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【連載第16回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

GCもワイヤレス! ひと工夫されたPS2用コントローラも登場


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、今後も鋭意努力していく所存である。



今回も第12、13、14回を担当した研究所員がテスト。若干指が短い
 当研究所では、これまでも第12回第13回では有線コントローラ編、第15回ではワイヤレスコントローラ編、そして第14回では家庭用ジョイスティック編と、4回に渡ってプレイステーション 2(以下PS2)用の様々なコントローラをレポートしてきた。

 今回はコントローラ特集の締めくくりとして、ゲームキューブ用(以下GC)のワイヤレスコントローラである任天堂「ウェーブバード」に加え、コントローラにヘッドフォン端子を搭載したHORIの「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」と、左アナログスティックと方向キーの位置を入れ替えて操作性を向上させたフジワークの「真アナログ連射コントローラ」を紹介していきたい。



● 任天堂純正のGC用ワイヤレスコントローラ「ウェーブバード」

 GCでは、任天堂の「スマッシュブラザーズ」や「マリオパーティー」といった多人数プレイに対応したゲームタイトルが多く発売されている。これらのゲームをみんなでプレイする時にちょっぴり困ってしまうのが、コントローラの取り回しではないだろうか? 4台の有線コントローラを同時に利用していると、間違いなく「コード絡み修正タイム」が発生する。また、狭い部屋ではテレビの前で寿司詰め状態になりながらプレイしなければならないこともあるだろう。興奮した対戦相手の肘が直撃するなど、ある意味面白いのだが、自分の腕を発揮できない状況に陥るかもしれない。そんな時に使って欲しいのが、任天堂のワイヤレスコントローラ「ウェーブバード」だ。

「ウェーブバード」のカラーはシルバーのみとなっている
ウェーブバード

    メーカー:任天堂
    販売価格:4,725円
    通信距離:6m程度まで
    連続使用時間:約100時間
    重量:214g(電池使用時は254g)
    同時使用台数:最大4台(16台まで混在可能)
 「ウェーブバード」は2.4GHzの周波数帯を利用した電波方式のワイヤレスコントローラだ。利用可能範囲は半径6m程度までとなっており、受信機とコントローラの間に遮蔽物があっても問題なく動作する。電源には単3乾電池2本のほか、「ゲームボーイアドバンス専用バッテリーパック」も利用することが可能となっており、アルカリ乾電池で約100時間、マンガン乾電池で約50時間、「ゲームボーイアドバンス専用バッテリーパック」で約50時間の連続使用が可能だ。なお、純正コントローラで採用されている振動機能は省かれている。

 それではコントローラの外観から見ていこう。純正コントローラと大きく異なる点は、やはりサイズである。表面には電源スイッチとパワーランプ、背面にはチャンネルスイッチと電池ボックスが追加されており、コントローラの下部が大きく盛り上がっている。ただし、横幅とグリップ部分の形状については純正コントローラと全く変わっていない。また、各ボタン、十字ボタン、スティックの形状や配置も同様であり、純正コントローラをベースにワイヤレス化を図ったという感じだ。

写真からもわかるとおり、操作性に関連する部分はすべて純正コントローラと同じ形状となっている


 コントローラを握ってみると、下部の盛り上がった箇所に指が触れることはなく、まさに純正コントローラそのものといった感触である。L/Rトリガーボタンは押し込み具合が若干軽くなっていると感じるものの、十字ボタンの感触やボタンの固さ、そしてスティックのテンションについても純正コントローラを忠実に再現している。

 唯一異なる点といえば、コントローラの重さだろうか。「ウェーブバード」は単3乾電池を2本利用するため使用時の重さは約254gとなり、約198gの純正コントローラに比べて56gほど重くなっている。また、電池の重みで重心がやや後方に傾いており、重さの感じ方が若干異なる。しかし、コードの重みが省かれたことに加えてコードに縛られていないという開放感から、「精神的には軽く感じる」という印象だ。

グリップ部分の形状や厚みも純正コントローラと同じなため、今まで通りの握り方で操作を行なうことが可能となっている


 セッティングは、受信機とコントローラのチャンネルスイッチを回して同じチャンネルに合わせ、受信機をGC本体のコントローラポートに挿し込み、コントローラの電源スイッチをオンにするだけでOK。コントローラの入力を受信すると、受信機のLEDが光るようになっているため受信状況もひと目でわかるようになっている。スリープモードのような省電力機能は備えていないので、電源の切り忘れには注意したいところだ。

受信機の下部にはチャンネルスイッチが、正面には電波の受信状況を知らせるLEDが備えられている


● 純正コントローラとほとんど変わらぬ操作感。レスポンスも良好!

 それでは、カプコンの「バイオハザード4」と、エレクトロニック・アーツのレースゲーム「ニード・フォー・ピード アンダーグラウンド」を実際にプレイして、「ウェーブバード」の使用感をお伝えすることにしよう。

 「バイオハザード4」では、Rトリガーボタンを押すと銃を構え、コントロールスティックで視点を操作することによって狙いを定める。コントロールスティックを少し倒せばゆっくりと、多く倒せば速く視点を移動させることができるのだが、「ウェーブバード」と純正コントローラを交互に使用してテストを行なった結果、倒し具合による視点の移動速度に違いを感じることはなかった。レスポンスも良好で、遅延はなく正確に狙いを定めることができた。

 次に、Cスティックで“視点をずらす”という操作を行なってみたところ、純正コントローラとの差が現れた。コントロールスティックと同じように、Cスティックについても倒し具合による反応は全く変わらず良好なのだが、最後まで倒しきらずに途中で止めた状態を維持していると、視点が微妙に震えてしまう。一方、純正コントローラの場合は、視点が震えることもなく、ピッタリと静止させることができた。

 どうやら「ウェーブバード」は、非常に微妙ながらもCスティックの入力値に若干の揺らぎがあるようだ。もっとも、今回はCスティックをセロハンテープで完全に固定してこのような状況を作り出したわけで、ゲーム中には指自体が微妙に震えてしまうと思われる。よって、プレイに支障が出るほどのポイントではないかもしれない。

「バイオハザード4」のプレイ中に、Cスティックを固定してアナログ入力の具合をチェック。画面ではわからないが、背景が小刻みに震える状態が続いている


 「ニード・フォー・ピード アンダーグラウンド」は、アクセルの踏み込み具合をRトリガーボタンのアナログ入力で調整することができる。トリガーボタンの押し込み具合によるアクセルの反応は、純正コントローラとほとんど変わらないが、「ウェーブバード」のトリガーボタンのほうが若干柔らかく反発力が弱いため、微妙な操作がやや難しくなっている。その反面、押し込む力が弱くてもしっかり反応してくれるので、指が疲れにくいという利点を感じることができた。

● 遮蔽物なんてお構いなし! 十分な通信距離をサポート

 ワイヤレスコントローラを利用するにあたってもっとも気になる実際の通信距離と遮蔽物の影響についてはどうであろうか? はじめに遮蔽物が全くない状態での通信距離を測定してみたところ、7mほど離れた地点でも快適な操作を維持していた。7mも離れると、相当巨大なテレビやプロジェクターを使用していない限りゲーム画面を確認することは困難なので、これだけの距離をサポートしていれば実用上問題はないだろう。

 次に、本コーナー第15回の「超便利! ワイヤレスコントローラを試す」編と同じく、受信機とコントローラの間に木製のテーブルとフライパンを挟み、7mの地点で操作するという遮蔽物テストを行なってみたが、十字ボタンやボタンなどの入力が途切れたり、レスポンスが低下したりすることもなく結果は良好。さらに、木製のドアを2枚挟んだ9m先でも問題なく利用することができた。

 また、電子レンジ、無線LAN、携帯電話、PSP、ニンテンドーDS、ワイヤレスマウスを同時に利用した状態で、6m離れた地点から操作を行なうという電波干渉テストも、余裕のクリアという結果であった。これだけの遮蔽物耐性を持っているのであれば、部屋の遮蔽物を気にすることなく快適にゲームを楽しむことができるといえよう。

木製のテーブル、フライパンによる遮蔽物テストは何事もなかったようにクリア!


● お金はかかるがパーティーゲームには最適!

 操作に関わる部分については純正コントローラと全くと言っていいほど変わっていなかった「ウェーブバード」。さすがは任天堂が販売している製品だ、という感じであった。また、入力の遅延も全く感じることがないため、純正コントローラから乗り換えても違和感なく使いこなすことができるだろう。ただし、不意な電池切れだけはワイヤレスコントローラを利用していく中で避けては通れない道でもあるので、予備の電池と有線コントローラの収納場所だけは日頃からチェックしておいて欲しい。

 しかし、純正コントローラとほとんど変わらぬ操作感を実現しているだけに、振動機能が省かれているという点は少々残念なところだ。その分、重量が軽く、連続使用時間が長くなっていると言えるのだが……。振動機能よりも「ワイヤレスコントローラを使って快適に多人数プレイを楽しみたい!」 という方にオススメしたい。



● ヘッドフォン端子を搭載した「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」

 ゲームをプレイする時、迫力のあるサウンドを求めてヘッドフォンやイヤフォンを利用している方も多いのではないだろうか? 当連載の第9回で紹介したようなワイヤレスヘッドフォンを利用しているのであれば話は別なのだが、有線のヘッドフォンやイヤフォンを利用する場合、コードの長さは少なくとも2m程度必要となる。これだけコードを伸ばすと、コントローラのケーブルに絡まり取り回しが困難になるだけでなく、想像以上に収納が大変なのだ。このような苦労を解消してくれるのが、HORIの「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」である。

アナログ振動パッド2ターボ サウンド

    メーカー:HORI
    販売価格:3,150円
    ケーブル長:約2.0m
    ヘッドフォン端子搭載・ステレオヘッドフォン同梱
    連射機能・アナログスティック感度切替え機能付き
    DUALSHOCK2互換
「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」は、第12回と第13回でレポートした「アナログ振動パッド2ターボ」と同じ形状をしており、アナログスティックの感度調節や連射機能も搭載している


 まずはコントローラの形状から見ていこう。グリップ部分は純正コントローラより約2cm長くなっているが、全体的に丸みを帯びたデザインは純正コントローラに近い形状となっている。アナログスティックは純正コントローラに比べて0.5mm短く、頭部は直径で0.7cm小さくなっており、純正コントローラとの差が大きいポイントだ

方向キーの形状は純正コントローラと異なるが、○、△、□、×、R、Lボタンの形状や配置はほぼ同じとなっている。中央左側のスイッチでは、アナログスティックの感度をワイドモード、ノーマルモード、ナローモードの3段階に切り替えることができる。中央右側のスイッチでは、連射速度を約5回/秒、約12回/秒、約20回/秒の3段階に切り替えることが可能だ


 手に持った時の感触だが、純正コントローラより長いグリップ部分により、手の平全体でコントローラを支えることが可能となっているため、グリップ感とフィット感が向上している。また、方向キーと○、△、□、×ボタンの押し心地は、硬いとまではいかないが、若干クリック感がある。アナログボタン入力の具合は軽く押した時の反応が純正コントローラよりも若干強めだが、強弱をしっかりと再現することができた。

 短くなったアナログスティックの操作感は、純正コントローラと若干異なる。てこの原理を想像するとわかりやすいのだが、アナログスティックが短いと言うことは、その分大きな力を加える必要があるということになる。限界まで倒し切った時は「少し硬いかな? 」と感じる程度なものの、倒しきらずに途中で止めた状態を維持していると、親指に若干の負担を感じる。また、頭部が小さいためグリップ力も若干落ちているようだ。

コントローラの表面は光沢のあるツルツルとした素材でできているため、手が汗ばんでくると若干滑り易くなる
デュアルショックによる振動の具合を水面の波紋でチェックしてみた。左が「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」、右が純正コントローラの写真である。純正コントローラに比べて振動の幅がやや狭いため、手の内部ではなく手の表面を中心に振動を感じるという具合だ。リズムを刻む振動では、純正コントローラよりもメリハリがある


● PS2のAVマルチ出力端子から音を直接抽出

 次に、「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」の特徴であるサウンド機能について掘り下げていこう。本製品は、有線のコントローラとネックバンド型ヘッドフォンがセットになっており、コントローラに搭載されたヘッドフォン端子に付属のヘッドフォンを接続することで、ステレオサウンドを楽しむことができる。また、ヘッドフォン端子はポータブルオーディオ製品で一般的に利用されている3.5φの端子となっているため、手持ちのヘッドフォンやイヤフォンも接続することも可能だ。ヘッドフォン端子の下には音量調整用のボリュームを備えており、手元で音量を調整できるようになっている。

コントローラにはヘッドフォン端子と音量調整ボリュームが搭載されている 付属のネックバンド式ヘッドフォン。コードの長さは1mとなっている


AVマルチ出力端子とコントローラコネクタを繋ぐ中継プラグ
 「なぜコントローラのヘッドフォン端子から音を出力することができるの?」と少し不思議に思うかもしれないが、そのカラクリは「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」の接続方法にある。まず、PS2のAVマルチ出力端子とAVケーブルの間に、付属の「中継プラグボックス」を接続する。中継プラグボックスからは音声プラグが伸びており、これを「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」のコントローラコネクタに差し込むことで、コントローラのケーブルからヘッドフォン端子に音が送られるのだ。また、同時にテレビからも音声が出力されるため、テレビで音声を聞きたい時でも接続を変更する必要はない。

左がPS2に中継プラグボックスを接続した写真、右が中継ボックスの音声プラグをコントローラコネクタに接続した写真だ。中継プラグボックスは最大2つまで連結させることができる。ただし、AVマルチ出力端子を搭載していないPSXでは利用できないので注意して頂きたい


● 音質は十分! 好みのヘッドフォンやイヤフォンを使うのがベスト

 それでは肝心の音についてチェックしていきたい。まずは付属のヘッドフォンを接続してゲームをプレイしてみたところ、出力される音量は十分と言えるのだが、低音がイマイチ弱くシャリシャリとした軽い感じの音が聞こえてきた。このような音になってしまった理由は、耳に覆い被せるスピーカー部の密着性が低いからだと思われる。密着の具合は頭や耳の形によって変わるため、聴こえ方も人によって異なるだろう。また、無音の状態にならないと気が付かない程度ではあるが、常に「ブーン」といったノイズ音が発生していた。

 次に密着性の高い手持ちのイヤフォンを使ってチェックを行なったところ、低音域から高音域に渡りバランスの良い音を聴くことができた。また、無音の状態になると「ジリジリジリ……」という非常に小さなノイズ音が発生していることを確認できるのだが、付属のヘッドフォンで発生していたノイズ音ほどではなく、ほとんど気にならないレベルであった。このようにノイズ音が低減されたということは、付属のヘッドフォンの性能はイマイチかもしれないが、コントローラ内のアンプ部分は実用に耐えうる性能ということであろう。

 ちなみに、今回のテストで発生したノイズ音は、ゲームの音に完全にかき消されるほど微弱であり、当研究所員的には気にするレベルではないと感じたことを付け加えておこう。

● モノラル環境でゲームをプレイしている方にもオススメ

 付属のヘッドフォンでは低音の効いたクリアな音を得ることができないかもしれない、という結果になってしまったものの、ヘッドフォン端子から出力されている音については、十分な音質と十分な音量を維持していることがわかった「アナログ振動パッド2ターボ サウンド」。コントローラ単体での販売は行なっていないので、まずは付属のヘッドフォンを試し、好みの音ではないと感じた時には手持ちのヘッドフォンやイヤフォンを接続してみて欲しい。

 また、PS2本体から直接音を抽出することで、モノラル出力にしか対応していないテレビや、ヘッドフォン端子がないテレビでもステレオサウンドでゲームを楽しめるようになる。ヘッドフォンやイヤフォンのコードの取り回しが容易になるだけではないというところにも注目して欲しいところだ。少しの投資でゲームのサウンド環境を向上させたいという方にはオススメのコントローラ、是非一度チェックして頂きたい。



● アナログスティックをベストポジションに! 「真アナログ連射コントローラ」

 PS2用のゲームタイトル、特に3Dのアクションゲームでは、基本的な移動に左アナログスティックを使い、方向キーは補助的な使い方をする場合が多い。それならば、頻繁に利用する左アナログスティックをベストポジションとも言える方向キーの位置に変更し、操作性を向上させてしまおうというのが「真アナログ連射コントローラ」である。

真アナログ連射コントローラ

    メーカー:フジワーク
    販売価格:2,280円
    ケーブル長:約2.4m
    連射機能・スロー機能付き
    DUALSHOCK2互換
「真アナログ連射コントローラ」は、第12回と第13回でレポートした「アナログ連射コントローラ」の連射機能やスローモーション機能をそのままに、左アナログスティックと方向キーを入れ替えた製品となっている


 コントローラの特徴は、もちろん左アナログスティックの位置だ。左アナログスティックは、そのまま方向キーの位置に移動しており、高さも大きさも右アナログスティックと変わらない。一方、方向キーのサイズは直径1.6cmとなっており、純正コントローラに比べると0.7cmも小さくなっている。○、△、□、×、R、Lボタンの形状や配置、アナログボタン入力の具合は純正コントローラを忠実に再現しているため、操作性に違和感を覚えることはないだろう。また、グリップ部分の内側には小指と薬指を引っかけることができる窪みが用意されており、グリップ性はバツグンだ。

「真アナログ連射コントローラ」は、純正コントローラに近い使用感を維持しながら、左アナログスティックの位置変更や、グリップ部分の内側に窪みを加え、操作性を向上させている
デュアルショックによる振動の具合を水面の波紋でチェック。左が「真アナログ連射コントローラ」、右が純正コントローラの写真である。水面の写真からもわかるとおり、振動の強さだけでなく、表現力も純正コントローラにかなり近い


● 飛躍的に向上している左アナログスティックの操作感

 実際にゲームをプレイしてみると、左アナログスティックの操作性が向上していることをすぐに感じることができる。手が小さい研究所員の使用感となるが、純正コントローラでは左アナログスティックを右側に入力する時、親指を限界まで伸ばす必要があり、親指の付け根に少し疲労を感じることがあった。一方、左アナログスティックを方向キーの位置に移動した「真アナログ連射コントローラ」では、アナログスティックを操作する親指にも余裕があり、無理をすることなく自然な操作が可能になるのである。

 そのため、親指への負担が緩和されるだけでなく、アナログスティックさばきがプレイの結果に大きく影響するレースゲームやフライトゲームでは、操作性が飛躍的にアップしていることを強く実感できる。「真アナログ連射コントローラ」にもっと早く出会っていれば! と感じてしまうほどの効果であった。

左アナログスティックとL2ボタンの距離が短くなるため、親指と人差し指の開きが縮まり、L2ボタンも押しやすくなる。コントローラの表面はツヤ消し処理が施されており若干ザラついている


 また、左アナログスティックの位置に移動した方向キーも操作感が大きく変化している。純正コントローラで方向キーの入力を行なう場合は、親指の腹から第一関節までを使う方も多いと思う。一方、「真アナログ連射コントローラ」ではサイズがひと回り小さくなったことと、グリップ部分からの距離が伸びたことにより、主に親指の腹を使うことになるのだ。どちらの方が操作性に優れているのか? と聞かれると、好みと馴れの問題になると言わざるを得ないが、手が小さい人にとっては親指と人差し指の間が突っ張ってしまうため、若干の疲労を感じてしまうかもしれない。そのような時は、ゲームタイトルの操作方法によってコントローラを使い分けることも視野に入れておいた方が良いだろう。

● 「真アナログ連射コントローラ」とXbox、GCの純正コントローラを比較

 さて、すでに気が付いている方もいるかもしれないが、「真アナログ連射コントローラ」のアナログスティックと方向キー(十字ボタン)の位置は、XboxとGCのコントローラと同じである。実際に3つのコントローラを使ってみるとわかるのだが、右スティックについては、グリップ部分から右スティックまでの距離が三者三様なため、操作感は同等といった感じだ。逆に方向キーの操作感は若干異なっている。方向キー(十字ボタン)のサイズは、GCのコントローラと「真アナログ連射コントローラ」が同等で、XboxはPS2の純正コントローラとほぼ同じだ。グリップ部分から方向キー(十字ボタン)の距離については、「真アナログ連射コントローラ」とXboxのコントローラは長く、GCのコントローラでは短くなっている。

左から、「真アナログ連射コントローラ」、Xboxのコントローラ、GCのコントローラ


 これらの状況を総合すると、「真アナログ連射コントローラ」は先述した通り、操作性に問題は見受けられないが、手が小さい人にとっては指が疲れてしまうだろう。Xboxのコントローラはグリップから方向キーまでの距離が長いため主に指の腹を使うことになるのだが、方向キーのサイズが大きく、上下左右と全体を動かすには指の腹だけではもの足りず、複雑なコマンドを入力するといった操作が難しい印象だ。もっともフィットしたのは、グリップ部分から方向キーまでの距離が短く、親指に十分な余裕ができるGCのコントローラであった。

左から、「真アナログ連射コントローラ」、Xboxのコントローラ、GCのコントローラを実際に持った時の写真だ。親指と方向キーの位置に注目して頂きたい


 「真アナログ連射コントローラ」もグリップ部分の厚みがもう少し薄ければ、GCコントローラ並みの心地よい操作感を実現できたことだろう。といっても、今回は手が小さい人を中心に語らせて頂いた結果である。個人的なワガママとなってしまうが、手が小さい人や女性ユーザー向けにサイズを最適化したコントローラの登場にも期待したいところだ。

● まさにベストポジション! 3Dアクションゲーマーなら手元に置いておきたい一品

 左アナログスティックを方向キーの位置に移動するだけで、これほどまでに3Dアクションゲームの操作性が向上するとは驚きの結果であった。確かにXboxやGCのコントローラと同じアプローチなのだが、これをPS2で実現したという事実を素直に喜びたいところだ。また、右スティック以外の部分に関しては、純正コントローラに近い操作感を再現していることも嬉しい点である。是非、ゲームに合わせて「真アナログ連射コントローラ」と純正コントローラを使い分け、こだわりのあるゲームライフをおくって欲しい。

 5回に渡ってお送りしたコントローラ特集は、今回でひとまずおしまい。今後も新しいコントローラが発売された時にはその都度レポートしていく所存なので期待して頂きたい。それでは最後に、PSP用の収納ケースである「PSPピクトグラム PSPケース」を紹介して本記事を締めくくることにしよう。



● ゲームグッズフラッシュ(いつまでも仮称?)
人気の高い「PSPピクトグラム PSPケース」をついに紹介!

"PS ピクトグラム" シリーズ “PSP”ケース

    メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
    販売価格:9,975円
    品番:SCZX-93178
 PSPのケースと言えば、やはり「△○×□」のピクトグラムを使用した新ブランド“PS Pictogram Series”の「PSPケース」が気になる方が多いだろう。当研究所としてももっと早期にお伝えしたかったのだが、この"PS Pictogram Series"は、あの「PORTER」とのコラボレーション製品であり、かなり人気が高い。PlayStation.comによる販売形式もプレ予約からの抽選形式となっており、研究所員も何度かのプレ予約に参加した結果、今回ようやく入手、読者の皆様に紹介することができるようになったという次第だ。

● 素材や手触りはさすがの感触。収納量のバランスもよい

 このPSPケースは全体の素材がポリエステルで構成されているのだが、PSP本体に直接触れることになる収納部分にはナイロンが使われているため、当たり前ではあるが、ケースとの接触が原因でPSP本体に傷などがついてしまうなどといった心配はない。

左から正面、背面、真横の写真。特に真横のカットでは、ホールド部分とポケット部分の位置をつかむことができる


 ケースには、もちろんPSP本体を収納できるほかにも、ケース背面のファスナー内部に、UMDを収納できるポケットが2つ、メモリースティックを収納するのに適したメッシュポケット、PSP専用リモコンやイヤフォンを収納できるポケットが搭載されており、PSPを楽しむために持ち歩きたいアイテムは漏らさず収納できるといったところ。これ以上のアイテムを収納するとなるとケース自体のサイズが大きくなってしまうであろうことを考えても、いいバランスであると感じられる。

背面側に搭載されているポケットには、持ち歩く際に必要なものは一通り収納可能となっている


● 見た目よりも強いホールド力。飛び出し防止のガードなどの工夫も良好

 PSP本体を収納する際は、PSPケースの前面部分にPSPを差し込むように入れることになるのだが、この収納感覚は「これは“ケース”というより“ホルダー”と表現したほうが近いかな? 」という印象を受ける。PSP本体はケース側面の部位につけられた伸縮性のあるバンドによってホールドするのだが、このホールド方法だと、激しい動きや揺れ、衝撃が加わったときにはPSP本体が飛び出しちゃいませんか? と不安を覚えるかもしれない。だが、バンドが締め付ける力は当初想像していたものよりも強めになっているうえ、ケース上部には飛び出しを防止するためのガードがついているため、多少の動きや揺れならば問題を感じない。

 若干気になるのは、バンド部分はゴム素材なので、使っていくうちに伸びてしまわないだろうか、というところ。これは長期的に使用してみないことにはわからない部分だが、感触としては丁寧に使用していればかなりの期間は品質が保たれるような気がする。

PSP本体をホールドするバンド部分(左)と、飛び出し防止と思われるガード(右)。バンド部分のみのホールド方法だとさすがに保護性能に不安を覚えるのだが、ガードの存在によって、不安はだいぶ払拭される
PSPやUMDなどを収納してみたのだが、コンパクトにすっきりと収まる見た目はこの製品の最大の魅力だろう。ケースに収納したままで専用リモコンの装着や充電も行なえるのは嬉しいところだ


指を入れて取り出すにはちょっと狭すぎるメモリースティックDUO収納用のメッシュポケット。ポケットの底も深めで、正直取り出しづらい、と言わざるをえない
 UMDやリモコンなどの収納部に関してはおおむね使いやすい印象なのだが、気になったところが一点だけ存在する。それはメモリースティックDUOの収納に適しているというメッシュポケットである。筆者が試しにメモリースティックDUOを入れてみたところ、思いのほかメッシュポケットの底が深く、また、ファスナー部が狭いため指を2本入れるのがギリギリといったところで、メモリースティックDUOをつまんで取り出すのが難しかったのだ。この点は、メモリースティックDUOを何枚か持ち歩いているというかたには少し辛いポイントとなるかもしれない。

● “オシャレに持ち歩く”を実現する質のよい一品

 全体的には、“ケース”としての保護性能や収納性能は及第点ながらも若干の改善の余地を感じる、といった内容になったのだが、このPSPケースの真価はやはり“PS Pictogram Series”である、というところにあるのだろう。ケース自身の作りは丁寧な印象を受けるし、ファスナー単体を見てもいいパーツが使われていると感じるわけで、「ケース自体を所有していることに満足感を感じる」という、ゲームグッズとしてはあまり例のない製品なのである。カバンなどを持たずに、“PSPを見せて歩く”というコンセプトを実現するのであれば、若干値が張るものの選択肢に入れたい製品だ。

 なお、「PORTER」とのコラボレーションによる“PS Pictogram Series”第1弾は、現在受け付けられている最終予約分がなくなり次第販売が終了となるのだが、今回紹介する「PSPケース」のみ、今後もプレ予約方式による販売が行なわれるということなので、興味を持った方はぜひチェックして頂きたい。


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「バイオハザード4」
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□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□フジワークのホームページ
http://www.fujiwork.co.jp/technica/
□プレイステーション・ドット・コムのページ
http://www.jp.playstation.com/

(2005年4月21日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]


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