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【連載第15回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

超便利! ワイヤレスコントローラを試す


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、今後も鋭意努力していく所存である。



 ゲームをプレイしている時に、「コントローラを引っ張りすぎてケーブルが抜けてしまった」、「ケーブルを足で引っかけて本体が倒れてしまった」といったトラブルを体験したことはないだろうか? このような些細な事故でゲームが中断されてしまったり、本体を破損してしまったりするのはできれば避けたい。そこでオススメしたいのが、ワイヤレスコントローラである。コントローラのケーブルがなくなることで、これらの問題を解決することができるだけでなく、プレイスタイルが自由になるため、リラックスした状態でゲームを楽しむことも可能になる。さらに、「ケーブルをぐるぐる巻いてコントローラを片付ける」といった収納の手間を省くことができるようになるのだ。

 このように沢山のメリットを持つワイヤレスコントローラだが、気になるのはボタンを入力した時のレスポンス、つまりワイヤレスゆえに起こりそうな遅延や、どれだけ離れて操作できるのか? といった使用感ではないだろうか。ということで、今回はプレイステーション 2用のワイヤレスコントローラであるロジクール「コードレス・コンパクト・コントローラ」と、HORI「ワイヤレスアナ振2」を実際に使ってみることにした。



● 「コードレス・コンパクト・コントローラ」と「ワイヤレスアナ振2」をチェック!

これが担当所員の手である。指が若干短めになっているのが特徴的だ
 まずはじめに、手のサイズによってコントローラを持った時の感触や操作感が変わることも考えられるので、本記事を担当した研究所員の手のスペックをお伝えしておこう。各指の先端から第3間接までの長さを測定したところ、親指の長さ7cm、人差し指の長さ7.5cm、中指の長さ8.0cm、薬指の長さ7.5cm、小指の長さ6cmであった。手の平を人差し指側から小指側まで測った長さは8.5cmとなっている。成人男性の平均的な手のサイズより若干小さいことをふまえて読み進めて頂きたい。

コードレス・コンパクト・コントローラ

    メーカー:ロジクール
    販売価格:4,580円
    通信距離:最大9m
    連続使用時間:50時間(振動機能オフ時は100時間)
    重量:220g (電池使用時は260g)
    同時使用台数:最大8台
    DUALSHOCK2互換
 ロジクールの「コードレス・コンパクト・コントローラ」は、2.4GHzの周波数帯域を利用した電波方式を採用しているため、コントローラと受信機の間に遮蔽物があっても問題なく利用することができる。電源にはアルカリ単3電池を2本使い、デュアルショック機能(振動機能)をオンにした状態で約50時間、オフにした状態で約100時間の連続使用が可能だ。通信距離は半径9m以内となっており、マルチタップを利用することで、8台まで同時に利用することができる。

「コードレス・コンパクト・コントローラ」のカラーバリエーションは、ブラック、シルバー、ホワイトが用意されている


 まずはコントローラの外観から見ていこう。全体的に曲線を多用したデザインとなっており、裏側にはコントローラを持った時に指をホールドするための窪みが設けられている。○、△、□、×ボタンは純正コントローラに比べて直径が1mm小さく、各ボタンの間隔も若干狭い。また、アナログスティックの頭部は直径が3mm小さく、さらに表面が平らになっているため高さも2mm低くなっている。商品名にもある通り、微妙ではあるがコンパクトな作りだ。

コントローラ表面の上部には、デジタルモードとアナログモードを切り替えるボタンと、振動機能のオン・オフを切り替えるボタンが存在する。○、△、□、×ボタンはコントローラのカーブに沿って山なりに配置されている


 実際にコントローラを握ってみると、裏側の窪みに中指が丁度収まるようになっており、指の置き場に迷うことがない。持った感覚は純正コントローラと異なるものの、手にぴったりとフィットするため疲れを感じにくいという印象だ。方向キーはストロークが深く、入力を行なった際に「カチャッ」という音が鳴るのが少し気になるところ。また、○、△、□、×ボタンやアナログスティックのサイズが小さくなっていることの影響はほとんど感じられなかった。ただし、ボタンを押したときの感触は若干固めとなっており、純正コントローラに比べてクリック感が増している。

 ワイヤレスコントローラで気になる点のひとつとして、コントローラの重さが挙げられるだろう。「コードレス・コンパクト・コントローラ」の重さは224gだが、アルカリ単3電池を2本利用するため使用時には264gとなり、純正コントローラに比べて約92g増している。電池の収納場所はコントローラの中心部にまとめられているが、グリップ部分に搭載されているデュアルショック用モーターの影響で重心はやや後方となる。結果、重さがグリップ部分に集中するため安定して持つことが可能となっており、意外と疲れにくいと感じた。

コントローラ裏側に備えられた窪みに中指が自然に収まっていることがわかるだろう。この仕組みによりグリップ性も向上している。また、表面は印刷紙のようなザラ付き感があるため滑りにくくなっている


 セッティングはいたって簡単。PS2のコントローラポートに受信機を接続し、コネクトボタンを押した後にコントローラのいずれかのボタン(方向キーとアナログスティックを除く)を押すだけで、自動的にチャンネルを合わせてくれる。コントローラには電源のオン・オフは存在せず、PS2の電源を切ると同時にほとんど電力を使わないスリープモードに入る。また、ゲーム中に5分間操作を行なわなかった場合は自動的にスリープモードへ切り替わる「省電力機能」も搭載されている。スリープモードから復帰したい時はコントローラのいずれかのボタンを押すだけとなっており、電源のオン・オフを気にせず利用することができる。

受信機はコンパクトな作りになっており、PS2に接続したままでも扉付きのラックに難なく収納することができるだろう。方向キーやボタンの入力を感知すると、それに合わせてLEDが点灯する。視覚的に動作確認を行なうことが可能だ


ワイヤレスアナ振2

    販売価格:4,179円
    通信距離:最大5m
    連続使用時間:50時間(振動機能オフ時は120時間)
    重量:224g(電池使用時は284g)
    同時使用台数:最大4台
    DUALSHOCK2互換
現在ではパッケージが一新されており、カラーバリエーションがクリアブラックとクリアブルーに変更されている
 HORIの「ワイヤレスアナ振2」は、前述の「コードレス・コンパクト・コントローラ」と同じく電波方式を採用しているため、受信機とコントローラの間に遮蔽物があっても利用することができる。電源にはアルカリ単3電池を3本使い、ディアルショック機能をオンにした状態で約50時間、オフにした状態で約120時間の連続使用が可能だ。通信距離は半径5m以内となっており、同時に4台まで利用することができる。

 コントローラ本体を見てみると、まず一番はじめに気が付くのが大きさだ。コントローラの上部にはチャンネルダイヤルや電池ボックスが搭載されているためアーチ状に盛り上がっている。また、グリップ部分は純正コントローラに比べて2.5cmほど長くなっていることも、大きさを感じさせる要因だろう。このように縦方向のサイズは大きくなっているが、横方向の大きさや、方向キー、各ボタン、アナログスティックの配置は純正コントローラとほとんど変わっていないので安心して頂きたい。

方向キーは十字型が採用されている。L2とR2ボタンは、純正コントローラに比べて半分の大きさになっているのがわかるだろう。右アナログスティックの上部に配置されているスイッチで、電源のオン・オフ、振動機能を無効にするといった操作を行なう


 手に持った時の感触だが、純正のコントローラと比べてグリップ部分が長くなっているので、コントローラを手の平全体で支えることが可能になり、グリップ感が向上している。十字型の方向キーは中心が大きくへこんでいるため、親指がしっくりと収まるようになっている。○、△、□、×ボタンの押し心地やアナログスティックの感触は純正コントローラに近いが、L2とR2ボタンはサイズが小さくなっているため、操作に馴れないうちは押し外してしまうことがあるだろう。

 コントローラ自体の重さは224gだが、単三電池を3本使うため使用時の重量は284gとなる。純正コントローラの重量が約170gなので、約114gも重くなっているのだ。また、電池が前方に収納されていることから重心もやや前方に偏っており、コントローラを支える人差し指や薬指にも若干の重さを感じた。長時間のプレイでは重みにより手が疲れてしまうかもしれない。

コントローラの裏側は、上部とグリップ部以外が完全にフラットな作りになっているため、中指の収まり具合がイマイチ。コントローラの表面は、「コードレス・コンパクト・コントローラ」と同じくサラつき感がある


 セッティングは、受信機とコントローラに搭載されているチャンネルダイヤルを回して同じチャンネルに合わせ、PS2のコントローラポートに受信機を接続すればOK。コントローラ側の電源スイッチをオンにすれば操作が可能な状態になる。電源スイッチをオフにしておけば一切電力を使わない状態になるが、スリープモードなどの省電力機能は搭載されていないため、オンの状態のまま放置しておくと操作時と同じスピードで電池が消耗されてしまう。未使用時は必ず電源をOFFにしておくことを心がけたい。

「ワイヤレスアナ振2」の受信機は、「コードレス・コンパクト・コントローラ」に比べると縦に長くなっている。先端に備えられたダイヤルを回してチャンネルを合わせる




● ワイヤレスでも有線コントローラ並みのレスポンス。アナログボタンの操作は馴れが必要

「太鼓の達人」をプレイしながらレスポンステスト。遅延を感じることもなく、タイミングもバッチリだ
 それでは「コードレス・コンパクト・コントローラ」と「ワイヤレスアナ振2」を使って実際にゲームをプレイしてみよう。まずは、音楽や映像に合わせてタイミング良くボタンを叩く「太鼓の達人」をプレイしてみることにした。

 その結果、「コードレス・コンパクト・コントローラ」、「ワイヤレスアナ振2」共にゲームを開始した直後から、一番タイミング良くボタンを押したことを表す“良”をたくさん獲得することができた。たまに失敗することもあるが、これは研究所員の腕がイマイチなだけであり、純正コントローラを使用した時も同じ状況だ。ゲームの結果だけでなく、体感的にもボタン入力の遅延は感じられない。「ワイヤレスコントローラでは遅延が発生するのでは?」と思ってしまうが、このような心配は無用であった。

「バーチャファイター4」のゲーム画面である。同じタイミングで同じ技を出した時、このように相打ちの状態となる
 更に詳しくレスポンスを調べるために、セガの「バーチャファイター4」でテストを行なってみよう。1P側にワイヤレスコントローラを、2P側に純正コントローラを接続し、同じキャラクタを向き合わせた状態から○ボタンでパンチを繰り出す。この時、同じタイミングで同じ技を出せば相打ちになるはずなので、片方のみがヒットするような状態になれば遅延していることがわかる。

 早速試してみたところ、両ワイヤレスコントローラにおいて10回中8~9回は相打ちの状態となった。10回中すべてが相打ちとはならなかったが、これはボタンを押したときに若干の誤差が生じていることによるものと考えられる。若干検証方法としてはあいまいだが「ワイヤレスコントローラでは遅延が発生するのでは?」という心配はほぼ無用といえよう。

 次に、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)の「グランツーリスモ4」(以下GT4)をプレイしてみたところ、純正コントローラと大きく異なる点を発見した。「GT4」はボタンを押した時の強弱で、アクセルやブレーキの具合を変化させることができるのだが、「コードレス・コンパクト・コントローラ」ではボタンを最大まで押し込んだ時のアクセル入力値を100%とすると、軽く押した時は5%程度となっている。この状態からボタンを押し込むことでアクセル入力値が上がっていくのだが、純正コントローラに比べるとやや感度が高く、徐々にアクセルを踏み込んでいくといった操作が難しくなっていると感じた。

 「ワイヤレスアナ振2」では、ボタンを軽く押した瞬間にアクセル入力値が100%まで上がってしまった。そのため、徐々にアクセルを踏み込んでいくという操作は正直困難だろう。ボタン自体のストロークは長いのだが、アナログ入力として反応する領域は狭いようだ。

 そこで、アナログボタンの入力値を256段階でチェックすることができるSCEJの「ブラボーミュージック」を利用し、ボタンを軽く押したときの状態をチェックしてみたところ、純正コントローラの入力値は256段階で約12、「コードレス・コンパクト・コントローラ」は約3、「ワイヤレスアナ振2」は約111であった。

「ブラボーミュージック」のオプションでは、アナログボタンの調整を行なうことができる。左から純正コントローラ、「コードレス・コンパクト・コントローラ」、「ワイヤレスアナ振2」を利用した時の画面だ。「弱く」のメーターで白く表示されている部分がアナログボタンの入力値を示している。「コードレス・コンパクト・コントローラ」では視認が難しいほど入力値が低い


 「ワイヤレスアナ振2」ではボタンを軽く押したときの入力値が純正コントローラに比べて9倍近くになっており、「GT4」をプレイした際にアクセルが全開になってしまうこともうなずけるだろう。逆に、「コードレス・コンパクト・コントローラ」では純正コントローラに比べて約1/4の入力値となっている。

 この入力値の低さは、ナムコの「エースコンバット5」でミサイルを発射する時に違和感を感じるポイントになるかもしれない。実際に「コードレス・コンパクト・コントローラ」を使って「エースコンバット5」をプレイするとわかるのだが、256段階で約3程度の入力値ではミサイルを発射することができない。また、前述した通り純正コントローラに比べてボタンのクリック感が増しており、普通の力でボタンを押したつもりでも入力値が約3程度と低い状態になっている場合も多い。そのため、ボタンを少し奥まで押し込むといった操作が必要となり、純正コントローラから乗り換えたばかりの時にはやや戸惑ってしまうだろう。

 ただし、両製品ともアナログスティックの反応は良好。純正コントローラと変わらないレスポンスと入力幅を再現しており、アナログスティックを途中まで倒した状態でも入力値が揺らぐことはなかった。また、デジタル入力時にはボタンを軽く押すだけでしっかりと反応してくれる。以上のことから、ボタンの感度がシビアに影響するゲームタイトルに限り、アナログ入力の癖を理解してからプレイするほうが良いといえるだろう。



● 遮蔽物や電子機器が発する電波の影響は?

研究所員宅のテレビからキッチンまで、約7m離れた地点から操作中
布団にくるまりながらゲームを楽しむ研究所員。もちろんプレイ中は頭を出している
 まずは受信機とコントローラの間に遮蔽物が全くない空間で、純正コントローラのケーブルの長さと同じ2.3mの地点まで離れてテストを行なったところ、ボタン入力の取りこぼしや遅延などは全く発生せず、快適にプレイすることができた。さらに、7mまで離れてみたが、両製品とも2.3mの位置から操作した時と同じ操作感を維持している。レスポンスに関しても遅延が発生することもなく良好であった。

 それでは、遮蔽物が存在する状況ではどうであろうか? 手始めに受信機から約3mの地点で布団の中にコントローラを入れ、横になりながらプレイしてみたが、電波が途切れることもなく快適にプレイすることができた。布団にくるまり、リラックスした状態でもゲームを楽しむことが可能というわけだ。プレイ中に寝てしまわないように注意しなければいけないのだが、万が一寝ってしまっても、「起きた時にケーブルが体にからみついていた! 」、「寝ている間にケーブルを引っ張ってしまい本体が倒れていた! 」ということがないところに、ワイヤレスコントローラの魅力を感じてしまうのである。

 次に、受信機とコントローラの間にテーブルなどの遮蔽物があることを想定し、PS2の前にテーブルを被せてテストを行なった。その結果、2.3mの地点では両製品とも何の問題もなくプレイすることができたのだが、6mを超えた地点で「ワイヤレスアナ振2」のボタン入力が5回に1回程度反応しなくなってしまった。「コードレス・コンパクト・コントローラ」は7mの地点でも良好だ。さらに金属製の遮蔽物にも挑戦してみよう。キッチンからフライパンを取り出し受信機の前に覆い被せてみたが、テーブルを置いた時の状況とほとんど変わらず、「ワイヤレスアナ振2」は5.5mの地点で操作が不安定に、「コードレス・コンパクト・コントローラ」は7mの地点でも相変わらず快適、という結果になった。

 そこで、現実にはありえない状況となるが、受信機を遮蔽物で完全に覆いつくすという状況を作り出すためにアルミホイルを幾十にも巻き付けて実験を行なった。「ワイヤレスアナ振2」は3mの地点で完全に沈黙。しかし、「コードレス・コンパクト・コントローラ」は「無駄なことを……。」と言わんばかりに、7m離れた地点ても平然とプレイすることが可能であった。

 「ワイヤレスアナ振2」では見通しの良い空間に比べると正常にプレイできる距離が縮んでおり、遮蔽物が通信距離に少なからず影響しているという結果となった。一方、「コードレス・コンパクト・コントローラ」に関しては遮蔽物耐性が非常に高いといえよう。実際、どれだけの遮蔽物耐性と通信可能範囲を備えているのか気になり、ゲームの音だけを頼りに実験を行なってみたところ、木製のドアを2つ、金属でコーティングされたドアを1つ挟んだ玄関先、直線距離にして約10mの地点でも利用することができたのである。

横100cm、縦50cm、厚さ2cmのテーブルを受信機とコントローラの間に設置 フッ素コートが施された厚さ約4mmのフライパンで受信機を覆う なにがなんだか分からない写真となっているが、両製品の受信機をアルミホイルに覆いPS2に取り付けてみた


電子レンジ、無線LAN、携帯電話、ワイヤレスマウス、PSP、ニンテンドーDSでワイヤレスコントローラを囲む
 物理的な遮蔽物の影響をほとんど受けない「コードレス・コンパクト・コントローラ」。ということで、考え方を少し変えて、電子機器が発する電波による電波妨害を試みることにした。「ワイヤレスアナ振2」の周波数帯は非公開とされているのだが、「コードレス・コンパクト・コントローラ」は2.4GHzの周波数帯を利用していることがわかっている。2.4GHzというと、電子レンジや無線LANと同じ帯域だ。

 そこで、受信機から6m離れた電子レンジの前に立ち、電子レンジと無線LANに加え、携帯電話、ワイヤレスマウス、PSP、ニンテンドーDSを同時に利用するという電波まみれの状況を作り、両コントローラで操作を行なってみた。結果は全く問題なし。これらの機器による電波の干渉はほとんど受けないと考えてよさそうだ。



● PSXでワイヤレスコントローラを使ってみよう

受信機はPSX本体の背面に設置されているため、ラックに収納するとテレビやPSX本体、ラックが遮蔽物となる
 PSXは、コントローラのコネクタが本体の背面に設置されているため、ラックに収納している状態ではコントローラを取り外して片付けることが難しい。また、テレビや録画の操作はワイヤレスのリモコンで行なうことが可能となっているが、ゲームをプレイする時だけ有線のコントローラを使わなければいけないというのは、家電向けの機器として考えると何とももどかしい状況なのだ。このような事情から、PSXでワイヤレスコントローラを利用することは非常に有意義と言えよう。

 しかし、ワイヤレスコントローラの受信機も背面に装着することになるため、この状態でラックへ収納した場合はラックやテレビだけでなくPSX本体までもが遮蔽物となってしまう。ということで、PSXをラックへ収納した状態で「コードレス・コンパクト・コントローラ」並びに「ワイヤレスアナ振2」を利用することができるのか、実際にテストを行なってみることにした。

PSXのコントローラコネクタは2つ平行に取り付けられているため、厚みのある「コードレス・コンパクト・コントローラ」の受信機はどちらか一方にしか装着することができない。「ワイヤレスアナ振2」はギリギリではあるが2つ同時に装着することが可能だ


 テストの結果、「ワイヤレスアナ振2」では約3mを超えた地点で信号の取りこぼしが発生し、正常に操作することができなくなってしまった。一方、数々の遮蔽物テストを余裕で通過してきた「コードレス・コンパクト・コントローラ」は7m離れた地点でも快適に操作することができた。よって、PSXで安心してワイヤレスコントローラを利用したい場合は、「コードレス・コンパクト・コントローラ」をオススメしたいところだ。

 ちなみに、両製品ともPSXでの利用は正式にサポートしていない。当研究所によるテストでは、コントローラとしての機能やPSXの動作に問題が発生することはなかったが、動作の保証はできないので注意してほしい。



● 水面の波紋を見ながらデュアルショック機能をチェック!

 最後に、セガの「Rez」をプレイしながらデュアルショックによる振動機能をチェックしてみよう。両製品共に、振動機能をオンにすると使用時間が半分に減ることからもわかるように、電池を使うワイヤレスコントローラにとって振動機能は負担の大きい機能となっている。

 「コードレス・コンパクト・コントローラ」の振動は、純正コントローラに比べると若干弱め。手の平までは十分な振動が伝わるが、純正コントローラのように手首まで振動を感じる程の力強さは得られなかった。また、「トン、トン、トン」とリズムを刻む振動では、メリハリが薄いという具合だ。「ワイヤレスアナ振2」は、電池が3本使われている効果だろうか、純正コントローラと同じようにメリハリのある力強い振動を感じることができた。

左から、純正コントローラ、「コードレス・コンパクト・コントローラ」、「ワイヤレスアナ振2」を水の中に入れて振動させた写真だ。「コードレス・コンパクト・コントローラ」は幅が狭く高さの低い波紋となっており、振動の弱さが表れている。「ワイヤレスアナ振2」は純正コントローラに近い波紋を確認することができた




● 電池切れさえ気をつければ快適なワイヤレスプレイ!

 ワイヤレスコントローラでひとつ気になる点といえば、やはり電池を使うことだろうか。「コードレス・コンパクト・コントローラ」、「ワイヤレスアナ振2」共に電池の残量が少なくなると、コントローラのランプが点滅するため電池の交換時期を事前に知ることができるのだが、ついつい限界まで使ってしまうこともあるのが実情だ。不意に電池が切れたり、電力不足で反応が鈍くなったりした時のことを考え、交換用の電池と有線コントローラの収納場所を常に把握しておくことで安心感を高めることができるだろう。また、デュアルショックによる振動は必要ないなと感じた時は、振動をオフにして電池を節約することも考慮したい。

 入力の遅延をほとんど感じることもなく、通常のプレイ環境であれば十分な通信距離を維持していることがわかったワイヤレスコントローラ。“ワイヤレス= 遅延”というイメージが払拭されたことで、ワイヤレスコントローラを使うべきなのか迷っていた方々が、再度購入を検討して頂けたら嬉しい限りである。



● ゲームグッズフラッシュ(いつまでも仮称?)
HORIの新作!! 「アナログ振動パッド2 TURBO」をワイヤレス化した「ワイヤレスアナ振2 TURBO」

「ワイヤレスアナ振2 TURBO」のカラーバリエーションはブルー、レッド、ブラックとなっている。価格は4,179円
 今回のレポートでは遮蔽物耐性に若干弱いという結果となったHORIの「ワイヤレスアナ振2」だが、5月中旬にも後継機種となる「ワイヤレスアナ振2 TURBO」が発売されることになった。電波の周波数帯を2.4GHzへ変更することにより通信距離を約10mまで伸ばしただけでなく、安定した操作を実現したという。電源にはアルカリ電池を2本利用し、デュアルショック機能をオンにした状態で約50時間、オフにした状態で約300時間の連続使用が可能となっている。また、スリープ機能を搭載することで、電源の切り忘れによる電池の消耗を防ぐことができるようになった。

 コントローラの形状は第12回第13回でレポートを行なった「アナログ振動パッド2 TURBO」がベースとなっており、3段階の切り替えが可能な「連射機能」と「アナログスティックの感度調整機能」を備え、さらに方向キーへも連射機能を割り当てることができるようになっている。今回紹介したのはHORIからお借りしたものなので、製品版を入手次第、詳細なレポートをお伝えする予定なのでお楽しみに。

方向キーや各ボタンの配置、アナログスティックの形状などは、「アナログ振動パッド2 TURBO」と変わらないと言っても良いだろう。ツヤ消し処理が施されたボディの質感にも注目したい



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「太鼓の達人」
(C)2000 2001 2002 NAMCO LTD
(P)MANUFACTURED BY U's BMB Entertainment Corp.

「バーチャファイター4」
Original Game(C)SEGA (C)SEGA-AM2/SEGA, 2001

「ブラボーミュージック」
(C)2001 Sony Computer Entertainment Inc.

□ロジクールのホームページ
http://www.logitech.com/index.cfm/JP/JA
□HORIのホームページ
http://www.hori.jp/

(2005年4月14日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]


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