸能人やストリーマーからなる初心者、経験者の混合チームをLJLキャスターのeyes氏がコーチとしてまとめる
初心者の板倉さんが周りからのサポートやツッコミを受けながらチュートリアルに挑む!

 また、ライアットゲームズは8月10日に「LoL」とは名前の雰囲気以外に一切関係のない「ロルくん」を主人公としたWebCM「ロルくん登場」を公開。一瞬ギョッとするようなキャラクターが熱くPCゲームについて語る、という不思議なCMとなっており、「LoL」の名前こそ口にしないものの、「努力し、仲間と協力して勝利する喜び」、「悔いのなきゲームをしよう」といった強いメッセージは紛れもなく「LoL」についてのものであり、その面白さと奥深さをアピールするものだ。

【ロルくん登場 | リーグ・オブ・レジェンド WEBCM】

全ては「LoL」の楽しさを知ってもらうために、コミュニティーに触れてもらうために

 開発・運営元自ら広告について公にするというのは極めて異例な出来事だが、意思表明をした上で行なわれた上記のような一連のプロモーションは、「できるだけ早く人々にLoLの楽しさを知ってもらい、それを支える素晴らしいコミュニティーに触れてもらうこと(公式ページより)」を目的としたものだ。

 なかでも「ロル君登場」はその意表を突いたような表現で「LoL」内外で話題を呼び、CM中の人物が呟くように「意外と好きかも」といった好意的な反応から、「ゲーム内容がさっぱりわからない」といった批判的な声も挙がっている。いずれにせよ「LoL」というタイトルがプレーヤー間だけではなく、名前だけは知っている、あるいは名前すら知らないユーザーに対して露出することができたところに、このプロモーションの意義があったといえる。

LINEアカウントではチャンピオン名を入れると、そのチャンピオンのビルド情報を教えてくれる

 それに続くようにして、誰が見てもわかりやすく面白い「GGTV」といった公式番組の配信や、別軸での新たな取組みとして「LoL」公式のLINEアカウントも開設された。こちらはLineアカウントと「LoL」アカウントを紐づけるだけで利用でき、紐付けを行なうことで「恐怖の騎士ガレン」が手に入る。

 現状実装されている仕様では、チャンピオン名を入力することで「OP.GG」で最も標準的なビルド(アイテムやルーンの構成)をすぐに確認できるようになった。「OP.GG」は実は既存ユーザーにとっては定番といってもいい「LoL」の情報サイトなのだが、これも初心者にはわかりにくいところ。公式でこういったビルド情報などが確認できるのは、新規プレーヤーにとっても、既存ユーザーにとっても嬉しい仕掛けと言える。

ガレンのスキン「恐怖の騎士ガレン」。ガレンは初心者にもおすすめできるチャンピオンだ

 「LoL」はゲーム内では常にアップデートによって様々な変更が行なわれ続けており、それがゲームプレイの新鮮さを保ちつづける1つの要因となっている。アップデートの中には複雑でわかりにくく、レベルやゲームマネーの多寡によって初心者に制限がかかってしまう「ルーンシステム」の刷新や、これまたゲームの入り口でありながら、ゲームプレイの理解には繋がりにくかった「チュートリアル」の変更なども含まれていたが、それが本当に必要なプレーヤーに届くことはなく、ゲーム内、あるいは既存プレーヤーの中だけに広がるという閉鎖的な状況にあったのだ。

 それがこの度のプロモーションで、少しずつ変わりはじめようとしている。ゲームの発展にはプレーヤーや、コミュニティが必要なのは言うまでもない。ゲームのマッチングの公平性や速度といったゲーム内のメリットはもちろん、ゲームに持続性を持たせるだけでなく、新しい楽しみを創造する源泉にもなる。日本サーバーはまだアクティブユーザーこそ他サーバーに比べて少ないものの、プロリーグであるLJLは盛り上がっており、世界大会には日本のチームも出場している。また、大学生や社会人のコミュニティも形成され、有志によるオフラインイベントも実施されている。新規プレーヤーが今後どんどん増えていけば、ゲーム内だけでなく、こうした他方面での活動の盛り上がりもより熱を帯びていくことだろう。

 これからのライアットゲームズの活動によって、より「LoL」が、日本サーバーが発展していくことを、1人のプレーヤーとして期待したい