“あの”ソラカ先生と学ぶ!? やさしい「League of Legends」初心者ガイド

【連載:第3回】AI戦はチュートリアルと何がちがうの?

【第3回】

10月10日 公開

 前回までの記事で、ゲームの入りから操作方法、キャラクターの動きまでを確認した。ここまでやってみて、「意外と簡単だな」と感じたならば、「League of Legends」(以下、LoL)を楽しむ素養があると判断してよい。「ちょっと難しいかな?」と感じても、順番に、わかるまで練習できる仕組みがあるので、気にせず次のステップに進んでほしい。

 ゲームの具体的な流れは、チュートリアルの「パワーアップ」そして「ショップで装備を強化」で実践的に覚えることができる。最初のチュートリアルと違うのは、マップの中のすべての場所へ行けるようになっていること、そしてチャンピオンのスキル発動時間や体力などの回復時間が実戦準拠になっていることだ。ステップとしては、「とりあえず動かしてみよう」から「勝つまでの流れを確認しよう」という具合になっている。

 実戦準拠なので、スキルを撃ち放題というわけにもいかないし、ダメージを受けた際の体力回復も遅い。うっかり操作を間違えて突っ込んでしまうとキルを取られることもある。「パワーアップ」以降のチュートリアルを始めると、画面右上に「スキルを習得する」、「レーンを選んで試合を開始する」などの「メインクエスト」が表示されるので、まずはクエストのクリアを目標に遊んでみよう。この段階ではいくらデスしても全然かまわない。

チュートリアルのロード画面。自分以外は全員AIだ
リスポーン地点から進むレーンを選ぶ。何度かやってみて、レーンの距離感を掴んでみてもよい

 ちなみに「レーン」とは、マップの四辺と対角線に相当する太い道のことだ。マップの上から左を走る道は「トップ」(Top)、対角線の道を「ミッド」(Mid)、左から下の道は「ボット」(Bot、「Bottom」の略)と呼ばれており、前回の記事で遊んだチュートリアルは、ミッドレーンに相当する。

 「パワーアップ」以降のチュートリアルに入ると、リスポーンポイントから3方向に向かう矢印が見えるので、好きな方向に進んでレーンを進むことになる。ここで把握しておくべきことは「レーンの進み方」だ。「レーンとか言われても……」と思うかもしれないが、この段階なら進むレーンはぶっちゃけどこでもいい。

 各レーンを進んでいくと、最終的に敵のネクサスにたどり着く。第1回の記事で述べたように、「LoL」の勝利条件は「敵のネクサスを破壊すること」だが、各レーンでは間に3本の「タワー」と「インヒビター」、それに最終防衛ラインともいえる2本の「ネクサスタワー」が挟まる。これを前から順番に破壊していく。「LoL」はいかにこれらの「オブジェクト」(目標)を取るかのゲームだ。極論を言えば、チームが戦闘でボロボロに負けていても、最終的にネクサスを壊せれば勝ちなのである。まさに「勝てばよかろう」なのだ。ネクサスを将棋の「王将」と捉えれば、イメージしやすいかもしれない。

表示されたクエストをクリアしていく
段階が進むに従って、新たなクエストが追加されていく

 ゲームの流れがわかったところで、次は「どうやって勝つか?」に意識を向けたい。相手が人間であれば、自分にできうるあらゆる手段を講じてオブジェクトの奪取と、自陣側のオブジェクトの防衛に力を尽くすだろう。相手の裏をかく動きをしたり、相手の位置によってチーム全体の動きを変えるかもしれない。だが「LoL」を始めたばかりの初心者に対人戦を強いるのは荷が重すぎる。

 「LoL」には、1人用のトレーニングモードのほかに、「AI戦」というプレーヤー5人vsAI5体による対戦モードが存在する。これは格闘対戦ゲームでいえば、いわゆる「COM戦」(対CPU戦)に相当するもので、「LoL」を始めてしばらくは、AI戦を中心に操作を覚えることになるだろう。

 AI戦は、プレーヤーの練度ごとに「入門者」、「初級者」、「中級者」の難易度に分かれているので、上達具合によって徐々にステップアップするとよい。目安としては、各難易度の対戦相手に楽勝できるようになったら次の難易度に進んでみる、という具合だが、「LoL」を始めたばかりの段階では「入門者」のAI相手でもそれなりに苦戦するはずだ。1つ1つの操作を確認しながら、ほかのプレーヤーと一緒にスキルやアイテムの効果、連携の初歩を練習していきたい。

AI戦では3つの難易度を選べる。最高難易度の中級者は、初めて使うチャンピオンでは普通につらいので楽しい
マッチング中。必要な人数が5人なのでマッチング時間は対人戦よりも大幅に短く、気軽に遊べるのが嬉しい
ほかのプレーヤーとマッチングしたところ。画面の中央の丸いゲージがなくなるまでに「承諾」を押さないと辞退扱いになる
ピック画面。練習したいチャンピオンを選んで「確定」を押すとチャンピオンが固定される

 AI戦で目指すべきポイントは、「中級者」難易度の攻略である。まずは1人のチャンピオンを使って、「中級者」難易度を安定してクリアできるようになれば、ひとまず「始めたばかりの初心者」という段階は卒業と言ってよい。この時点で、ある程度敵や味方がどんなスキルを持っているのか、どんなアイテムを買えばいいのかが、ぼんやりと把握できるようになっているはず。この段階で覚えておきたいことは、「サモナースペル」の効果の把握である。

 サモナースペルは、チャンピオンのスキルとは別に、プレーヤーの能力として設定できるスキルのこと。ゲームごとに2つまで設定可能だ。使い方は人それぞれだが、多くの場合、自分の火力を補強したり、緊急時の離脱、あるいは回復手段として使用する。はじめはどれを選べばいいのかわからないと思うが、とりあえず最初から使える「ヒール」と「ゴースト」を設定しておけば問題ない。遊んでいるうちに、自分が使っているチャンピオンに適したサモナースペルがわかるようになってくるはずだ。

「サモナーレベル」(プレーヤーのレベル)が9になった時点ですべてのサモナースペルが使えるようになる

 さて、AI戦における難易度の話をもう少し掘り下げると、「入門者」、「初級者」は初めて使うチャンピオンで相手するにはちょうどいいレベルの相手である。だが「中級者」になると話は少し違ってくる。

 「中級者」のAIは、かなり人間に近い動きをする。言ってみれば「人間ほどではないが、殺意のある動きをする」。自分が使えるスキルの性能と、相手(プレーヤー)のチャンピオンが持つスキルの効果範囲を把握して、上手いこと間合いを取ってくるし、キルされそうになったら使える手段をすべて講じて逃げるなどの動きもするようになっている。攻め時と引き際をある程度把握し、相手の裏をかくような動きこそしないものの、油断するとやられてしまうこともある。「初級者」までのつもりで挑むとかなり苦戦するだろう。

 対戦相手としてそれなりに歯ごたえがあるので、初めて使うチャンピオンというよりは、ある程度チャンピオンの性能を把握してからの練習相手に向いている。中級者レベルのAIに余裕を持って勝てるようになれば、少なくとも今後挑戦することになる対人戦で必要となる動きも最低限は身についているはずだ。

AI戦は、みな初めて使うチャンピオンや、久々に使うチャンピオンのリハビリ、性能が大幅に変更されたチャンピオン、あるいはゲームを始めたばかりのプレーヤーが参加しているためか、間合いやスキルの効果をうまくはかることができず、ボコボコにされている
筆者も5年ぶりくらいに使ったチャンピオンでボコボコにされた。でも楽しかった

 だが、ぶっちゃけてしまうと、AI戦でプレーヤー側が負けることはほぼありえないと言ってよい。AIは人間の動きとは程遠いし、動きの傾向、コツさえ掴めてしまえば勝つことはそれほど難しくない。言ってしまえば「勝つことが前提の試合」なのである。それゆえに、プレーヤーたちの心理的な負荷も低く、自分なりのペースで練習に専念できるというわけだ。

 最終的にはほぼ確実に勝てるのだから、好きなように動いて、色々なスキルの使い方や、アイテムの効果を試してみると良い。何なら多少無茶をしてキルを取られてしまっても構わない。チームメイトからは何事かと言われるかもしれないが、そう問われたら「こういう意図で、こういうことを試していた」ときちんと説明すれば、わかってくれるはずだ。わかってくれない人もいるかもしれないが。

 実戦形式のチュートリアル、およびAI戦をやってみると、アイテムを買うことでチャンピオンの性能が大きく変わることがわかるはずだ。わかりやすい例で言えば、「リーライ・クリスタルセプター」を買うと攻撃スキルに鈍足効果(スロー)が追加されるし、「ルナーン・ハリケーン」を買えば、通常攻撃の速度が明らかに速くなることに気づくだろう。当然ながらアイテムはゲームの早い段階で手に入るほどゲームを有利に進められる。

 だが「アイテムの種類が多すぎて、どれを買えばいいのかわからない」と迷ってしまうのもまた当然だろう。チャンピオンごとの装備で理想的な構成はあるが、実戦においてはどれを買えばベストなのかに、これといった正解はない。一体どういうことか?それは相手チームの構成や戦闘状況によって、買うアイテムを変える必要があるからである。それにアップデートによる調整で、チャンピオンに適したアイテムは常に変わってくる。

アイテムそのものの能力値に加えて、自動的に発動する効果が設定されている場合もあり、これの把握がわりと大変

 何を基準にアイテムを買うかはチームにおける自分の役割によるが、例えば物理属性のクリティカルダメージで火力を出すチャンピオンならば「攻撃力」、「攻撃速度」、「クリティカル率」が増えるアイテムを買えばいいし、敵の攻撃をできるだけ耐えて、後衛が攻撃する時間を稼ぐタンクであれば「物理防御」、「魔法防御」、「体力」が増えるアイテムを買えばいい。それだけなら話は早いのだが、アイテムの中にはそれぞれユニークな効果が設定されているものもあり、チャンピオンのスキルとアイテムの相乗効果を考慮して買うアイテムを選ぶことが求められる。

 「そんなもんやってられるか」と思うかもしれない。

 そう、やってられないのだ。

 そんな人にはほかのプレーヤーがどんな装備で戦っているかが見られる「ビルドサイト」との活用をおすすめしたい。代表的なところでは「OP.GG」や「LoLBuild.JP」、「SoloMidNET」などが挙げられる。最初のうちは、こういったサイトに掲載されているアイテムビルドをなんとなく真似するだけでもいいだろう。

 よりお手軽な参照方法としては、「LoL」オフィシャルのLINEアカウントをフォローして、チャンピオン名を打ち込むと、そのチャンピオンに関して「OP.GG」上で人気のあるビルドが表示される。ちなみに、LINEと「LoL」のアカウントを紐付けると、チャンピオンの1人「ガレン」の有料スキン「恐怖の騎士ガレン」がもらえる。

ビルドサイト「OP.GG」。気になるチャンピオンの装備、スキル構成や自分の戦績を調べられる
「LoL」のLINEアカウントにチャンピオン名を入れてみたところ。ナサスの言う通りこの通りに選んでおけばひとまずOKだ。超便利!

 ところで、チームが分かれて向かうレーンには、それぞれ役割と特徴がある。例えばミッドとトップはそれぞれ1人で攻撃/防衛を担当する「ソロレーン」と呼ばれ、ボットレーンは2人で行くのが一般的だ。では残りの1人はどこに行くかといえば、レーン外の「ジャングル」だ。このようにトップ、ミッド、ジャングルに各1人、ボットに2人というチームメンバーの振り分けは「EUスタイル」と呼ばれている。なぜそう呼ばれているのかについては、適当にググってください。

 ジャングルには「中立モンスター」と呼ばれる敵が配置されており、数がいない代わりに通常のミニオンよりも強く、倒すと高い経験値とゴールドが得られる。またボットレーンに2人向かう理由は、「ドレイク」というひときわ強力な中立モンスターが近くに存在するためで、どうしてこのモンスターが重要かといえば、倒すと全員に永続的なバフ(強化)がかかるからだ。ジャングルへ行くチャンピオンには別の重要な役割もあるが、ややこしくなってきたので、この辺りについては、次の機会に説明する。

チームの戦術、経験値、資金の面で重要な役割を果たすジャングルと中立モンスター。詳しくは次回

 AI戦を重ねてゲームの遊び方がわかってくると「なんだ、意外と簡単じゃないか」と思うかもしれない。だが先に述べた通り、「LoL」は対人戦こそがメインコンテンツであり、ここまでの説明はその準備にすぎない。対人戦の難易度はAI戦の比ではない。なにしろ向こうも勝つ気でかかってくるので、隙を見せればそこを突かれるし、こちらがやられたら嫌なことを積極的にやってくる。そういった試練をチーム全体で協力して乗り越えたからこそ、勝利した時の達成感と充足感が味わえるのである。

 次回はいよいよ本番、対人戦について解説したい。