「プレイステーション 5」レビュー

PS5は五感を刺激する! ハイクオリティな“体験全体”が真の差別化ポイント

スクリーンショットはモニターに関係なく4K標準

 PS5はスクリーンショットを撮影すると、出力しているモニターのスペックに関係なく3840×2160の4Kサイズ(おそらくアップスケール)で保存してくれる。つまりフルHDのモニターでプレイしていても、PS5に保存されるスクリーンショットは4Kサイズのものになっている、というわけだ。

 これは、たまたま手元のフルHDモニターでPS5をプレイしていた気づいた。フルHDでの出力ならスクリーンショットもフルHDサイズになると思い込んでいたのだが、PS5側の処理はそうではないらしい。それがどう役立つかと聞かれると正直困るところだが、とにかくPS5のスクリーンショットは4Kが標準となっているようだ。

たとえば「デス・ストランディング」のスクリーンショットも4Kサイズとなる
「モニターにフルHDサイズで出力中」のスクリーンショット。このスクリーンショット自体が4Kサイズで撮れている

 ちなみに「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」には2種類の映像設定、「忠実度重視」と「パフォーマンス重視」が用意されている。

 「忠実度重視」では30FPSになる代わりに、4K解像度で映像が出力され、レイトレーシングなどのグラフィックス機能がオンになる。「パフォーマンス重視」では60FPSとなるが、アップスケールによる4K映像となり、レイトレーシングなどのグラフィックス機能はオフとなる。

 場所によってはあまり違いがわからなかったりするが、特に反射があるような場所では「忠実度重視」はかなりの威力を発揮する。以下に参考画像を掲載するので、参考にしていただきたい。

2種類ある「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」の映像モード
忠実度重視。商店の前
パフォーマンス重視。この場所ではそんなに違いは感じられない
忠実度重視。ガラスの屋根に乗ったところ。奥のビルの明かりが綺麗に映り込んでいる
パフォーマンス重視。映り込みに大きな違いがある
忠実度重視。タイムズ・スクエアのシーン。右奥のビルに、反対側のネオンが映っている
パフォーマンス重視。ビルのガラスの映り込みが、はめ込まれたものになっている
忠実度重視。ビルに張り付いたところ。対面のビルのオレンジ色の広告がしっかり映っている
パフォーマンス重視。対面のビルにある広告が映り込まない

リモートプレイ機能は他のPS5とPS4を動かせる

 PS5ではリモートプレイ機能があって、他のPS5とPS4を動かせる。さらにPCやモバイルからもPS5を動かせる機能もあるようだ。実際に動かすにはPS4のアップデートや専用のアプリがいるようなので今回は動作確認できなかったが、そのような機能がメニューバーにあった、という事実をお伝えしておく。リモートプレイ機能そのものはPS4からあり、同じような感覚で外出先などからPS5を動かせることとなる。

3Dオーディオは手持ちのヘッドホンで利用可能

 PS5には3Dオーディオという機能がある。対応しているゲームやメディアをプレイする際、3Dオーディオを有効にしてヘッドホンを装着すると、音が上下左右の様々な方向から聞こえるようになる、というものだ。

 この3Dオーディオは、ヘッドホンがあれば体感することができる(イヤホンでは音の回り込みは体感できない)。機能をオンにして、5つのプリセットから自分に合った設定を選択すれば準備OKだ。

 3Dオーディオの特徴は、とりわけ没入感の深化にある。たとえば「Astro's Playroom」では強い風が吹き付けるシーンがあるが、風がどの方向から来ているかが音でわかる。左斜前から、右後ろからと感覚でわかるイメージだ。

プリセット画面では水流の音が聞こえる。自分の耳の高さを基準として選択する
雲のロボから強風が吹く。3Dオーディオによってどの方向から吹いているかが視界の外でもわかる

 また「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」では、上空をヘリコプターが飛んでいる音が聞こえてきた。単に上から聞こえてくるだけではなく、ゆっくりと頭上を通過していく感じがリアルに表現されている。

 あまりにリアルだったので一度ヘッドホンを外し、家の上をヘリが飛んでいるか確かめたのだが、やはりそんなことはなかった。3Dオーディオの力量恐るべしである。

「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」の3Dオーディオは街の音がリアルに響く。音だけで、ヘリがどの方向からどの方向に行っているかが判別できる

 没入感の点では、3DオーディオはDualSenseの振動(ハプティックフィードバック)はセットで語るべきだろう。たとえば先ほどの「Astro's Playroom」では、風とともに雨が振り付けるシーンに入っていく。

 雨がサーッと振ってくると、DualSenseにもポツポツと雨が当たる感触が来る。驚くのはそのポツポツ感がDualSense全体に、ランダムかつピンポイントに来るところで、3Dオーディオと合わせることで「雨風の中にいる感覚」が視覚、触覚、聴覚の3つで体験できてしまう。

 PS5でPS4タイトルを遊んでひとしきり満足したあと、DualSenseと3Dオーディオをフルに活かした「Astro's Playroom」に戻ってくると「ああ、PS5タイトルの体感ってこんなにすごかったんだ」と改めて感心してしまう。PS4タイトルのどれもが魅力的だが、PS5タイトルの凄みは起動速度やロード速度だけではないとよくわかる。

特に「Astro's Playroom」はPS5の特徴をあらゆる方向性で示している
ゲーム内にはPSタイトルのパロディネタが満載。ある意味、「キミにこの元ネタわかるかね?」といったゲームファンへの挑戦状が叩きつけられている

なかなか買えなさそうだがやっぱり買いたいPS5!

 PS5における起動速度やロード速度の向上、4K標準の出力といったスペック面での進化はどちらかというと順当なのではないかと思う。

 スペック的には順当に進化させた上で、「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」の異常にロードを挟まない感じや“没入感”に焦点を当てたDualSenseや3Dオーディオなど、最終的にはコンテンツ全体の魅力が勝負どころだと示しているところがいい。

 起動速度やロード速度には快適さがあり、DualSenseや3Dオーディオには驚きがある。ゲーム専用にカリカリにチューンナップされたコンソールとして、唯一無二の機能がふんだんに詰め込まれたのがPS5ではないだろうか。

 世の中はPS5の予約戦争真っ最中であり、筆者自身も落選に次ぐ落選でもう諦めそうな心境になりつつあるのだが、実際に触ってしまうとあまりの良さにやっぱり諦めたくない思いがふつふつと湧いてくる。せめて年内には、PS5を購入したいな!

年末年始、最大の話題になること間違いなし!