“あの”ソラカ先生と学ぶ!? やさしい「League of Legends」初心者ガイド

【連載:第2回】チュートリアルでは何をすればいいの?

【第2回】

9月26日 公開

 対人モードがメインとなるゲームを遊び始めて、最初にすることはなんだろうか?人によってはいきなり対人モードへ行って「習うより慣れろ」かもしれないし、あるいは堅実に1人用のモードで遊び方を確認するかもしれない。

 「League of Legends」(以下、LoL)においては、プレーヤーとして成長するための手段に正解はない。楽しく、好きなように遊んで、徐々に慣れていけばいいと思う。ただ、アカウントを作り、ゲームをインストールして、本当に右も左もわからないところから「LoL」をスタートするのであれば、とりあえず「チュートリアル」モードをやっておくのが無難だ。

チュートリアルは、キャラクターの動きやゲームの最も基本的な流れを知るのに最も適したコンテンツである

 なぜなら「LoL」が「プレーヤー同士でチームを組んで遊ぶ」ゲームである以上、基本姿勢として「勝ちに行く」べきだからだ。そのためには最低限の動き方くらいはわかっておく必要がある。

 「LoL」のチュートリアルは、勝利条件を理解するために必要なふるまいについて、段階を踏んで教えてくれる。チュートリアルで習得できる内容は、大きく分けて3つ。「チャンピオン(操作キャラクター)の動きとスキル」、「タワーとネクサスの破壊」、「装備の購入によるステータス変化」である。

 ここで「難しそう」と思ったあなた、やめたくなったでしょう。やめないでください。

勝利画面。対人戦でこの画面を見ることは、様々な苦労が報われた瞬間でもある

 チュートリアルといえば、ゲームを始めたばかりのプレーヤーが最初にアクセスするコンテンツであり、「LoL」でももちろんそうなっている。しかしチュートリアルのコンテンツそのものはなぜかいくつかあるゲームモードの片隅にひっそりと存在するので、再度プレイしようと思ったときに「どこにあったっけ……?」と迷うこと必至。ありていに言えば入り口がちょっとわかりにくい。

 「LoL」クライアントにログインすると、左上に「プレイ」と書かれたボタンがあるのだが、これを押すと最初に出てくるのが「対人戦」用のメニュー。チュートリアルに入るには、その右にある「トレーニング」を選ぶ必要がある。

ログイン直後のトップページ。まずは左上の「プレイ」を押す
左上の「対人戦」、「AI戦」、「トレーニング」からトレーニングを選んでチュートリアルに入る

 別にいきなり対人戦で揉まれてもいいのだが、さっきアカウントを作ったばかりのプレーヤーが、魑魅魍魎うごめくサモナーズリフト(対人モードのメインマップ)に放り込まれたところで、まず間違いなくボコボコにされるため、素人にはおすすめできない。

 先に述べた通り、チュートリアルのコンテンツは3段階に分かれているが、ここでは「いろいろなチャンピオンを動かして、試合に勝つまでの流れを確認する」内容である最初のチュートリアルだけを紹介したい。というのも、いろいろなチャンピオンのなかから、しっくりくるチャンピオンを見つけるのが、「LoL」を楽しむ大事な一歩だからだ。

 前回の記事で、「LoLには現時点で141体のチャンピオンが存在する」という主旨の話をしたが、ここではあらかじめ選ばれた5体のチャンピオンをお試しで使うことができる。「アーリ」、「ダリウス」、「マスター・イー」、「ミス・フォーチュン」、「ラックス」の5体(2018年9月現在)である。それぞれゲームの役割上、成長することで高い火力を出すことができる強力なチャンピオンであり、それぞれ固有のスキルを持っている。

 細かい説明は避けるが、チャンピオンの性質は大きく分けると近距離タイプと遠距離タイプ、そして通常攻撃で火力を出すタイプか、スキルで火力を出すタイプかに大別される。チュートリアルで使えるチャンピオンは、スキルでできることがわかりやすいので、ここで操作に慣れておくと良い。

 スキルの効果がわからない場合は、スキルアイコンにカーソルを乗せると説明が表示されるので、読み込んでおこう。各チャンピオンは、常時発動のパッシブスキルを合わせて必ず5つのスキルを持っている。

スキルの詳細は、スキルアイコンの上にカーソルを乗せると数値を含めた効果がわかる。実際に使うとより理解しやすい

 ややこしい話になってきたが、この時点ではとりあえず「なんとなくわかった」程度でもOKだ。というか「なんとなく」のまま対人戦に臨むプレーヤーも山ほどいるので、極端な話「今使ったのはざっくりどんな効果のスキルか」だけ把握する程度でもいい。チュートリアルなら誰にも迷惑をかけないし。

 チュートリアルで使える5人についても簡単に紹介しておこう。

最初の1人を倒して以降は、好きなタイミングで5人を切り替えて操作を練習できる

アーリ

 お色気担当的なところもある妖狐の類。見た目の可愛らしさで人気の高いチャンピオンであるが、強力な魔法攻撃と防御無視攻撃、複数回の移動スキル、行動阻害スキルと、高い水準でバランスの取れた性能を有する強力なアサシンでもある。しかし同時に、対象に対して確実にスキルを当てる腕も要求される。チュートリアルにこいつを放り込むとは、ライアットもなかなかスパルタだと思う。

スキルの1つ「チャーム」は、当たった敵ユニットを行動不能にしながら、短時間ゆっくりとこちらへ引き寄せるスキル
光の玉を飛ばしてダメージを与える「幻惑のオーブ」は、きちんと当てれば2回ダメージを与えられるほか、繰り返し当てることで体力を回復できる

ダリウス

 実力主義のノクサス国で、若くして指導者の1人に上り詰めた軍人という役どころ。スキルはわかりやすくダメージを出すものが多く、やるべきこと、できることがシンプルで、比較的お手軽に高火力を出すことができる優秀なファイターである。それだけに、相手チームから徹底的にマークされやすいという側面もある。

周囲の敵ユニットにダメージを与える「皆殺しの斧」は、チャンピオンに当たった場合には体力回復効果も得られる
敵単体に高威力のダメージを与える「ノクサスギロチン」は、このスキルで敵を倒した場合に続けて使用できる

マスター・イー

 無敵時間のある範囲攻撃や自己回復、移動速度/攻撃速度アップなどわかりやすいスキル構成の高火力ファイター。通常攻撃を当てれば当てるほど無敵+攻撃スキルの再使用時間が短縮されるという特性を持ち、育ったときの無双ぶりは中毒者が後を絶たない。たまにはほかのチャンプも使ってください。

範囲攻撃を行なう「アルファストライク」。瞬間的にターゲット不能になるのが強い
体力回復と防御力向上、スキル効果時間を実質延長する「明鏡止水」。効果がシンプルでわかりやすく、強力なのもマスター・イーの強みだ

ミス・フォーチュン

 2丁拳銃で戦うセクシー船長。広範囲攻撃や鈍足、移動速度アップなど、シンプルながら求められる役割と噛み合った性能のスキルを持っている。この人もお手軽に高火力を出せるが、スキルの使いどころがちょっと難しい。チュートリアルではずっと操作することになるチャンピオンなので、気に入ったら買ってもいいんだぞ。

一定範囲に継続ダメージと鈍足効果を与える「レイニングバレット」。攻守ともに性能の高いスキルだ
扇状に強力な継続ダメージを与える「バレットタイム」。再使用に時間のかかる「アルティメットスキル」であり、ここ1番のところで使いたい

ラックス

 複数にヒットする長時間の足止めと範囲鈍足スキルを持ち、超長射程の強力な魔法ビームで足止めした敵を文字通り必殺するのが得意。「デマーシア!」とよく叫ぶ。デマーシアとは彼女が所属する国家の名前だが、一体どういう意味なのだろうか。愛国心の発露なのだろうか。チャンピオンの中にはラックスの兄である「ガレン」やデマーシア国の王子「ジャーヴァン4世」も存在するが、彼らも同様にデマーシアと叫ぶので、デマーシアにはなんかそういう決まりでもあるのかもしれない。

2体までの敵に足止め(スネア)効果を与える「ライトバインド」。きちんと当てられれば攻守ともに優れた性能を誇る
「ファイナルスパーク」。離れたところにいても当てやすい強力な直線状の範囲魔法だ

 ところで、ジャンルにもよるが、多くのPCゲームでは、左クリックやWASDキーを使った移動が一般的だろう。しかし「LoL」の基本操作は右クリックが主体だ。例えば右クリックした場所が移動できる地点の場合、チャンピオンはそこへ向かう最短ルートを自動的に選んで移動するし、攻撃できる対象であれば、自分の攻撃が届く範囲内まで移動して攻撃を行なう。チャンピオンを操作しているとき、スキルの発動やアイテムの使用には基本的にショートカットキーを使用し、デフォルトのキー設定では左クリックを使用しない(メニュー操作やアイテムの購入時には使用する)。

 コントロールについては初期設定のままでも快適に遊べるようになっているのだが、プレーヤーの好みに応じて変更することもできる。変更しているケースをよく見かける設定の一例としては、「オートアタック」(Auto Attack、AA)が挙げられるだろう。

 オートアタックは、その名の通り周囲の敵ユニットへ自動的に通常攻撃するかどうかの設定だ。初期設定では有効になっている。一見して便利な機能に見えるし、実際に便利な局面もあるのだが、射程内に敵がいれば勝手に攻撃してしまうので、不都合のある状況もある。詳しくは後述するが、「LoL」において敵ユニットは単に攻撃すればいいわけではなく「トドメを刺す」ことが重要になる。チュートリアルにおいては、操作に慣れてきた段階で設定のON/OFFを試してみて、どちらがやりやすいか確認しておくといいだろう。ちなみにオートアタックはSキーを押している間だけ一時的に無効化できる。

オートアタックの設定はオプションから設定できる
ちなみに、タワーの射程範囲内で敵チャンピオンに攻撃すると、タワーから優先的に狙われるようになる

 チームプレイという観点からいえば、チーム内のほかのプレーヤーが何をしているか、自分の周囲以外の場所で今何が起こっているかを把握することも重要だ。「LoL」では試合中、画面右下に常時ミニマップが表示されているので、マップ上の見たい箇所を左クリックすることで一時的に視野を動かすことができるが、初期設定では左ボタンを離すと、自分を中心とした元のカメラ位置に戻ってしまう。この挙動が煩わしいと感じた場合は、Yキーを押すことで、カメラ位置を自由に移動させることができる。なお移動させたカメラ位置を自分中心にリセットしたいときは、もう一度Yキーを押してカメラを固定させるか、スペースキーを押している間だけ一時的にカメラを固定状態にすることができる。

カメラ関連の設定もホットキーから行なえる

 このように「LoL」の操作体系はやや特殊であり、ほかのPCタイトルで慣れ親しんだ操作が通用しにくいので、慣れないうちは面食らうことだろう。慣れれば息をするように操作できるようになるのだが、こればかりは実際に操作して慣れてもらうほかにない。ここでは触れないが、プレイを重ねるにつれて、この操作体系にもきちんと合理性のあることが身体で理解できるようになるはずだ。

 最初のチュートリアルは、一部のチャンピオンと移動、攻撃、スキルの「顔見せ」的な内容なので、通常のゲームとは流れが異なり、通常のゲームよりも気にすることが少ない。具体的には、スキルはほぼ使い放題だし、敵のスキルを避けるように動いていれば敵にやられてしまうこともほとんどない。なお、ゲームの流れについての詳しい説明は次回に譲りたい。

最初のチュートリアル後半では、プレーヤーが最後に選んだ1人を除いた4人が味方NPCとして参加し、敵のネクサスに向かって進撃する

 と思ったが、1つだけ忘れてはならないことがある。「ラストヒットを取ること」だ。それはいったいどういうことか?

 チュートリアルをスタートすると、フィールドを小さなモブが列をなしてぞろぞろと歩いていくのが見えるだろう。彼らのことを「ミニオン」という。

 このミニオンは敵側にも存在しており、雑魚キャラとして戦列を形成しながら延々と前進していく。敵側のミニオンが倒れるときに自分がトドメを刺すと、追加でお金がもらえてしまうのである。

 これを1つ1つ確実にトドメを刺していけば、よりお金持ちになれる。そしてお金持ちになると、強い装備をより早く買える。今回紹介したチュートリアルの時点では気にする必要はないし、詳しくは後々説明するが、「LoL」では「自分が稼いで相手に稼がせない」というムーブも重要な戦術なので、まずは自分の攻撃で敵ミニオンの体力がどのくらい減るか、そしてどのくらい体力が減ればあと一撃で倒せるかを把握しておこう。のちのち、必ず役に立つ。

 難しい?そう、難しいのです。これはきっと、ずっと難しいと思う。

黄色い数字に注目してほしい。左がチャンピオンを倒した時の金額、右が最も金額の低いミニオンを倒した際の金額だ。相手チャンピオンを倒せばアイテムの面で大きく有利になる

 対戦ゲームといえば、多くのキャラクターの中でも突出して性能の高い「強キャラ」が存在するものだが、こと「LoL」に関していえば、「育てば全員強い」と考えるのが基本である。

 もちろん、アップデートによる調整により、相対的にほかのチャンピオンより「強キャラ」的な位置付けに置かれるチャンピオンもいるにはいるが、そもそも「LoL」はその時々で強いチャンピオンを使えば必ず勝てるようなバランスのゲームではない。

 チャンピオンにはそれぞれチームプレイにおいて想定された役割と、それに基づいた性能が設定されている。しかし「LoL」ではアイテムや「ルーン」といった要素で、足りない性能を伸ばすことができるため、極端な話をすれば、誰でも望んだ役割で活躍できる可能性を秘めていると言うこともできる。

 前回からの繰り返しになるが、基本的には気に入ったチャンピオンを使うのがおすすめである。

 さて、チュートリアルについては今回の内容を抑えておけばだいたいOKなので、次回からはいよいよ実践編ということで、実際にほかのプレーヤーとチームを組んで戦う「AI戦」について解説していきたい。

【お詫びと訂正】掲載当初、「ラックス」のスキル名を誤って表記しておりました。正しくは「シンギュラリティ」ではなく「ファイナルスパーク」です。ここにお詫びして訂正いたします。